暑いのはわかっているよ、ルイ。
夏だからね。
だから毎朝早起きして涼しいうちに散歩に出ている。
今朝も5時を少しまわったばかりのころに出かけていた。
雲が朝の陽射しを覆っていたから、暑さもそれほどではなかったはずだ。
それなのに、ルイは歩きはじめてすぐ、身体をかがめ歩きたくないと抵抗する。
目が強く訴えている。
「いきたくない」と。
たしかに、毛皮を着たままのルイにとっては、人間のぼくたちには涼しく感じても、暑さに変わりないのかもしれない。
まして、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは短毛ではあるが、ダブルコートの毛を持つ犬種である。
かたく短い上毛の下したには、ふわふわの下毛がたっぷり生えている。
暑さがひどく苦手なのはしかたない。
だが、半年あまり地道に歩いてきたおかげでダイエットにも効果があった。
うしろ脚のふるえから歩けなくなることも影をひそめた。
ふるえ自体もだいぶおさまっている。
やっぱり、毎日歩いているからだろう。
暑いからといって歩くのをひかえたら、元の木阿弥になりかねない。
朝はまだ涼しいうちに、夕方は日が落ちて涼しくなってから散歩に出かけることでなんとかこの夏も乗り切りたい。
ダブルコートのルイが暑さをやり過ごすにはこれしか考えつかない。
むろん、散歩には冷蔵庫で冷やした水を持参して与える。
そのとき、休み過ぎない程度に休憩する。
それでも夕方はまだ暑い。
散歩は朝を長めにして夕方は少し短くして終わる。
きょうは曇っていたからと4時半に出かけた。
外へ出るとたちまち陽ざしが戻ってきて暑くなってしまった。
ルイから何度となく「暑いから歩きたくない」のアピールをもらった。
そのたびに、「わるかった」と謝りながら3,000歩を歩きとおした。
あすからは気をつけるからかんべんしてくれ。
そして、ふたりで地獄の夏をなんとか乗り切っていこうぜ。