カフカの銀河鉄道(PART 1 OF 3)
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デンマンさん。。。 あんさんは、どないなわけで“カフカの銀河鉄道”を持ち出してきやはったん?
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あきまへんかァ~。。。?
かめへんけど、理由を訊いてますねん。。。 わたしはカフカのファンやけど、“カフカの銀河鉄道”なんてぇ、これまでに聞いた事があらへん。。。
そうやろなァ~。。。 わてかてぇ、聞いた事があらへんでぇ~。。。
それやのに、どないなわけで“カフカの銀河鉄道”というタイトルにしやはったん?
実は、ずいぶん前にバンクーバー市立図書館で借りていた本を読んで、マイクロソフトのノートパッドを使って、メモを残しておいたのやがなァ~。。。 そのメモ帳を久しぶりに眺めていたら、次の箇所に目が留まった。
銀河鉄道の夜
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どこかで「銀河ステーション、銀河ステーション」という声がしたと思うと、目の前がさっと明るくなって、ジョバンニはなんべんも目をこすってしまいました。
気がつくと、彼は小さな列車に乗っていました。
夜の軽便鉄道の小さな黄色の電灯の並んだ車室に、窓から外を見ながら座っていたのです。
すぐ前の席にカムパネルラが座っています。
彼は丸い板のような地図を見ていました。
その中に、白く現れた天の川の左の岸に沿って一条の線路が南へ南へとたどっていくのでした。
小さなきれいな汽車は、ごとごとごとごとと、すすきの風にひるがえる中を、天の川の水や三角点の青白い微光の中を、どこまでも走っていきます。
(中略)
車掌が検札に来ました。
ジョバンニのポケットには、いつのまにかどこへでも行ける緑色の切符が入っていました。
青年と女の子とその幼い弟が乗ってきました。
青年は自分たちが兄弟であり、乗っていた船が氷山にぶつかって沈んでしまったことを話しました。
次々と現れる車窓からの景色を見ながら、女の子と楽しく話をするカムパネルラを見て、ジョバンニは悲しくなってしまいます。
南十字の駅で三人連れが降りてしまい、ジョバンニが「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうね」と振り返ると、今までカムパネルラの座っていた席に、その姿は見えず、ただ黒いビロウドばかり光っていました。
ジョバンニは喉いっぱい泣き出しました。
(中略)
彼は眠ってしまっていたのです。 (略) ジョバンニは、家に帰る途中、カムパネルラが川に落ちたことを知らされます。
川に落ちた級友を助けようと川に入って助けましたが、そのまま水の中に見えなくなったのです。
川の下流のほうには川幅いっぱい銀河が大きく映って、まるで水のないそのままの空のように見えました。
カムパネルラの父は、何も言えないジョバンニに、彼の父から元気な便りのあったことを教えてくれました。
ジョバンニはいろいろなことで胸がいっぱいになりながら、母親の待つ家に一目散に走りました。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
38-39ページ 『あらすじで読む日本の名著』 No.2
編者: 小川義男
2003年11月13日 初版第2刷発行
発行所: (株) 樂書館
『銀河鉄道の夜』という作品は、カフカが書いたものやのうてぇ~、宮沢賢治が書いたものですやん。
さすがに文学少女やった めれちゃんやなァ~。。。 ちゃんと上の作品を読んで 作者の名前がすらすらと出てくるやんかァ~。。。
“銀河鉄道の夜”というタイトルを見たら、文学に関心のある人やったら、誰かてぇ すぐに それが宮沢賢治が書いたものやとわかりますやん。。。
さよかァ~。。。?
それで、あんさんは どないなわけで“銀河鉄道の夜”を取り上げはったん?
あのなァ~、この作品はスケールの大きさや幻想の質、文体、根源的な特質において作者の代表作と言われておるねん。。。 作品は未完成箇所を残していたために、4度にわたって改編されたということやァ~。。。 上の作品に出てきよる“ジョバン二”は宮沢賢治で、“カムパネルラ”というのは、賢治の青春時代の親友ということやでぇ~。。。 上の作品には、親友との別れや妹のとし子との死別の影が描かれ、暗い孤独と悲しみの旋律が流れておるねん。。。 作者の幻想の世界と現実の世界、夢と目ざめ、死と生の境界を行ったり来たりしながら作品が書き進められておるねんでぇ~。。。
あんさんは、もしかして宮沢賢治の熱烈なファンやのォ~。。。?
いや。。。 熱烈なファンというほどではあらへん。。。 そやけど上の作品を読みながら、マジで共感するというかァ~。。。 衝撃的に甦(よみがえ)るものがあったのやがなァ~。。。、
衝撃的に甦ったモノってぇ、いったい何やのォ~。。。?
実は昨日、バンクーバー市立図書館で借りたDVDを観たのやァ。。。
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■『実際のリスト』
あらっ。。。 これまでに バンクーバー市立図書館で DVDを借りて 1337本の映画を観やはったん?
あきまへんかァ~?
かめへんけどォ~、ちょっと見すぎとちゃうん?。。。で、赤枠で囲みはった 1336番の映画を6月19日に観やはったん?
そうやァ~。。。 次のような映画やねん。。。
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■『実際のページ』
ヨーロッパ (映画)
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『ヨーロッパ』はラース・フォン・トリアー監督、ジャン=マルク・バール主演で製作された1991年のデンマーク映画。
トリアーによる『エレメント・オブ・クライム』、『エピデミック』に次ぐ「ヨーロッパ」三部作の最終作。
第24回シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリ、第44回カンヌ国際映画祭で審査員賞、芸術貢献賞、およびフランス映画高等技術委員会賞を受賞した。
1945年のドイツを舞台に第二次世界大戦後のヨーロッパの不安を描く。
あらすじ
舞台は第二次世界大戦に敗戦した直後の1945年のドイツ。
ドイツ系アメリカ人のレオ・ケスラーは叔父に紹介されて鉄道会社ゼントローバに就職する。
ケスラーは中立的な立場からドイツの復興を手伝おうとしていたが、アメリカ軍情報部やゼントローバのオーナーであるハルトマン家は彼を利用しようとする。
ケスラーはカタリナ・ハルトマンと親しくなるが、やがて彼女が連合国に対する抵抗組織である「人狼」のメンバーであることを知ることになる。
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出典: 「ヨーロッパ (映画)」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この映画の予告編を上に貼り付けたけど、観れば解るように あの有名なスェーデンの俳優のマックス・フォン・シドーがナレーターとして 観客をアメリカ軍占領下の1945年のドイツへと催眠術をかけるようにして導くのやがなァ~。。。
それが、どないやと、あんさんは言わはるのォ~。。。?
宮沢賢治が書いた『銀河鉄道の夜』も幻想の世界と現実の世界、夢と目ざめ、死と生の境界を行ったり来たりしながら作品が書き進められておるねんでぇ~。。。
つまり、それで あんさんは英語のコメントにも書いてあるけど、"In a nutshell, it is a thought-provoking Kafkaesque drama.(一口で言うなら、いろいろと考えさせられるカフカエスクなドラマです)"と書きはったのォ~?
そうやァ~、要するに、カフカの作品を思わせるような不条理で非現実的なカフカエスク(Kafkaesque、日本語では「カフカ風」「カフカ的」)な映画になっているのやがなァ~。。。
それで、何が あんさんにとって衝撃的に甦(よみがえ)りはったん?
あのなァ~、映画の中で主人公のレオ・ケスラーは列車の爆発とともに車両の中に閉じ込められてしまうねん。
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宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』では カムパネルラが川に落ちてしまう。 そして川に落ちた級友を助けようと川に入って助けましたが、そのまま水の中に見えなくなったのですというシーンが出てきよる。
つまり、そのシーンが あんさんにとっては衝撃的やったのォ~。。。?
そうやがなァ~。。。 かつて、わては次のような記事を書いたのやでぇ~。。。 めれちゃんも読んだやろう。。。
(すぐ下のページへ続く)