チャプター2 青封筒が届くまで~ハロプロのコンサートチケットを入手するには~
この本のタイトルは、「目が見えなくなったボクがどうしてハロプロを好きになるのか。」このどうしてハロプロを好きになるのか?の「どうして」には2つの意味があります。
1つは、英語で言うところの、WHY、なぜ?どうして?という意味。もう1つは、英語で言うところの、HOW、どのようにして、どうやってという意味
なぜ、私が、ハロプロを好きなのかそして、どうやってハロプロを好きになるのか。この2つの「どうして」について書いていきたいと思います。
まずは、HOWについて、ハロプロの最大の魅力である、そのコンサート、ライブに目の目以内私がどうやって行くのか、北海道小樽で2017年2月に行われたJuice=Juiceのライブに、私がどうやって行ったのか書いていきます。
なお、私が住んでいる大阪から遠く離れた北海道のような場所にまでわざわざコンサートやイベントのために行くことを、アイドルオタク用語では、遠征といいます。また、コンサートを鑑賞することを参戦と言います。
遠征にしろ、参戦にしろ、目の見えない人間にはとても縁遠い言葉です。視覚障害者は、移動障害者であり、情報障害者であるといわれます。遠くにいくこと、そして、そこで何かを見聞きし体験すること、これはもっとも視覚障害者が苦手とすることです。
では、ライブに行くための準備から、目が見えない私がどうやってひとりで、チケットを買い、どのような交通手段で、どうやってホテルを探し、どのような人の力を借りてライブ現場までたどり着くのか書いていきましょう。
まずは、このチャプターでは、チケットの入手まで書いていきます。
ハロプロの各グループは、春と秋に全国ツアーをやることが多くて、そして、その合間の、冬と夏にハロプロメンバー総出演のハロプロコンサート、通称ハロコンの全国ツアーが行います。つまり、年賀ら年中ハロプロはどこかしらでライブをやっているというわけです。
Juice=Juiceはハロプロの中で最もライブを行っているグループで、2015年6月から翌年2016年10月までの、わずか1年4か月間で、225公演という驚愕のライブ数をこなしています。
これは単独ライブの公演数で、このライブの合間には、冬と夏にはハロコンがあり、そしてCD販売促進ミニライブもあるわけで、この225公演というのは驚異的な数字です。
しかも、この225公演というのは、ひとつの会場でずっと行われているいわゆる劇団四季や宝塚過激のような常設の劇場での公演ではなく、全国47都道府県のライブハウスやコンサートホールをまわる全国ライブツアーなのです。
おそらく、これほどまでに短期間にライブをこなしたアイドルはJuice=Juiceがはじめてでしょうし、今後おそらくもうそんなアイドルはでてこないとおもいます。
目の見えない私も、この225公演のうち、私が住んでいる大阪、関西はもちろん、沖縄、台湾と、合計30公演に行きました。
そのことは後述するとして、まずは、そのチケットの入手方法について書いていきたいとおもいます。
ハロプロのチケットはまずはファンクラブで先行受付がおこなわれて、その後、一般発売、チケットぴあ、ローチケなどで販売されます。
おおむね、ライブの3か月前ぐらいにツアー日程が発表され、ファンクラブでのチケット先行申し込み受付がスタートし、1か月前に一般発売がスタートします。
ファンクラブの先行受付、一般発売とも、目の見えない私でもひとりでチケットを買うことができます。
それは、インターネットと、パソコン画面読み上げソフトのおかげです。
ハロプロファンクラブでは、ファンクラブのホームページがあり、そこで、会員番号とパスワードを入力すれば、自分のマイページに入ることができます。そのマイページで、ライブチケットの申し込みができるわけです。
チケット代金の支払いも、マイページに表示される支払い番号をひかえて、コンビニに行けば、その支払い番号のみで、支払いができます。そして、ちゃんとチケット代金を支払えば、ライブの2週間前に、簡易書留郵便で、チケットが送られてきます。
チケットぴあなどの一般発売の場合も、昔のように、ぴあカウンターというお店まで行ってそこでチケットを買う必要は今はありません。自宅で、ぴあのホームページにアクセスして、そこでチケットを買うことができます。チケット代金はクレジットカードで支払うことができ、支払えば発見番号をが通知されるので、その発見番号をもって、セブンイレブンなどに行けばすぐにチケットも発券してもらえます。
ファンクラブにしろ一般発売にしろ、ネットでの申し込みなので、パソコンに画面読み上げソフト(スクリーンリーダーソフトという)がインストールされていれば、または、iPhoneにはじめから備わっているアクセシビリティー機能、画面読み上げ機能(ボイスオーバーと言う)をオンにすれば、視覚障害者ひとりでもハロプロのライブチケットを購入することができます。画面の情報を、合成音声が読み上げてくれるからです。
これはちょっと自虐的に聞こえるかもしれませんが、私はほんといい時代に視覚障害者になったなと思います。
昔は、視覚障害者が文字を読んだり、書いたりすることはできませんでした。新聞を読むにしても、頭をさげて、だれかに読んでもらわないといけませんでしたし、手紙を書くにも、プライバシーを犠牲にしてだれかに書いてもらわないといけませんでした。
それが今では、ネットの新聞記事を、パソコンやiPhoneの合成音声が読み上げてくれますし、パソコンやiPhoneで自分が入力した文字は一文字ずつ読み上げてくれるので、視覚障害者ひとりでも文字を書くことができるようになりました。
初対面の人によく、どうやって文字を書くのですか?どうやってメールを書くのですか?と聞かれます。
私は引っ越しをすると、ご近所さんにあいさつに行きます。ガイドヘルパーさんといっしにょ、自治体指定ごみ袋にのし紙をつけて、簡単な自己紹介の文章をもってあいさつにいきます。自分が視覚障害者であることを積極的にご近所さんには知ってもらいたいので、そのことを文章にして、プリンターでプリントアウトして持っていきます。そのプリントアウトした紙を見て、お年寄りとかは、あら、どうやって文章書かれるの?と驚かれます。お年寄りだけでなく、若い人にもたまにきかれます。
今や視覚障害者でもパソコンやスマホを使えば、自由に文字をかけて、ある程度自由に文字を読むことができる世の中になっていますが、考えてみれば、それはほんの20年ぐらい前からなんですね。パソコンとネットのおかげなんです。
ちなみに、この文章も、Windows10のパソコンで書いています。高知システム開発製のPC-TALKER(PCトーカー)という画面読み上げソフトをインストールして、書いています。
日本語は漢字があるので、漢字変換が必須ですが、画面読み上げソフトは漢字の一文字一文字を説明してくれるので、視覚障害者でもちゃんとこんな文章もしっかりかけます。
「貴社の記者が汽車で帰社した。」
貴社の2文字を、合成音声がどのように読み上げくれるかというと、「貴金属のキ、トオトイ、社会のシャ、ヤシロ」と読み上げるんです。
宮本佳林の場合は、宮殿のキュウ、本箱のホン、佳作のカ、ヨシ、山林のリン、ハヤシと読み上げてくれます。
このように、画面読み上げ機能のおかげで、視覚障害者でもひとりでチケットを申し込むことができますが、できない場合もあります。それは、文字認証を要求するチケットサイトです。
文字認証とは、英数字が変な形にデフォルメされたり、デザイン科されたり、していて、これは何と書いてありますか、それを読み取って入力してくださいというやつです。これは、ロボットによる大量申し込みを防止するために、ロボットでは読み取れないような、人間の目でしか読み取れない画像文字を入力させるものです。
こうなると、視覚障害者ひとりではお手上げです。以前チケットぴあのホームページでも文字認証が導入されて、私ひとりではチケットが買えなくなったことがあります。
でもそれでは困るんです、ハロプロのチケットが手に入らないんです、こまります。ということで、ぴあに苦情と要望のメールを書きました。そしてそれからしばらくたって、文字認証は要求されなくなりました。
私はこういったことをひとつひとつやっていくのが、視覚障害者、全盲ハロプロオタクの氏名だと思っています。
文字認証が求められるチケットサイトは、視覚障害者ひとりではもうお手上げといいましたが、でも、だれかの目を借りれば、そこもクリアできます。
同居の家族に、ちょっと早く来て!!といえばいいんでしょうけど、私のような独身視覚障害者はそれができません。そんなときどうするか、知り合いにラインなどを使って、テレビ電話をすればそのスマホをとおして、知り合いに文字認証を読み取ってもらうことはできます。でも、知り合いが、今まさにテレビ電話にでてくれる保障はありません。そして、夜中や早朝にはなかなかお願いしにくいものです。
そんなときに、私が利用するのは、「BE MY EYES」(ビーマイアイズ 私の目になって!)という無料アプリです。このアプリは、ちょっと誰かこの文章を読んでくれませんかという視覚障害者とちょっとならあなたの目になってあげますよというボランティアさんを一瞬で結びつけるアプリです。そして、視覚障害者のスマホとボランティアさんのスマホをテレビ電話でつなげてくれるアプリです。日本のボランティアさんだけでなく、アメリカにいる日本語が読めるボランティアさんもたくさん登録しているので、日本の深夜や早朝でも、アメリカででは昼間なので、こちらは遠慮することはないんです。これは助かります。ありがたいことに、ボランティアさんにお金を払う必要はありません、無償ボランティアなんです。また、アプリの利用料もいりません、通信料だけがかかるだけです。
これも、インターネットと画面読み上げ機能のあるiPhoneのおかげですね。
最後に、チケットの受け取りです。前述したように、ファンクラブチケットは、簡易書留郵便で送られてきます。
独身だと、家にいることが少ないので、ほとんどの場合、ポストに入っている不在連絡票を確認して、再配達の依頼を電話ですることになります。ここで、視覚障害者が困るのはその不在通知書がわからないということです。不在通知書に何が書いてあるかわからないということです。
そんな視覚障害者のために、郵便局は事前に、お願いしておけば、点字の黄色のプラスチック板を一緒にポストに入れてくれます。その点字のプラスチックの板には、点字で、再配達受付電話番号が開廷あるので、そこに電話すればいいわけです。
さらに、iPhoneを使えるのなら、その不在通知書に張り付けられてあるレシートみたいな紙切れをiPhoneのカメラで読み取れば、そのレシートに印字されてあるバーコードを読み取って、再配達ホームページをiPhoneが表示してくれます。そこで、再配達希望日と時間を入力すれば、再配達依頼完了です。指定した日時に、郵便屋さんが、青部封筒に入ったハロプロのチケットを簡易書留できちんととどけてくれます。
ハロプロのファンクラブチケットは、必ず、青い封筒で届けられます。そしてその青封筒の宛名のところに、コンサート名と座席番号が書いてあります。封筒をあけずとも、その宛名の自分の住所と名前の下のところを読めば、座席がどこかわかります。
私がまだ目が見えていたころは、郵便屋さんから青封筒をうけとり、すぐに、宛名ラベルを見ていました。0列とかA列とかいう文字が書かれているのを見たら、それはもう大喜びで、学生時代に約万をだしたときぐらいの喜びでした。
学生時代真夜中に仲間とマージャンをしていて、約万をだして、うれしくて、家からとびでて、真夜中の静かな町をぐるぐる走り回った思い出があります。それと同じくらいの喜びなのです。ハロプロファンにとっての最前列チケットというのは。
以上のように、現在においては、目の見えない私でも、ネットと画面読み上げ機能のあるパソコンやiPhoneを使えば、ひとりで、ハロプロのチケットはなんなく入手できます。ほんといい時代になりました。
でも逆に言えば、スマホなくしたただそれだけで、絶望に立ち尽くしてしまいますね。
おすすめの視覚障害者用ソフト、アプリ
PC-TALKER(高知システム開発製のパソコン画面読み上げソフト) 役所に申請すれば1割で購入できます。障害福祉サービスの日常生活用具購入補助制度です。
VOICEOVER(ボイスオーバー)機能 iPhoneにはじめから備わっている画面読み上げ機能です。とっても使いやすいので、スマホを持っている視覚障害者のほとんどはアンドロイドではなくiPhoneを使っています。
BE MY EYES(ビーマイアイズ) 全世界のボランティアさんにテレビ電話を通じてこちらの見たい文章などを読み上げてもらう無料アプリ
おすすめのハロプロ楽曲
Juice=Juice『ポップミュージック』(Juice=Juice [Pop Music])(Promotion Edit)
この本のタイトルは、「目が見えなくなったボクがどうしてハロプロを好きになるのか。」このどうしてハロプロを好きになるのか?の「どうして」には2つの意味があります。
1つは、英語で言うところの、WHY、なぜ?どうして?という意味。もう1つは、英語で言うところの、HOW、どのようにして、どうやってという意味
なぜ、私が、ハロプロを好きなのかそして、どうやってハロプロを好きになるのか。この2つの「どうして」について書いていきたいと思います。
まずは、HOWについて、ハロプロの最大の魅力である、そのコンサート、ライブに目の目以内私がどうやって行くのか、北海道小樽で2017年2月に行われたJuice=Juiceのライブに、私がどうやって行ったのか書いていきます。
なお、私が住んでいる大阪から遠く離れた北海道のような場所にまでわざわざコンサートやイベントのために行くことを、アイドルオタク用語では、遠征といいます。また、コンサートを鑑賞することを参戦と言います。
遠征にしろ、参戦にしろ、目の見えない人間にはとても縁遠い言葉です。視覚障害者は、移動障害者であり、情報障害者であるといわれます。遠くにいくこと、そして、そこで何かを見聞きし体験すること、これはもっとも視覚障害者が苦手とすることです。
では、ライブに行くための準備から、目が見えない私がどうやってひとりで、チケットを買い、どのような交通手段で、どうやってホテルを探し、どのような人の力を借りてライブ現場までたどり着くのか書いていきましょう。
まずは、このチャプターでは、チケットの入手まで書いていきます。
ハロプロの各グループは、春と秋に全国ツアーをやることが多くて、そして、その合間の、冬と夏にハロプロメンバー総出演のハロプロコンサート、通称ハロコンの全国ツアーが行います。つまり、年賀ら年中ハロプロはどこかしらでライブをやっているというわけです。
Juice=Juiceはハロプロの中で最もライブを行っているグループで、2015年6月から翌年2016年10月までの、わずか1年4か月間で、225公演という驚愕のライブ数をこなしています。
これは単独ライブの公演数で、このライブの合間には、冬と夏にはハロコンがあり、そしてCD販売促進ミニライブもあるわけで、この225公演というのは驚異的な数字です。
しかも、この225公演というのは、ひとつの会場でずっと行われているいわゆる劇団四季や宝塚過激のような常設の劇場での公演ではなく、全国47都道府県のライブハウスやコンサートホールをまわる全国ライブツアーなのです。
おそらく、これほどまでに短期間にライブをこなしたアイドルはJuice=Juiceがはじめてでしょうし、今後おそらくもうそんなアイドルはでてこないとおもいます。
目の見えない私も、この225公演のうち、私が住んでいる大阪、関西はもちろん、沖縄、台湾と、合計30公演に行きました。
そのことは後述するとして、まずは、そのチケットの入手方法について書いていきたいとおもいます。
ハロプロのチケットはまずはファンクラブで先行受付がおこなわれて、その後、一般発売、チケットぴあ、ローチケなどで販売されます。
おおむね、ライブの3か月前ぐらいにツアー日程が発表され、ファンクラブでのチケット先行申し込み受付がスタートし、1か月前に一般発売がスタートします。
ファンクラブの先行受付、一般発売とも、目の見えない私でもひとりでチケットを買うことができます。
それは、インターネットと、パソコン画面読み上げソフトのおかげです。
ハロプロファンクラブでは、ファンクラブのホームページがあり、そこで、会員番号とパスワードを入力すれば、自分のマイページに入ることができます。そのマイページで、ライブチケットの申し込みができるわけです。
チケット代金の支払いも、マイページに表示される支払い番号をひかえて、コンビニに行けば、その支払い番号のみで、支払いができます。そして、ちゃんとチケット代金を支払えば、ライブの2週間前に、簡易書留郵便で、チケットが送られてきます。
チケットぴあなどの一般発売の場合も、昔のように、ぴあカウンターというお店まで行ってそこでチケットを買う必要は今はありません。自宅で、ぴあのホームページにアクセスして、そこでチケットを買うことができます。チケット代金はクレジットカードで支払うことができ、支払えば発見番号をが通知されるので、その発見番号をもって、セブンイレブンなどに行けばすぐにチケットも発券してもらえます。
ファンクラブにしろ一般発売にしろ、ネットでの申し込みなので、パソコンに画面読み上げソフト(スクリーンリーダーソフトという)がインストールされていれば、または、iPhoneにはじめから備わっているアクセシビリティー機能、画面読み上げ機能(ボイスオーバーと言う)をオンにすれば、視覚障害者ひとりでもハロプロのライブチケットを購入することができます。画面の情報を、合成音声が読み上げてくれるからです。
これはちょっと自虐的に聞こえるかもしれませんが、私はほんといい時代に視覚障害者になったなと思います。
昔は、視覚障害者が文字を読んだり、書いたりすることはできませんでした。新聞を読むにしても、頭をさげて、だれかに読んでもらわないといけませんでしたし、手紙を書くにも、プライバシーを犠牲にしてだれかに書いてもらわないといけませんでした。
それが今では、ネットの新聞記事を、パソコンやiPhoneの合成音声が読み上げてくれますし、パソコンやiPhoneで自分が入力した文字は一文字ずつ読み上げてくれるので、視覚障害者ひとりでも文字を書くことができるようになりました。
初対面の人によく、どうやって文字を書くのですか?どうやってメールを書くのですか?と聞かれます。
私は引っ越しをすると、ご近所さんにあいさつに行きます。ガイドヘルパーさんといっしにょ、自治体指定ごみ袋にのし紙をつけて、簡単な自己紹介の文章をもってあいさつにいきます。自分が視覚障害者であることを積極的にご近所さんには知ってもらいたいので、そのことを文章にして、プリンターでプリントアウトして持っていきます。そのプリントアウトした紙を見て、お年寄りとかは、あら、どうやって文章書かれるの?と驚かれます。お年寄りだけでなく、若い人にもたまにきかれます。
今や視覚障害者でもパソコンやスマホを使えば、自由に文字をかけて、ある程度自由に文字を読むことができる世の中になっていますが、考えてみれば、それはほんの20年ぐらい前からなんですね。パソコンとネットのおかげなんです。
ちなみに、この文章も、Windows10のパソコンで書いています。高知システム開発製のPC-TALKER(PCトーカー)という画面読み上げソフトをインストールして、書いています。
日本語は漢字があるので、漢字変換が必須ですが、画面読み上げソフトは漢字の一文字一文字を説明してくれるので、視覚障害者でもちゃんとこんな文章もしっかりかけます。
「貴社の記者が汽車で帰社した。」
貴社の2文字を、合成音声がどのように読み上げくれるかというと、「貴金属のキ、トオトイ、社会のシャ、ヤシロ」と読み上げるんです。
宮本佳林の場合は、宮殿のキュウ、本箱のホン、佳作のカ、ヨシ、山林のリン、ハヤシと読み上げてくれます。
このように、画面読み上げ機能のおかげで、視覚障害者でもひとりでチケットを申し込むことができますが、できない場合もあります。それは、文字認証を要求するチケットサイトです。
文字認証とは、英数字が変な形にデフォルメされたり、デザイン科されたり、していて、これは何と書いてありますか、それを読み取って入力してくださいというやつです。これは、ロボットによる大量申し込みを防止するために、ロボットでは読み取れないような、人間の目でしか読み取れない画像文字を入力させるものです。
こうなると、視覚障害者ひとりではお手上げです。以前チケットぴあのホームページでも文字認証が導入されて、私ひとりではチケットが買えなくなったことがあります。
でもそれでは困るんです、ハロプロのチケットが手に入らないんです、こまります。ということで、ぴあに苦情と要望のメールを書きました。そしてそれからしばらくたって、文字認証は要求されなくなりました。
私はこういったことをひとつひとつやっていくのが、視覚障害者、全盲ハロプロオタクの氏名だと思っています。
文字認証が求められるチケットサイトは、視覚障害者ひとりではもうお手上げといいましたが、でも、だれかの目を借りれば、そこもクリアできます。
同居の家族に、ちょっと早く来て!!といえばいいんでしょうけど、私のような独身視覚障害者はそれができません。そんなときどうするか、知り合いにラインなどを使って、テレビ電話をすればそのスマホをとおして、知り合いに文字認証を読み取ってもらうことはできます。でも、知り合いが、今まさにテレビ電話にでてくれる保障はありません。そして、夜中や早朝にはなかなかお願いしにくいものです。
そんなときに、私が利用するのは、「BE MY EYES」(ビーマイアイズ 私の目になって!)という無料アプリです。このアプリは、ちょっと誰かこの文章を読んでくれませんかという視覚障害者とちょっとならあなたの目になってあげますよというボランティアさんを一瞬で結びつけるアプリです。そして、視覚障害者のスマホとボランティアさんのスマホをテレビ電話でつなげてくれるアプリです。日本のボランティアさんだけでなく、アメリカにいる日本語が読めるボランティアさんもたくさん登録しているので、日本の深夜や早朝でも、アメリカででは昼間なので、こちらは遠慮することはないんです。これは助かります。ありがたいことに、ボランティアさんにお金を払う必要はありません、無償ボランティアなんです。また、アプリの利用料もいりません、通信料だけがかかるだけです。
これも、インターネットと画面読み上げ機能のあるiPhoneのおかげですね。
最後に、チケットの受け取りです。前述したように、ファンクラブチケットは、簡易書留郵便で送られてきます。
独身だと、家にいることが少ないので、ほとんどの場合、ポストに入っている不在連絡票を確認して、再配達の依頼を電話ですることになります。ここで、視覚障害者が困るのはその不在通知書がわからないということです。不在通知書に何が書いてあるかわからないということです。
そんな視覚障害者のために、郵便局は事前に、お願いしておけば、点字の黄色のプラスチック板を一緒にポストに入れてくれます。その点字のプラスチックの板には、点字で、再配達受付電話番号が開廷あるので、そこに電話すればいいわけです。
さらに、iPhoneを使えるのなら、その不在通知書に張り付けられてあるレシートみたいな紙切れをiPhoneのカメラで読み取れば、そのレシートに印字されてあるバーコードを読み取って、再配達ホームページをiPhoneが表示してくれます。そこで、再配達希望日と時間を入力すれば、再配達依頼完了です。指定した日時に、郵便屋さんが、青部封筒に入ったハロプロのチケットを簡易書留できちんととどけてくれます。
ハロプロのファンクラブチケットは、必ず、青い封筒で届けられます。そしてその青封筒の宛名のところに、コンサート名と座席番号が書いてあります。封筒をあけずとも、その宛名の自分の住所と名前の下のところを読めば、座席がどこかわかります。
私がまだ目が見えていたころは、郵便屋さんから青封筒をうけとり、すぐに、宛名ラベルを見ていました。0列とかA列とかいう文字が書かれているのを見たら、それはもう大喜びで、学生時代に約万をだしたときぐらいの喜びでした。
学生時代真夜中に仲間とマージャンをしていて、約万をだして、うれしくて、家からとびでて、真夜中の静かな町をぐるぐる走り回った思い出があります。それと同じくらいの喜びなのです。ハロプロファンにとっての最前列チケットというのは。
以上のように、現在においては、目の見えない私でも、ネットと画面読み上げ機能のあるパソコンやiPhoneを使えば、ひとりで、ハロプロのチケットはなんなく入手できます。ほんといい時代になりました。
でも逆に言えば、スマホなくしたただそれだけで、絶望に立ち尽くしてしまいますね。
おすすめの視覚障害者用ソフト、アプリ
PC-TALKER(高知システム開発製のパソコン画面読み上げソフト) 役所に申請すれば1割で購入できます。障害福祉サービスの日常生活用具購入補助制度です。
VOICEOVER(ボイスオーバー)機能 iPhoneにはじめから備わっている画面読み上げ機能です。とっても使いやすいので、スマホを持っている視覚障害者のほとんどはアンドロイドではなくiPhoneを使っています。
BE MY EYES(ビーマイアイズ) 全世界のボランティアさんにテレビ電話を通じてこちらの見たい文章などを読み上げてもらう無料アプリ
おすすめのハロプロ楽曲
Juice=Juice『ポップミュージック』(Juice=Juice [Pop Music])(Promotion Edit)