愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

ルイのお守りで毎晩ヘトヘト

2012-03-30 23:46:47 | ルイとの日々

☆家に帰ったら最後……
 順調に成長を見せるルイではあるが、そのやんちゃぶりにいささか辟易気味だ。とにかくエネルギッシュで、常にこちらの気を引こうといたずらばかりしている。シェラやむぎになかったオス犬特有のワンパクに圧倒されているといったところである。

 まずは朝、ぼくと一緒に出かけようとして玄関に突進するルイを押さえるのに家人がひと苦労する。毎日のことで懲りた家人が、最近は事前にリビングから廊下への扉を閉めてしまうので、昨日からは玄関でのルイの見送りがなくなり、ぼくのほうは物足りなさを覚えながら出かけている。

 毎晩、家に帰ると大喜びで出迎えてくれるが、ひとしきり相手をしてから押しとどめるのが容易ではない。ルイに跳びつかれたり、まとわりつかれるとスーツに毛がついてしまい、ブラッシングに苦労する。それを回避しつつ服を着替えなくてはならない

 着替えを終えるとたいていすぐに夕食になる。ぼくの腕に前足をかけ、テーブルの上をのぞきこんでくるルイを叱り、やめさせると、ぼくのスリッパを噛んだり、引っ張ったりして遊びに誘う。怒るとますますしつこく、「遊ぼ! 遊ぼ!」とテンションを上げるだけだから下手に怒れない。
 やっぱり今夜もまだ遊んでもらえないとわかれば、しばし家人の足下でおとなしくしている。


☆ルイを静かにさせた黒い袋の威力
 ぼくの夕飯が終わり、ソファーへ移動する様子を家人の足下からルイがじっと見ている。見ているだけでまだ「遊ぼ!」と押しかけてはこない。このとき、床に放り出してあるルイのおもちゃをうっかり触ったりしたらすっ飛んでくる。でも、たいていは、じっとぼくを見つめるルイのかわいさに負けて、「ルイ、おいで。遊ぼうぜ」と、ぼくのほうが誘っている。

 とにかくなんでもいいから引っ張りっこをしたがる。おもちゃを投げてやると走って取ってきてぼくの手に押しつける。「ちょうだい」といってそれを持つと引っ張ろうとする。「それじゃいらない」と放すと、おもちゃをくわえたままでぼくの手を噛んでの催促がつづく。相手にしないでいるとのしかかってきて遊びに引っ張りこもうと懸命である。

 そんなやりとりを1時間以上つづけているとこちらも疲れてしまう。遊びが単純だからなおさら疲れる。昨日は、家人がぼくに買ってきた春用のシャツが入っていた黒いビニール袋があったので、何気なくかぶせてしまったら、動けなくなってしばらくじっとしていた。
 遊びとしては危ないので頻繁にはできないが、一定の抑止になることだけはわかった。外してやると、袋の内側はルイの吐息でびっしょりだった。

 「ルイ、もう疲れたからやめようよ」といって遊びをやめると、ルイもやっぱりかなり疲れているようで、大きく息を吐きながら這いつくばっていた。ぼくはそのままソファーに横になって、前の晩と同じように午前2時近くまで爆睡だった。
 
 シェラやむぎたちと生活は、もっと静かで優雅な時間が流れていたはずなのに……。それでも、沈みがちになるよりは、にぎやかで刺激的な時間がいまはちょうどいいのかもしれない。
 

予期せぬ出来事が重なって

2012-03-27 22:42:47 | ルイとの日々

☆ルイの頭突きにやられた
 先週末、ルイを遊ばせていて右目に頭突きを食らってしまった。最初は、たいしたことないとタカをくくっていたが、やがて右目が飛蚊症を発症した。視界が曇り、糸くずのような映像が見える。といっても、しじゅう見えるわけではなく、ほんのときたまの幻覚である。

 週明けに医者へいこうと思っていたが、症状が改善されているのでグズグズしたままでいる。土曜日から症状も変わった。糸くずの代わりに目じりに白い閃光が走るようなった。
 気づいたのはクルマの運転中だった。雨の中だったのでルーフからドアのガラスにしずくが落ちたのだろうと思っていたら、閃光は目の中で起こっていた。

 視力が確実に落ちたのと、目が疲れやすくなってしまった。会社での仕事に深刻な影響をおよぼすほどではないが、仕事以外はパソコンの画面も見ないようにしてきた。家でも、メールのチェック以外はパソコンやケータイを遠ざけている(この稿も少々無理して起こしている)。


☆カラーなんか平気さ
 そんなわけで、ルイの抜糸のレポもすっかり遅れてしまった。
 土曜日に抜糸というのはぼくの勘違いで、日曜日の予定だった。それでも、土曜日に見てくれるというので午前中にルイを連れていった。早いところエリザベス・カラーから解放してやりたかったからである。
 
 ぼくが見たところ手術の傷痕はすっかり癒えているかに思えた。問題なく抜糸してもらえると確信していたのだが、院長先生の診断によると、「まだカサブタがあるので週明けの中ごろにしましょう」ということになり、カラーからの解放はお預けになった。
 
 カラーがうっとうしそうだというのはぼくがそう思っているだけで、ルイはすっかりなじんでしまっている。散歩のときは外してやり、家に戻るとすぐに装着するのだが、じゃれついて邪魔はするものの嫌がるそぶりは見せない。つけていようがいまいがお構いなしに家の中を突進している。

 ルイにとっても、われわれにとっても突進するルイのカラーは危険きわまりないので、外の散歩だけではなく家の中で遊んでやるときもカラーは外してやる。遊びに夢中だから手術の痕を舐めようとしたりしない。しかし、油断すると片足を上げて舐めはじめるから目が離せない。


☆きみのおかげだよ
 日曜日は、久しぶりに晴れたので深大寺まで出かけた。元々、東京近郊の観光地として有名ではあったが、テレビドラマ『ゲゲゲの女房』でいまや全国区の観光スポットになった感がある深大寺である。ちょうど梅が見ごろだろうとの思惑どおり、梅の木の数こそ多くはなかったが、そこかしこで白梅紅梅の梅がきれいに咲きそろっていた。
 
 シェラやむぎとは何度となく訪れ、蕎麦屋に入り、あるいは、テラス席のある喫茶店でくつろいだ。春には春の、秋には秋の、四季それぞれにたくさんの思い出がある。いまもぼくの脇にシェラがいてむぎがいるような錯覚に襲われそうになるが、ルイがかろうじてガードしてくれる。
 
 たしか、むぎが鬼籍に入り、まだルイとめぐり合う前の去年の秋、紅葉の時期に一度シェラとだけきた記憶がある――と思ったが、それは間違いだった。ルイは9月にわが家の子になっていた。シェラとだけ訪れているなんてありえなかった。むぎが消えてしまい、シェラだけになった寂しさが晩秋の寂寥に重なり、幻影を頭の中に紡いでしまったらしい。

 いまもし、ルイがいなかったら、その寂しさはいかばかりだろうか。毎日、こちらがくたくたになるほどやんちゃをして手こずらせてくれるルイだが、怒りながら、「ルイ、ありがとう。きみのおかげでどれだけ救われているか……」との感謝も忘れていない。
 
 犬を失くした哀しみは、犬でしか癒されない――ずっと昔、この哀しみを経験した方から教わった言葉を、いまさらながら噛みしめている。

 
*追記=なぜか、ぼくは深大寺でルイの写真を一枚も撮っていなかった。無意識のうちにシェラやむぎの面影を追っていたからかもしれない。なんたる不覚。ここに使った下の2枚のルイの写真は、同じ日、家人が仕事場へ小一時間いっている間、ルイとふたりで散歩に訪ねた町田の芹ヶ谷公園である。
 この公園にも、むろん、シェラやむぎのビジョンが濃密である。ルイのお尻のにおいを嗅いでいるむぎのような小柄のコーギーと出逢っただけで胸にこみあげてくるものがある。

 
 

かなり怒っているみたいだね

2012-03-22 22:50:26 | ルイとの日々

☆どれだけストレスがたまっていることやら
 今日もルイは散歩の最中をのぞいてエリザベス・カラーをつけたままで生活している。むろん、寝ているときも、である。さぞや鬱陶しいだろうと同情する。ルイは、「こんなもん、どうってことないさ!」といわんばかりに平然と振る舞っているように見えるが、やっぱりかなりストレスがたまっているらしい。

 昨夜、ぼくが帰宅するまでは家人のそばでおとなしくしていたという。たしかに、ぼくが帰っても反応は鈍く、どこか身体の具合でも悪いのかなと心配したほどだった。帰ってきたぼくを見てもあまり喜ばないのである。「お手」のコマンドにも従わないで、ぼくを冷やかに見ているだけ。理由は歴然だった。
 「おお、おまえ、(カラーをされて)怒ってるな!」


☆復活した突貫小僧の疾走
 食事が終わり、ぼくは床に腰をおろして、家人のそばでぼんやりとしているルイを呼んだ。すぐに寄ってきて最初はぼくの膝にもたれて甘えていたが、しだいに高ぶってきて、ほどなく凶暴なわんこに変身していった。いままで見たこともないような攻撃的なルイである。しかもパワフルだ。あきらかにカラーの鬱憤を晴らそうとしている。

 テレビの『相棒』最終回を必死に見ている家人が、「やめてよ、乱暴な子になっちゃうから」となかば上の空で抗議するが、もうルイは止まらない。苛立っているのが明白である。
 おもしろがってカラーをうしろから叩いたりすると怒り心頭でぼくに突っかかってくる。さすがに本気で噛んだりはしないが、成長している分、全身の筋力がついてきているので油断できない。体当たりされるとかなり痛い。遊びも楽じゃない。


☆あと1日の辛抱だからね
 異常に興奮してきたのでぼくのほうからルイの相手するのをやめた。しかし、ときすでに遅く、鬱憤の晴らし場所を失ったルイは、カラーを首に巻いたままで部屋の中を全力疾走しはじめた。カラーが椅子やらテーブルの脚に激突するのなどものともせず、文字どおりの「突貫小僧」である。

 捕まえるためにおもちゃで釣るのだが、こちらの意図がわかっているからスルリスルリとたくみに身体をかわして逃げていく。もう4日間学習しているから、カラーが引っかかってしまうような狭い場所へは決して走りこまない。
 息が上がって喉が渇き、水を飲んでいるところを捕えようと手を伸ばすが余裕で逃げていく。引っぱりっこのおもちゃで遊びながらようやく捕らえてケージに押し込んだ。気がついたらぼくまで息が上がっていた。

 そんな昨夜の反省から、今夜は引っ張りっこだけの遊びで終始した。それでも思い切り暴れたので最後はダウンしてしまった。いま、ぼくの足元でカラーをしたまま寝ている。
 あと1日、金曜日1日の辛抱だ。よくぞ耐えたとルイをほめてやりたい。土曜日の午前中に抜糸を終えたらどこか広い場所へ連れていって思い切り走らせてやりたいが、予報によるとどうも空模様はよろしくない。
 外で遊べないなら、1週間辛抱したごほうびに何かおいしいものを食べさせて、家の中でたくさん遊んでやろうと思っている。


逆境なんかものともせず

2012-03-20 23:26:08 | ルイとの日々

☆傷は痛々しいがどこ吹く風
 いま、ルイはエリザベスカラーをしたままで1日の大半を過ごしている。カラーがまるで「ひょこりひょうたん島」のライオンのタテガミみたいだ。

 土曜日の朝に病院へ預けて午後に去勢手術を終え、日曜日の朝、迎えにいって戻ってきた。手術の痕は、男同士として正視できないほど痛々しい。自分がこんな目にあったらたちまち高熱を出して寝込み、少なくとも2、3日は痛みに唸って過ごすだろう。なんせ、男の大切なタマを抜かれ、袋は腫れあがり、縫合の部分は生々しい。
 
 しかし、当のルイはいたって元気である。その部分を舐めないようにとのエリザベスカラーであり、さぞやうっとうしいだろうと同情してしまうが、外へ出すとカラーをつけたままで元気に駆けまわる。カラーがどこかへ引っかかっても強引に突破していく。


 上の写真は、家に戻り、ごほうびのおやつに「豚の耳」をもらって食らいついているところである。ふだんは前足で押さえてかじるのだが、カラーがじゃまして短い前足で押さえることができない。しかたなく口だけでかじり、必要に応じてくわえたまま上にかざし、落ちてくるのをたくみにくわえなおし、大きなヤツをまたたくまに平らげてしまった。

 
☆「去勢なんか関係ないね」?
 こんな姿にされてもぜんぜんめげず、前足が使えなくても貪欲に食らいつく姿に感服した。来週の土曜の抜糸まで、ルイは1週間このカラーをしたままで過ごすが、きっといまの逆境にすっかりなじんでしまうだろう。
 
 大昔に観た映画のなかで、フランキー堺扮する遊び人が、「さ、スッパリやっておくなさい。首が落ちても動いてみせまさぁ!」と胸のすくようなタンカを切った場面にルイが重なって見える。去勢したのに「去勢なんか関係ないね」とばかりメス犬を追いかてばかりいるわんこになってしまうような気がしてならないが、ま、それはあるまい。 
 
 むろん、ルイがまったくカラーのうっとうしさを感じていないわけではない。散歩のときだけは歩きはじめる寸前にカラーを外し、戻ってくるとすぐに装着するのだが、このとき、激しく抵抗する。やっぱりすごくイヤなのである。

 ルイ、土曜日までの辛抱だぞ。
 

ルイ受難の土曜日は退屈な雨

2012-03-17 16:30:07 | ルイとの日々

☆だれもいない寂寥感 
 せっかくの休みなのにルイがいない。
 女房も店に出ているからわが家にはぼくひとりである。たったひとりで過ごす土曜日というのは何年ぶりだろうか。女房がいなくてもシェラやむぎがいた。たったひとりの休日なんて記憶にない。
 
 外は雨だし、しかたなく家にこもっている。むしろ、雨が幸いした。晴れていたりしたてもひとりで散歩なんかする気になれなかっただろう。
 いまも振り向くと背後にシェラがいたり、むぎが見ていたり、ルイが悪さをしていたりするような気がしてならない。

 もし、シェラやむぎが健在だったらどうしただろうか。雨だし、寒いからやっぱり家にこもっているだろう。だからといって、シェラやむぎと家の中で遊ぶことはあまりしなかった。お互いに見える場所にいればそれでよかった。そんな関係がいまとなってはなつかしい。
 
 ルイは、ケージから放てば何をするかわからない。見張っているか、遊んでやっているか、ケージに閉じこめておくしかない。おとなしくひとりで遊びはじめたと思うと、ぼくの手帳を噛んでいたりする。油断も隙もあったものじゃない。


☆気を引くための悪行の数々 
 きょうのルイは受難の日である。去勢手術のため、今夜は病院でお泊りとなる。時間的に、手術はもう終わっているだろう。
 昨年末にシェラが点滴のために病院にひと晩泊まったときは、ずっと吠えていたので声が枯れていた。ルイはそんなことないだろうが、弱虫だから一緒に泊まっているほかの犬に反応してしまうだろう。明日、どんな様子で帰ってくることやら……。
 
 それにしても、男の子の去勢手術というのは、同じ男としてとっても辛いものがある。まるでわがことのように痛みを感じてしまう。ただ、このところ、あまりにも傍若無人が目にあまるので期待もある。少しはおとなしくなってくれないだろうかという……。
 こちらの関心を引こうと悪さをしているのはわかるのだが、のべつまくなしやられるといささか疲れる。
 
 外から帰ってきて靴をしまわずに置いておくとすぐにリビングまでくわえてくる。大きな靴を、「よいしょ、よいしょ」と運んでくるさまは思わず笑いがこぼれてしまうほどかわいいのだが、気づかずにいたら確実にかじられて靴は一巻の終わりだろう。
 
 それにしても退屈きわまりない休日である。