愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

茂みの中で動けないむぎネコのピンチ

2011-10-29 03:13:23 | むぎネコ
☆リードが枝に絡んで動けない


雨に濡れながら餌にかぶりつく

 4日前の事件である。
 夕方、所用があって家人にケータイをした。用件がすむと、彼女は、「いまね、ジョジョネコ(最近、わが家では「むぎネコ」をそんなふうに呼んでいる)が大変だったのよ」と目の前で展開した状況を一気にまくしたてた。
 
 整理すると以下のようになる。
 誰かがむぎネコに鈴のついた可愛いカラーとリードをつけた。そのリードがいつもむぎネコが潜んでいるキンメツゲの茂みの中で枝に絡まり、動きがとれなくなった。
 どういう経緯で見つかったのかは知らないが、家人が外出から戻ると、数人のむぎネコのシンパたあちが集まって大騒ぎをしていた。家人を見つけたひとりがことの顛末を告げ、どうしようかとさらに(?)騒ぎになった。
 
 結局、ひとりがマンションの防災センターから借りてきて持っていたハサミを使って、絡まったリードを切ってむぎネコを助けたのだが、家人がくるまでリードを切る決断ができずにいたらしい。家人からの「パニックになってしまうから切ったほうがいい」との言葉でようやくむぎネコは自由になった。
 かつて、わが家でもダダという白黒の妖艶なにゃんこがテレビの背後のコードに絡まってパニックになり、夜、医者へ連れていって手当てしてもらったことがある。そういえば、この子もシェラの散歩についてきたものだ。


茂みの中からカメラにじゃれつくむぎネコ(切られたリードを下げている)

☆やっぱりシェラが好きなのか
 この事件の前に見かけていたむぎネコはしごく元気だった。
 朝、三日に上げず茂みから現れて散歩につきあっていた。家人は、「あの子はシェラが大好きだから」というが、どうも、わんこならだれでもいいと思えるフシもある。
 シェラの散歩についてきて、また、茂みに戻ったあと、別のわんこがくると、「ニャンニャン……」いいながら現れ、またそのわんこを追いかけていく。ただ、ほかのわんこだと、シェラのときと違って、すぐに戻ってくる。
 
 だれが野良のむぎネコにカラーやリードをつけたのかはおおよその見当がつく。木の枝に絡んだリードを切ってしまったので、その報告に家人がいくと、その人は憮然として「オレは知らないよ」と答えたそうだが……。
 昨日の朝もむぎネコは可愛いカラーを首に、短くなったリードを下げたまま、シェラにまとわりついてきた。もっとも、にゃんこ好きなはずのシェラではあるが、このむぎネコのなれなれしさには苛立っている。


シェラが出たあとのクレートに首を突っ込んで入ろうとしていたこともある

 もしかしたら、むぎネコは家人のいうとおり、やっぱりシェラが好きなのかもしれないと思うこともある。一度はシェラのクレートに入り込んでいたし、先月の別の日には、入り込もうとしている場面もカメラに収めた。
 近所にたくさんのシンパを持ち、有り余るほどの餌をもらっているらしく、最近はすっかり太っている。ぼくもこいつの顔を見ると思わず笑みがこぼれる。そんな安らぎを与えてくれる不思議な可愛さを備えたネコだ。

 シェラのことが大好きと思わせてくれるだけでなんとも愛(う)いヤツである。


むぎネコが消えてしまった

2011-09-20 23:50:55 | むぎネコ


☆あの夜以来どこへ 
 むぎネコが消えてしまった。
 ぼくたちが散歩をしている隙にシェラのマンション内の移動に使っているクレートの中に入り込み、植え込みの茂みに逃げたのはいいが、尻尾だけ不用意に出していたあの夜を境に忽然といなくなった。
 朝の散歩のときも、夕方、あるいは深夜の散歩でもまったく姿を見せなくなった。

 外へ出るたびに舌を鋭く鳴らして呼んでみるのだがどこからも反応がない。家人もぼく以上に気にかけていて、夕方の散歩時はかなりしつこく探しているようだ。
 シェラにしてみれば、朝も昼も、そして、たまに夜中まで外へ出ればストーカーのようなネコ探しにつきあわされるなんて迷惑千万であろう。
 
 飼猫であれば心配などしないが、家なきネコだから気になってしまう。あの子にかぎってはクルマにはねられるようなことはあるまい。ちょっとでもクルマの音が聞こえると物陰に走り込んでいるような用心深さを備えていた。

☆復活のそのときは 
 それじゃどこへ?
 むろん、野良という身軽さゆえ、どこか他所へ移動していった可能性もあるだろうが、考えられる唯一の可能性は、近所の家のご主人に捕まり、強制的に去勢手術を受けさせられているという可能性である。
 家人が、むぎネコの素性を調べる過程で、ご近所のご主人から、いずれ捕まえて去勢手術をやろうと思っていると聞いている。そのご主人に家人もなかなか出逢う機会がないので確認できずにいる。

 ひょうきんなむぎネコが、どこかへいってしまったのではなく、やっぱり去勢手術でいっとき留守にしていたが、無事に手術を終えて復活してきてくれる日を楽しみにしている。大事なタマを抜かれてしまい、性格まで変わってしまわないことを願いつつ……。


今朝のむぎネコの信じられない行動

2011-09-15 22:13:45 | むぎネコ

☆シェラが好きというけれど
 今朝のむぎネコの行動に、ぼくはあっけにとられてしまった。
 なんというネコだろう。やっぱりむぎの魂が憑依したのではないかと気持ちがぐらつきそうになる。

 もう、むぎネコにはかかわるまいと思い至るのに、そう思うたびに彼のほうからいろいろな形でやってくる。なんとも不思議なネコだし、奇妙な因縁をついつい感じてしまう。
 かかわるまいと思った理由は、彼には複数の応援団がいて、そこかしこで餌も与えられている。なぜかそれなりに地域の人気者になっている。そんなネコには、深くかかわるよりも見守る側に身を置くほうが互いのためだと悟ったからである。

 だが、むぎネコに対しての家人の感じ方はぼくとまったく異なる。
 わんこ好きのかわったネコだとはいえ、あの子はとくにシェラが大好きで、シェラを見つけるとついてくるのだという。ほかのわんこには、散歩につきあうほどの執着はもっていないとも……。

☆今朝はいないと思ったら……
 はたしてそうだろうか?
 たしかに、ぼくもむぎネコがよそのイヌの散歩につきあってついていく姿は見たことがない。しかし、たまたま見ていないだけで、ほかのイヌと散歩をしているかもしれない。家人がいう「シェラが大好き」というのは、それこそ「贔屓(ひいき)の引き倒し」ではないのだろうかと思ってきた。

 今朝の散歩にむぎネコは姿を現さなかった。鳴き声さえ聞こえてこない。
 気ままにして気まぐれな野良ネコである。そんな朝もある。それなのに、見なければ見ないでどうかしたのかと心配になる。しかし、探す手だてはないから明日に期するしかない。
 
 シェラとひとまわりしてマンションの玄関前へ戻ってきた。玄関の脇、植え込みの近くに、マンション構内のシェラの移動に使うためのキャリーが置いてある。プラスチック製のクレートを荷物を運ぶときに使う台車にビス止めしたものである。かれこれ10年間、このマンションに越してきて以来使ってきた。
 むぎが健在だったこの間までは中に二匹を入れて移動した。


 そのクレートにシェラを入れようとしたところ、なんと中からむぎネコが飛び出してきたではないか。ぼくたちが散歩をしている隙に入り込んだらしい。
 やっぱり、奇妙なネコである。ぼくは驚き、そして、思わず笑ってしまった。
 「おい、シェラ、そのうちここに入って一緒に家に戻ることになるかもしれないぜ」
 すぐ脇の植え込みに逃げ込んだものの、尾が外に出たままでいるむぎネコを見ながら、ぼくはシェラに語りかけた。

☆嫌がらないシェラの態度
 自分の入るべきキャリーのクレートから飛び出したむぎネコを、シェラは反射的に追う仕草を見せたが、吠えたりはしなかった。ネコが入っていたクレートの中のにおいを嗅ぐでもなく、いつものように頭を突っ込むと勢いよく飛び込んでいった。
 
 見かけによらず神経質なところがあるシェラは、このクレート内部のにおいや変化に敏感である。少しでも雨に濡れたりすると入るのをいやがる。濡れてにおいが変わるともうダメだ。中敷きを新しいのに替えてやらないとテコでも入らない。
 だが、今朝はネコのにおいがついたはずのクレートの中にいささかの躊躇もなく入った。


 家に戻り、いましがたの顛末を家人に話した。
 「そうなのよね。あの子、本当にシェラが好きなのよ。シェラだって元々はにゃんこが大好きだから……」と彼女が反応したのはいうまでもない。
 「やっぱり、他の人にだけ任せていないで、わたしもあの子に餌をやらないとならないかな」とも言い出した。こんな楽しい騒動が重なると、やがて、「やっぱりあの子はウチにくるために生まれてきたネコちゃんなのよ」と家人言い出す日がくるだろうと恐れている。

 そうはいっても、ふと、むぎを思い出して気持ちが沈みそうになると、むぎと似たような毛並みのこのネコが現れて必ず何か楽しいパフォーマンスを見せて、ぼくたちを慰めてくれる。それを思うとぼくもこのネコに不思議な因縁のようなものを感じてしまう。


むぎネコの意外な素性

2011-09-13 21:37:06 | むぎネコ

☆気づけば苛立つシェラ 
 今朝、久しぶりにむぎネコがやってきた。シェラの散歩のときである。上の写真のようにクルマの陰から現れ、シェラの様子をうかがっている。
 やがて、しきりに鳴いてシェラにアピールするが、シェラは知らん顔。たぶん、耳が遠いので聞こえないだけなのだろうと思う。もし、聞こえていたら、最近のシェラはいかにも煩わしそうに苛立ち、本気で追い払おうとするだろう。

 これまで何度か追い払われているというのに、むぎネコは懲りもなく、相変わらずついてきて、シェラの動きに合わせてすぐ脇の家の塀の中を移動している(写真=下)。ときおり、塀の間から顔を出しては鳴いて自分の存在をアピールする。


☆何をそんなに知りたいのか? 
 シェラはというと、辺りの塀の下やら、草やら、路面やら、およそありとあらゆるところのにおいを無心に嗅ぎまわっている。このしつこさというか、熱心さは尋常一様ではない。姿が見えないむぎの痕跡を探していると解釈したくなるほどの異常さである。むろん、そんな想像は人間の、いや、飼い主の欲目でしかないだろうが……。

 あんなにネコに対してはフレンドリーだったシェラが、むぎネコにはつれない態度をとるのも意外に思えてならない。イヌをあまり警戒しないネコに出逢うと尾を振っていたというのに……。
 たしかに近年のシェラは、ネコに対して無関心になっていた。だが、吠えついたり姿を見たことがなかった。
 
☆むぎネコに待っている運命 
 昨夜、ぼくはむぎネコの新たな情報を家人から教わっていた。
 情報源は、むぎネコがときどき縁側に上り込んでくつろいでいたので、てっきりその家の飼い猫だとばかり思っていた家の奥さんである。シェラの散歩の途中、たまたまお会いしたのでむぎネコのことを訊いたのだという。
 
 むぎネコは飼い猫でなく、オスの野良ネコだった。とはいえ、その家で餌をもらってもいるから、半野良というところか。捕まえて去勢手術を施そうと思っているが、すばしっこくてなかなか機会がないとその家の奥さんが嘆いていたそうである。
 

 このネコのファンはもうひとり、わが家と同じマンションにいる。家人にむぎネコが「わんこ大好きネコ」だと教えてくれたひとつ上の階の部屋の奥さんである。
 この方もむぎネコに餌を与えている。わが家でも二、三日だが水や餌を与えていた。
 野良ネコに餌を与えるのはご法度とはいえ、餌をやりたくなるようなネコでもある。

☆マダムキラーの魅力 
 この先、やっぱりむぎネコをわが家に迎えようとはするまい。
 捕まえてマンションのひと部屋へ閉じ込めてしまうより、近所の奥さんたちに気にかけてもらいながら、わんこの散歩につきあって自由に生きているほうが、やっぱりこのネコにとっては幸せだろうから。
 ぼくたちも、ときどきだがむぎの代わりにシェラの散歩につきあってくれる変わったネコを眺めて満足していたい。
 
 それにしてもなんたるマダムキラーのオスネコであろうか。
 男としてあやかりたいものである。