

不倫とヌードは
いけませんか?
いけませんか?

生まれたままの姿で

2006/08/16
お風呂上がりのわたしは妖精になる
爽快な気分のままに
わたしは鏡に向かって微笑む
やさしい気持ちになって
あなたを思い出す
心地よいぬるま湯のように
あなたを包んであげたくなった

わたしは砂漠に生まれた小さな花
花をつけることを忘れたまま
ある朝ひっそりと枯れてゆく
だれかが見つけてその花を
きっと枯れ草と呼ぶでしょう
花を咲かせることはできなかったけれど
それは確かに花だったのです
そのように枯れたわたしだったけれど
あなたに出会えてよみがえった
でもこの幸せがいつまで続くのだろうか
持続力のない多幸感のあと
地面をなめる様な気分が
いつだってついてまわる
私をからまわりさせるあの感覚
でもこの一瞬を
生まれたままの姿を
あなたのために咲かせたい
わたしは砂漠に生まれた小さな花
花をつけることを忘れたままに
ある朝ひっそりと枯れていった
あなたに出会えてよみがえったわたしは
やっと小さな花を咲かせている
生まれたままの姿で
咲いているわたしを
あなたは見つめている

やっとオアシスを見つけ
咲いているわたし
いつまでもこのまま咲いていたい
たとえまた枯れるとも
最高の一瞬を
最高の一瞬だと
意識しないのはもったいないこと
お風呂上がりのわたしは妖精になる
爽快な気分のままに
わたしは鏡に向かって微笑む
やさしい気持ちになって
生まれたままの姿で
あなたを思い出す
by レンゲ
『生まれたままの姿で』より
あたしがお風呂上りに裸で居る事はいけないことですか?
ダメだとは言ってませんよ。ただし、レンゲさんが風呂上りに裸で居る時に、そばに他の人が居たら誤解を与えますよ。
その人がデンマンさんでもですか?
もちろんですよ。普通、成人男女は裸のままで一緒に居ることはありませんよ。特別な関係を除いてね。
あたしとデンマンさんは特別な関係ですわ。
確かに、僕はレンゲさんのことを“心の恋人”と思っているし、レンゲさんも僕の“求愛”を受け入れてくれたから、特別な関係だと言うこともできるけれど、この場合の“特別な関係”というのは、身も心も許しあった愛人関係という意味ですよ。
あたしはデンマンさんに身も心も許していますわ。
だから、そういう言い方が誤解を招くんですよ。レンゲさんは“退屈な恋愛がイヤ”なんですよね。普通の恋愛では満足できない。つまり、もっとワクワクした、スリルとサスペンスとセックスに彩(いろど)られた映画か小説の中に出てくるような恋愛。。。そうでなければ、初めから秘密めいた危険を秘めた不倫。。。そういう恋愛をレンゲさんは思い描くのかもしれない。
あたしは、特に強烈な刺激を恋愛に求めているわけではありません。ただ、マンネリ化してしまった退屈なだけの恋愛がイヤなだけです。
そのために、レンゲさんのオツムの中では“デンマンさんに身も心も許していますわ”となってしまっている。その証拠が上で書いたレンゲさんの詩ですよ。詩の中の“あなた”は僕ではないんですよ。レンゲさんのオツムの中の星の王子様なんですよ。
あたしは夢を見ながらデンマンさんを星の王子様にしているとおっしゃるのですか?
それがレンゲさんの詩の世界ですよ。レンゲさんだって分かっているのだろうけれど、レンゲさんの場合には、その詩の世界にのめりこんでゆくと、現実の世界と詩の世界が溶け合ってしまう。そう言う訳で風呂に入ることまで詩的になってしまう。つまり、風呂に入るにも退屈しない風呂の入り方をする。だから、風呂上りにも気分よく、しばらくの間、裸のままで居たりする。美容体操までしてしまう。しかもバスルームのドアを半分以上開けたままで体操する。僕に見られることまでも、無意識のうちに“退屈紛れ”の一つに入っているのではないだろうか?僕は、そんな風に思うことがしばしばありますよ。
あたしはデンマンさんに見てもらいたいから裸で美容体操するわけではありませんわ。
レンゲさんは退屈しないために、そうするのかもしれないけれど、たまたまそれを目にした人にとって、それがどれ程大きなショックになるか?。。。レンゲさんはその事を全く考えに入れていないようですよね。
あたしは、それほどデンマンさんにショックを与えたのですか?
そうですよ。去年の夏はスケスケのナイティー(nightie)を着て真夜中に僕の部屋にやって来たけれど、今年の夏は、レンゲさんは生まれたままの姿でやって来たんですよ。
いけませんか?
レンゲさんは詩の世界でウットリとなってしまっている。ちょうど上の詩を書いているときのような気分でいるんですよ。

でもこの一瞬を
生まれたままの姿を
あなたのために咲かせたい
。。。
あなたに出会えて
よみがえったわたしは
やっと小さな花を
咲かせている
生まれたままの姿で
咲いているわたしを
あなたは見つめている
あたしが夢遊病者だとデンマンさんはおっしゃるのですか?
夢遊病者だと断定するわけではないけれど、レンゲさんはちょうど自己催眠をかけたように、この詩の世界の中でウットリとなっているんですよ。そういう状態でレンゲさんは真夜中に生まれたままの姿で僕の部屋にやって来たんですよ。でもね、妻子ある男の目には“据え膳”を通り越して異常な光景に映りますよ。僕は本当に心臓麻痺を起こすかと思うほど驚きましたよ。心臓がね。。。、もう、口元まで飛び上がりましたからね。寿命が1年か2年ちじまったはずですよ。
デンマンさんは、いつだって大げさですわ。
大げさじゃない!僕は本当に驚きましたよ。レンゲさんは、その時、自分が詩の世界の中でウットリとなっている事に気づいていないのですか?
別に、あたしは自分が異常な状態にいるとは思っていませんわ。
“夢中”になると言うのは、ちょうどそのような状態のことを言うのでしょうね。レンゲさんは、まるで夢を見たまま、その中で自分で自分に操られている人形のようでしたよ。
あたしは、夢を見ていたわけでもないし、自己催眠をかけていたわけでもありませんわ。
それで。。。、自分が生まれたままの姿である事を自覚していたのですか?
ええ、そうですわ。ちゃんと分かっていました。
。。。で、恥ずかしいとか。。。そういう気持ちは全くなかったのですか?
ありませんでしたわ。
でも、清水君に“下つき”と言われて、レンゲさんは別れてしまう程心を傷つけられたんでしょう?
そうですわ。
下つきだと言われて。。。
レンゲさんは清水君と水と油だと思い込んでいるからですよ。
実際そうなんですねん。
僕とレンゲさんだって、水と油ですよ。
いいえ、決して水と油ではありませんわ。デンマンさんは、あたしの詩をじっくりと読んでくれて、あたしの言おうとしている事をちゃんと分かってくれていますわ。洋ちゃんはあたしが書いた詩など見向きもしないんです。
ただそれだけの事でしょう?清水君は詩が好きでない。詩など興味のない男はたくさんいますよ。その事だけを取り上げて、清水君とレンゲさんが水と油だというのは可笑しいでしょう?
それだけではありません。洋ちゃんは、あたしが気にしている事を言うんです。
僕だって、レンゲさんが気にしている事をグサリと言ってのけると、レンゲさん自身が言ったではないですか?
でも、洋ちゃんは、女が最も気になるような事を言うのですわ。
何を言われたんですか?
だから、あたしが“下つき”だって。。。あたしが、とても気にしている事を洋ちゃんは言い捨ててケロッとしているんですねん。
それはレンゲさんが気にする必要のない事ですよ。清水君だって、週刊誌を読んで話の種に言ったまでですよ。レンゲさんと他の女性を見比べて言ったわけじゃない。
どうして、そうだと分かるのですか?
第一、清水君はレンゲさんが初めての女なんですよ。レンゲさん自身が僕にそう話したんですよ。。。それとも、清水君はレンゲさんにウソをついていたのですか?
いいえ、ウソをついたわけではありませんわ。洋ちゃんは本当にあたしが初めてでしたわ。
だから、比べようがないじゃありませんか?つまり、レンゲさんだって、そのぐらいの事は分かっているんですよ。根拠のない事を清水君は言っているのだから、そういう事は無視すればいいんですよ。つまりね、それもレンゲさんの言い訳なんですよ。そういうような取るに足りない理由をいろいろと取り上げて、レンゲさんが何をしているかと言うと、ジューンさんが言った事をモロに実践しているんですよ。
あたしが何を実践しているとおっしゃるのですか?
だから、“人は自分の思った通りの人間になる”という事を実践しているんですよ。
どういうことですの?
レンゲさんが認めているように、レンゲさんはグレーゾーンのない女性なんですよ。極端から極端に走ってしまうんですよ。
それで、あたしが何を実践しているのですか?
つまり、レンゲさん自身が自分に言い聞かせているわけですよ。一生懸命書いたレンゲさんの詩を清水君は見向きもしない。僕はレンゲさんの書いたものは何でもありがたがってじっくりと読んでレンゲさんに返信を書く。
(中略)
でもね、清水君は他の男と比べてみても、レンゲさんが言うほどつまらない男ではないですよ。ただ、些細な事が元で問題をこじらせて別れてしまった。だから、レンゲさんにしてみれば、僕がレンゲさんの書いた詩や手記や記事をありがたがって読んで、いろいろと批評を書くことに対して、何か特別なものを感じる。そういう事を基にして、僕を理想化している。僕ばかりではないんですよ。レンゲさん自身がジューンさんが上で言っているような“人は自分の思った通りの人間になる”と言う魔術を無意識に自分にかけて、自分のオツムまでもすっかり洗脳してしまっている。だから、僕に向かって、“デンマンさんの赤ちゃんなら産んでもいいんです”と恥ずかしげもなく素面(しらふ)で言う事ができるんですよ。

つまり、あたしが恋を恋しているような状態だとおっしゃるのですか?
まあ。。。なんと言うか、当たらずとも遠からずと言うところでしょうね。とにかくね、今のレンゲさんは、清水君の事を無視して、自己催眠をかけるように妻子ある男を理想化している。そうやって自分をバンクーバーへと駆り立てている。夢を見て、その夢を実現させようとしている。レンゲさんのしている事はそのような事なんですよ。
あたしは、デンマンさんが理屈をこね回して説明したほどの単純な女ではありませんわ。それでは、まるであたしが高校1年生の夢見る乙女のような言い方ですわ。
しかし、清水君とこれまでのように愛し合っていれば、バンクーバーに来るなんて言い出しませんよ。
『不倫の海』より
つまりね、僕が言いたいのは、それ程レンゲさんが傷ついたのなら、その“下つき”を僕に見られるのだってイヤなはずでしょう?
でも、デンマンさんと洋ちゃんは違いますわ。
同じ男でしょう。
それはそうですけれど、デンマンさんは、いつもあたしをかばってくれましたから。。。
要するに、レンゲさんも分かっているんですよね。清水君は週刊誌を読んで、その程度の知識でレンゲさんのことを“下つき”だと言ったに過ぎなということを。。。女性経験はレンゲさんが初めての彼には、他の女性と比較することなどできないんだから。。。レンゲさんだって分かっていた。清水君に言われた事を、本当に事実だとレンゲさんが認めていたら、レンゲさんは、もっと落ち込んでいましたよ。そういうことでしょう?
だから、あたしは、もう気にしないようにしているんです。でも、デンマンさもあたしの心を傷つけましたわ。
ん?僕が。。。? レンゲさんの心を傷つけたぁ。。。?
そうですわ。
いつですか?

だから、ジューンさんとあたしとデンマンさんでヌードビーチへ行った時ですわ。デンマンさんはジューンさんとばかり話していました。あたしをずうっと無視していましたわ。
ん?なんですかぁ。。。僕がジューンさんに夢中になっていたと。。。?
そうですわ。ジューンさんはストリングビキニを身に着けるから、アソコもきれいに剃っていましたわ。あたしはワンピースの水着だから、そのまんまでした。
その事がレンゲさんの心を傷つけた事とどういう関係があるのですか?
だから、デンマンさんはジューンさんばっかり見ていました。
つまり、。。。なんですかぁ。。。きれいに剃ったジューンさんのアソコばかりを僕が見ていたと言うのですか?
そうです。
レンゲさんはマジでそう思っているのですか?
もちろんですわ。あたしはこの目でしっかりとデンマンさんの様子を見ていましたわ。
レンゲさんは夢中で砂遊びをしていたでしょう?
ああするより他に仕方がなかったからですわ。デンマンさんはジューンさんと馴れ馴れしくしている。あたしのことなど全くかまってくれない。だから、夢中で砂遊びをしている振りをしていたのです。でも、あたしはしっかりとデンマンさんを見ていましたわ。
レンゲさんが楽しそうに砂遊びをしていたから僕はレンゲさんのことをそっとして置いてあげたのですよ。
楽しそうだなんて。。。んも~~ あたしの気持ちなどデンマンさんは全く気にも留めていなかったのですわ。あたしは本当に居たたまれないような気持ちでした。
どうしてですか?

だって、デンマンさんは、ジューンさんに夢中だったからです。あたしのことなどまるで目に入ってないようでしたわ。
そんなことはありませんよ。僕だって、時々レンゲさんの方を見ましたよ。でも、いつだって楽しそうに砂遊びをしていたでしょう?
子供じゃあるまいし、楽しいだなんて。。。
でもね、レンゲさんには8才の女の子のような天真爛漫でお茶目なところがありますからね。砂遊びに夢中になっていてもおかしくありませんよ。。。
デンマンさんは、それをいいことにジューンさんにイチャツイテいたのですわ。
ん? 僕がジューンさんとイチャツイテいた。。。? そんな事をしていませんよ。
していましたってばあああああ。。。。あたしは見てしまったんですねん。デンマンさんは、ジューンさんのアソコをなぜなぜしていましたわ。
だから、何度も言うように、それはレンゲさんの誤解なんですよ。僕がホクロがあるね、と言ったら、それはホクロじゃなくて、アソコの毛を剃った時に、うっかりカミソリで傷つけてしまったのだとジューンさんが言ったのですよ。それで僕が指先でその箇所を触ってみた。レンゲさんが目にしたのはその時のことですよ。たぶん。。。
いいえ、あたしは騙されませんわ。ジューンさんはデンマンさんに身も心も許しているから、デンマンさんに対してそのような態度が取れるのですわ。普通の神経を持っている女性ならば、あのような事をさせませんわ。でも、ジューンさんはデンマンさんをたしなめるどころか、触り良いように両足を広げるようにしていましたわ。
つまり、僕とジューンさんが不倫をしていると。。。?
不倫をしているのかどうか。。。現場を見ていないから分かりませんけれど、デンマンさんとジューンさんは、あたしとデンマンさん以上に深い関係ですわ。