あたしはセックスに
こだわりすぎますか?(3度目)
デンマンさん、一体ここはどこですの? あなたの目の前に僕が居るんだから、ここはカナダのバンクーバーですよ。 でも、あたし、バンクーバーにやってきた記憶がありませんけれど。。。 また、記憶喪失ですか? << 境界性人格障害の判断基準 >> ■ 対人関係が不安定だ。 理想化とこき下ろしの 両極端を揺れ動く。 ■ 衝動性が強い。 浪費、薬物乱用、過食、無謀運転、 見境なしのセックスなどに陥る。 衝動的に不倫に走ったりする。 ■ 感情が不安定だ。 強い不快、イライラ、 不安などに悩まされる。 ■ 自分ではコントロールできない 不適切なほどの強い怒りが起こる。 ■ 自殺の振る舞いや 自傷行為などを繰り返す。 ■ 自分自身に対するイメージが不安定。 自己同一性の顕著な混乱が見られる。 ■ 慢性的な空虚感、退屈さがある。 ■ 見捨てられる不安とそれを 避けようとする行為を繰り返す。 ■ 妄想観念や解離性障害 (記憶喪失や現実感の喪失など)がある。 上の9つの項目のうち、5つ以上当てはまると境界性人格障害と診断される可能性が高い。 あたし、本当にバンクーバーにやってきた記憶がないのですけれど。。。 こうして僕と一緒に居るということが何よりの証拠じゃないですか。間違いなくあなたはバンクーバーに居るんですよ。 。。。でも、あたし、仕事に行かないと。。。 レンゲさん、。。。あなたはバンクーバーに居るんですよ。 そんな、。。。そんなことが。。。。あたしは、。。。あたしは、一体どうしてバンクーバーに居るのですか? 本当に覚えてないんですか? 覚えていません。。。。あたし、。。。。あたし、マジで覚えてないんです。 とにかくね、直美に僕から言っておきましたよ。レンゲさんは“徹マン”で疲れているから、ぐっすり眠って疲れを取ってから店に行くとね。 。。。で、誰があたしの代わりに。。。 だから、直美が臨時に熊谷店に出ていますよ。 でも、あたし、洋ちゃんには何も言ってないのですけれど、。。。きっと心配していると思います。あたし、どうしたら。。。 だから、直美から話してありますよ。心配しなくても大丈夫ですよ。 でも、どうしてあたしは、デンマンさんのベッドの中に居るのですか? それも覚えてないんですか? 全く覚えてません。 夕べ、あなたは怖い夢を見て、眠れなくなったと言って僕の部屋にやって来たんですよ。 また、こんな格好してしまったんですの? そうですよ。僕に喜んでもらうんだ、と言ってあなたはこういう格好になってしまったんですよ。去年の真夏の夜の出来事と同じですよ。覚えていないんですか? 覚えています。。。あたし、。。。あたし、。。。デンマンさんの腕の中でイってしまったんです。その事だけはハッキリと覚えていますわ。 山田さんには奥さんも子供もいたのですが、 親しく言葉を交わすようになってから 6ヶ月程経った頃、 私は思い切って別れたボーイフレンドの事を 切り出したのです。 それがきっかけで、 山田さんと男女関係のことを話し合うようになり、 それまでに他の人には相談できなかった セックスの悩みなども彼に打ち明けるようになったのです。 そのようなわけで私たちは急速に近づいていったのです。 ある時別れたボーイフレンドの話をしているうちに 思い余って私は泣きだしてしまいました。 その時アパートまで送ってくれた車の中で 山田さんは私を抱き寄せて慰めてくれたのです。 その次の週私は彼を自分のアパートに招いて 初めて身を任せたのでした。 久しぶりのエッチだったので、 溢れ出る愛液がシーツに滴るほど感じてしまい、 とても恥ずかしい思いをしました。 男性経験は別れたボーイフレンドしか知らない私は、 女の扱いに慣れている山田さんの 至れり尽くせりの愛撫を受けて、 身も心も溶けてしまうようでした。 強烈な快楽に初めて頭が真っ白になり、 悦楽にしびれて我を忘れるような恍惚感にどっぷりと浸ったのです。 山田さんと結婚することはかなわないけれど、 彼の存在は今の私の生活に癒しを与えてくれる大切な人になりました。 別れたボーイフレンドとは味わうことのできなかった官能の歓びを知り、 山田さんによって心が癒される以上に 私の身体が彼のことを忘れられなくなってしまったのです。 でも、いつまでこの秘められた関係を続ける事ができるのか、時々不安になります。 『初めてカキコします。これからもよろしくお願いします』より デンマンさんの腕の中で、あたし、洋子さんが手記の中で書いていたように強烈な快楽に初めて頭が真っ白になったんです。悦楽にしびれてデンマンさんに抱かれてイッてしまったこと以外は何もかも忘れてしまったんです。 本当にイッてしまったこと以外は覚えてないんですか? 覚えていません。あたし、。。。こんな風になってしまって、何と言ったらいいのか。。。とても恥ずかしくって。。。 何も恥ずかしがる事はないじゃないですか。 だって。。。、あたし、洋ちゃんに毎晩抱かれているというのに、こんなにシーツ濡らしてしまったんですもの。。。 恥ずかしいことじゃないですよ。むしろ悦んでいいことですよ。それだけレンゲさんが女として熟していることなんだから。。。 デンマンさんは、本当にそう思ってくださるのですか? そう思っていますよ。 あたし洋ちゃんのことを本当に愛しています。 分かっていますよ。 でも、洋ちゃんのことでいろいろとデンマンさんに聞いてもらっていたのは、ちょうど洋子さんが山田さんに別れたボーイフレンドのことでいろいろと話を聞いてもらっていたように、。。。デンマンさん、あたしの言おうとしていることが分かります? なんとなく。 あたしは、やっぱり、デンマンさんとこうなることを強く望んでいたのでしょうか? レンゲさんは清水君にとって初めての女性でしたからね。 そうなんです。だから、あたしは、洋ちゃんの扱い方に不満があったのかもしれません。あたしは思ったんです。洋子さんは別れたボーイフレンドしか知らなかったから、女の扱いに慣れている山田さんの至れり尽くせりの愛撫を受けて、身も心も溶けてしまったんですよね。 そういうことでしょうね。 あたしは、洋ちゃんに愛されていたけれど、体の中で燃えきらないものがあったようです。デンマンさんだってご存知だったんでしょう? いや、なんというか。。。。 デンマンさんは、何もかも知っていたんですわ。あたしがバンクーバーにやって来ることまで知っていたんですわ。それに、。。。それに、。。。デンマンさんに抱かれて、あたし、体の中でくすぶっていたものが癒された以上に、あたしの体がデンマンさんのことを忘れられなくなってしまったんです。 |
あらっ。。。。これ、一体どういうことですの?。。。急に電気がパッとついたように明るくなりましたわ。
眼が覚めましたか?
ここはどこですの?
直美のマンションですよ。あなたが使っていた部屋ですよ。ぐっすり眠っていましたよ。よっぽど疲れていたんでしょうね。いくらなんでも二晩続けての“徹マン”は体に良くありませんよ。
あらっ。。。もうこんな時間だわ。。。すぐにお店に行かないと。。。
心配しなくてもいいですよ。直美が店の方に出向いていますよ。
あたし、あれから今までずっと眠っていたんですか?
そうですよ。あと30分で12時間眠ったことになりますよ。
あたし、やっぱりお店に行きますわ。
いいんだよ、レンゲさん。行かなくっても。。。。あなたには十分に休養をとって欲しいんだって。。。そう直美が言ってましたよ。目の下にクマを作って店に出て、アクビをしていたのでは仕事にならないでしょう?
あたし、奥様に心配をかけてしまったのでしょうか?
いいんですよ。レンゲさんは休みをほとんどとらずに働きっぱなしだったんだから。。。
あらっ。。。あたし、。。。
どうしたんですか?
シーツを。。。濡らしてしまいましたわ。。。。デンマンさん、ちょっとウェブカム。。。あっちの方を向いていてもらいますね。パンツ穿き替えないと。。。
それ程恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。
だって、パンツ穿き替えるところまでお見せできませんわ。
パンティーまで濡れてしまったんですか?
シーツまで濡らしてしまったんですもの、パンツだって濡れていますわ。
男には“夢精”ということが結構ありますけれどね、女性にも“夢精”に似たことがあるんですね。
あたしって、変わってますか?
余りそういう話しを聞かないけれど、でも分かりますよ。レンゲさんは水木洋子さんの手記にこだわっていたからね。
分かりますか?
もう、そろそろウェブカムを元通りにしてもいいでしょう?
ハイ、これでどうですか?
それで、。。。あのォ~。。。今度はどんなパンティーを身につけたんですか?
そんなことは、どうでもいいじゃありませんか?んも~~
分かりました。無理に見せろとは言いませんよ。。。でも、見たいなあああ。。。
それで、デンマンさん、あたしはどうして、こんな風に。。。
それはね、洋子さんにとってもレンゲさんにとっても愛とセックスは極めて近い関係にあるからですよ。
なぜでしょうか?
幾度も言うように、平均的な女性にとって愛とセックスはハッキリと違うものなんですよ。例えば直美の場合、愛とセックスは次のように離れているんですよ。
直美にとってセックスと言うのは愛を生み出すためのモノではないんですよ。
じゃあ、なんですの?
夫婦であることの証(あかし)なんですよ。そのように厳しく育てられたんです。だから夫でない人とのセックスは直美にとっては心の痛みになってしまう。つまり、直美にとって恋愛とセックスはすぐには結びつかない。
それは奥様がデンマンさんに言われたことですの?
違いますよ。直美はセックスのことを口に出すことはめったにありませんよ。
なぜですの?
直美は、レンゲさんのようにセックスについて素直に話すことはできないんです。そのように育てられたんですよ。恋愛とセックスは本質的に別だという考え方を持っていますよ。でも、レンゲさんはそうじゃない。
あなたにとって愛とセックスは重なるほどに近づいているんですよ。
どうしてでしょうか?
それはね、レンゲさんの場合には“愛”と言う名のセックスは“幼児的なふれあい”を満たしてくれたばかりではなく、“教育と言う名の虐待”からの開放でもあったんですよ。
どういうことですか?