愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

これって高齢(とし)のせい?

2011-01-21 18:18:45 | 日記


 「シェラ、昨日からどうも元気がないみたいなんだけど……」
 「やっぱりそう思うでしょう。なんとなく元気がないのよね。気分がすぐれないのかもしれない」
 ぼくが訊くと、家人も同じ思いでいたらしく、昨日の朝、そんな会話を交わした。散歩中、どことなくシェラ(16歳♀雑種)に精彩がなくなっている。飼い主以外にはわからない微妙な変化である。
 
 食欲はあるし、散歩に行くのを嫌がるわけでもない。外へ出ればいつもどおりそこかしこでしつこくにおいを嗅ごうとする。カラスを見つけると吠えつこうとする。だけど、どことなく気力が失せているのを感じる。
 散歩の途中で黄色い胃液を吐いたが、これもときたま起こる症状で、たぶん、元気を奪っている直接の原因ではないはずだ。気になったのは、吐いた量が少なかったことだ。
 それを家人にいうと、前日、すでに家の中で吐いていたという。やっぱり量はたいしたことなかったらしいが。
 
 三日前と二日前に、散歩の距離を増やしていた。といってもたいした距離ではない。時間にしてせいぜい10分である。
 シェラのためでもあるが、ムギ(12歳♀Wコーギー)のダイエットに少しでも役立ってくれればとほんの少々散歩の時間を延長した。その分、ぼくも早起きしている……正確には、早く目が覚めてしまったので散歩にいつもより早く出かけ、時間をかけているというわけだ。
 
 そんな程度のことで疲れが出たとしたらショックだが、昨日の朝は念のために元通りの短い散歩コースに戻していた。
 気になって歩く姿を観察した。表情の精悍さが曇っている。尾が下がり気味で歩いている。16歳という年齢のせいなのだろうか。もし、そうなら見守ってやるしかない。
 
 昨日は出先から直帰したので、珍しく午後8時前に家に帰り着いた。ドアを開けると例によってムギが吠えながら飛び出してきた。ぼくの姿を確認すると、奥に知らせに走っていく。報らされてシェラも出てきた。
 「あれ、シェラ、元気になったんじゃないのか?」
 ひと目見て元どおりのシェラの顔に戻っているのを知った。ぼくの帰宅への喜び方も力強い。気力のみならず、全身にパワーがみなぎっている。
 
 「そうなの。アリナミンを飲ませたら元気になったのよ」
 キッチンから家人の声が聞こえてきた。やっぱり散歩の距離が延びたので疲れが出たのだったら安心ではあるが、ショックもでもある。たいした理由じゃなかったという安心感であり、たかだか10分足らず余計に歩いた程度でというショックだ。

 せっかく元気になってくれたので、散歩のことは家人には黙っていることにした。
 それでも16歳はやっぱり16歳である。今朝もぼくが出かけるまぎわには、なんとなく写真のような姿を見せていた。
 ただ、この姿からシェラの様子を見抜けるのは飼い主であるぼくらしかいない。


寒いけどお茶しようか

2011-01-15 22:15:54 | 日記
 寒い。これから2月にかけてがいちばん寒い季節である。とりわけ今年は、近年の冬と比べて寒さも厳しい。だが、わんこたちはぜんぜんこたえないらしい。家人は、クローゼットの奥深くにしまいこんでいた亡母の形見の毛皮コートを引っ張り出し、外出のときに着ている。ものすごく暖かいとご満悦だ。
 毛皮に守られている犬たちが寒さに強いのを、家人は実感したらしい。脱げない毛皮を着ているだけに、夏はさぞ暑かろうとということも……。

 寒い土曜日だったきょう、ぼくたちはどこへ遊びに行こうか悩んだ。遊ぶ場所はいくらでもあるけど、休憩のお茶の時間、一緒に過ごせる場所がかぎられてる。わんこたちは寒さが平気でも、ぼくたちはこの寒さがこたえる。
 家人は毛皮のロングコートでわんこたち同様の防寒対応をしているけど、ぼくはウールのシャツとダウンパーカである。どちらもアウトドア用の上等な一品だが、さすがに毛皮にはかなわない。

 カフェのオープンテラスでお茶をするときのために、ぼくは背負って出かるデイパックにインナー用の薄いダウンベストをしのばせていく。テラス席で座る前にウールのシャツとパーカの間に重ね着するためである。
 この冬は、それでもまだ足りない。テラス席にストーブを置いてくれていなくては……。
 そんな店は、近所のアウトレットモールの一角にある「ワイアード キッチン」しか知らない。
 
 この店にはわんこ用のメニューもそろっている。ここへ行けば必ずおいしいおやつにありつけるのだから、わが家のわんこたちにとっては大好きな店である。駐車場から店まで、まるで、スキップするように小走りに向かう。
 もし、2台ある大きな石油ストーブの隣の席が全部ふさがっていたら、ぼくたちは空くまでモールの中をひとまわりしてくるが、幸いきょうはすんなり座ることができた。ブランケットを借りて座布団代わりにする。

 わんこたちがありつけるおやつは「さつまチキン」と決まっている。さつまイモのスティックにチキンの干し肉が巻きつけてある。写真のようなさつまチキン3本が1頭分。
 これをぼくがキーホルダーに提げているスイスアーミーナイフ(いちばん小さいクラシック)でさばき、少しずつ食べさせる。そのままやってしまうと、3本だから三口で終わってしまうが、バラしてやると食べる回数だけはかなり稼げる。
 
 ぼくたちも、コーヒーのほかに、その日によってハワイ風のドーナツだったり、フレンチトーストだったりを頼むが、きょうはケーキにした。
 わんこたちのおやつが終わると、ぼくたちは急いでケーキを食べ、寒さに追い立てられるように席を立った。
 
 毛皮がないから冬の散歩は楽じゃない。まだまだ寒さは続く。わんこたちのためには寒いほうがいいけれど、ぼくにはこたえる今年の寒さである。



ぼくたちの大切な絆(きずな)

2011-01-05 21:52:33 | 日記
 昨日、アウトレットモールへ出かけたので、ふたりのカラー(首輪)を新調した。ひと月ほど前から気になっていたのでほっとした。
 というのも、ムギ(11歳♀コーギー)のカラーがへたってしまい、いくら締めてもすぐにゆるんでしまうようになっていたからだ。

 写真の上がムギ、下がシェラのカラーである。シェラ(15歳♀ミックス)のほうはまったく問題ないが、やっぱり一緒に新しいのに替えてやりたいという親心のようなものだ。

 元々、ムギはカラー抜きの名手である。首をひと振り、ふた振りして容易に抜いてしまう。だから、実際には新しいのを買っても無駄なのである。
 首が抜けない程度にきつくしたら締めすぎて窒息しそうになる。顔がやたらに小さいからなのかもしれないし、骨格の作りのためかもしれない。

 2日に伊豆の伊東にある神祇大社へ初詣に出かけたときも、参拝が終わって階段を下りる段になり、カラーを抜いてしまった。
 「首輪を外しましたよ~」という背後の声を二、三度聞いて振り向くと、階段の上でムギがとまどっている。急な傾斜の階段が怖かったらしい。ぼくとシェラはすでに十段ほど下りていた。

 カラーを抜いたからといって、逃げてしまうわけではない。たいてい、そこにとどまっているか、二、三歩戻る程度だ。
 では、どんなときに抜くかというと、一緒に歩いているシェラがなんらかの理由で立ち止まり、抵抗したときである。間髪入れずにムギがカラーを抜いていまきた道を戻るポーズを見せる。
 シェラが立ち止まるということは、この先に危険が待っていると思うのか、それとも直接のボスたるシェラにひたすら忠実なのか、こればっかりはなんとも言えない。
 
 逃げないからカラーを抜いても大丈夫だとは思えない。こちらのコントロールのきかない状態になること自体が不安である。すぐわきを幹線道路が走っていたり、住宅街の中の道でもクルマや自転車がかすめていく。
 
 それと、わが家のわんこたちは、カラーをするのを決して嫌がらない。むしろ、われわれ人間との大切なつながりをカラーに感じているきらいがある。
 たとえば、シャンプーをしたあとなど、カラーを見せると装着してくれとばかり寄ってきて、素直に首に巻かせる。どうやら、カラーをやっていないのも不安らしい。
 
 カラーは、いわばぼくたちの大切な絆――そんな大切なアイテムだから、やっぱりときどき新しくきれいなカラーに取り換えてやりたい。


西陽がうれしい季節

2011-01-04 22:25:53 | 日記
 正月休み最後の日だった。昨日はキャンプ疲れで終日家にいたのでシェラやムギたちをどこへも連れて行かなかった。さすがに気が引けたので、近所の神社へ初詣に出かけるついでにわんこサービスに繰り出した。
 
 シェラが行きたいところはただひとつ、お茶を飲むためのどこかのテラス席である。店の種類は問わない。カフェであろうと、ファーストフードであろうと、パン屋であろうと……。ただ、やっぱり雰囲気のある店のほうが好きみたいだ。



 いちばん好きなのは、ある公園に面したお洒落な店のテラスである。しじゅうテレビドラマのロケに使われているくらいだ。この前を素通りすることはできない。激しく抵抗して、「お願いだから入りましょう」と訴える。テラス席に関してはなかなかセンスがいいのである。
 混んでいないかぎり、根負けしてテラスの一隅に座ることになる。というか、シェラにかこつけてぼくたちもお茶をする。
 
 だが、今日は寒い風が吹き、いつも行きつけの近所のテラス席はどこも座る気になれない。不満げなシェラをもう一度クルマに乗せ、反対の方角にあるアウトレットモールへ向かった。あそこなら、暖かいストーブを備えたカフェがある。

 ところが、この寒空の下、お目当てのカフェのテラスは満席だった。しかたなく、ぼくたちは駅の脇にあるパン屋のテラス席に落ち着いた。
 ここは駅舎で風がさえぎられ、西陽が当たって暖かい。ときおり、ここでタバコを吸う鈍感で横暴な喫煙者たちからの煙攻撃をがまんしなくてはならないが……。



 短い時間ではあったけれど、シェラもムギも午後のひとときをくつろいで過ごした。午後の西陽をありがたいと感じる季節である。


暖かいシュラフで寝る幸せ

2011-01-03 13:55:03 | 日記
 年末30日から伊豆の大仁のキャンプ場へ年越しキャンプに出かけ、昨日2日に戻ってきた。
 これで9年連続の年越しキャンプになる。場所は同じ大仁の里山のキャンプ場である。キャンプスタイルはテント泊だが、暖房のための装備はそれなりに整えている。
 それでも冬の屋外である。気温がマイナス6℃ほどまで下がった元旦の朝は、サイトの芝生はもとよりテントにもクルマにも霜が白く降りていた。



 この何年か、毎回、「もしかしたら、これが最後の年越しキャンプになるかもしれない」と、なかば覚悟をしながら出かけるようになっている。シェラとムギの年齢を考えるといつまでも冬のキャンプに連れだすことはできなくなる。
 年明けまもなくでシェラ(♀雑種)が16歳、ムギ(♀Wコーギー)が12歳になる。それに、ぼくは春に66歳。み~んな年寄りばかりだ。

 だが、今年もまた幸いにして新年をキャンプで迎えることができた。例年以上にうれしかった。
 シェラもムギも、キャンプ場に着くと、早くクルマから出してくれと騒ぎ出した。外へ出るとうれしくてしょうがないといわんばかりにサイトで跳ねる。そして、設営する横で散歩に行きたいとアピールが続く。
 キャンプにきてよかったと心から思う瞬間である。

 もの心ついたときから毎年何回もキャンプに連れ出されてきただけに、ふたりとも慣れたものだ。
 テントを張っていると、早く入りたいとシェラが騒ぐ。入れてやるとすっかり落ち着いてしまう。ムギはテントの中にいるよりも外で見張りをしているほうが好きだ。
 もっとも、ムギも二日目、三日目となると疲れが出てくるのか、夜はテントの寝室部分でシェラと一緒に寝ているようになる。

 わんこ用のベッドやフリースのブランケットを持参してテントに入れてあるが、シェラもムギもちゃっかりぼくらのシュラフを前肢で器用に手繰り、寝心地のいい「巣作り」をしてそこで丸くなって寝ている。





 寝るときには床に敷いたホットカーペットの電源を入れる。以前は、床からの暖かさを嫌って、テントの隅のほうへ、ホットカーペットを避けて寝ていたシェラだが、最近はあまり気にしていないようだ。
 年齢のせいでやっぱり暖かいほうがよくなったのか、それとも単純に慣れたからだけなのか、シェラに訊いてみないとわからない。

 今年はテントの内部にも霜が白くこびりついた。それほど外気が冷えたということだ。どんなに暖かくキャンプをやろうとしてもやっぱり冬は冬である。
 今年の年末、はたしてシェラたちと年越しキャンプに行けるだろうか? そんな想いがますます真実味を濃くしている。
 
 シェラが寝ていて暖かくなったシュラフにもぐりこむことができる幸せをなんとしても一年でも多く繰り返したい。