愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

気の休まるヒマがない

2013-10-24 21:00:11 | ルイとの日々

■ 鋭く尖ったプラスチックの破片

 今月はじめ、正確には6日の日曜日、ルイをつれて出かける準備をしていると、気配で興奮したルイがぼくのデイパックに首を突っ込み、中から未使用のプラスチック製のスプーンをくわえてきた。ファーストフード店などで出される使い捨てのやつである。
 何につかうという確たる目的はないが、ときたま重宝することがあるのでデイパックに入れてある。それをヤツにギラれた。

 ルイの魂胆はわかっている。こちらの気を引いて、自分をかまってほしいし、お出かけに自分もいかれるだろからうれしくてはしゃいでいるのだ。外出のしたくに気を取られて取り上げるのがやや遅れた。ぼくの顔を見ながらルイは、その悪さをエスカレートさせようとしていた。スプーンの取っ手の先端の部分を噛み砕いたのである。

 取り上げようとするぼくの手をかいくぐって逃げるとき、スプーンの本体は落としたが、噛み砕いたほうは口にしたままである。ようやくつかまえ、口を開いてみるともうプラスチックの破片は何もなかった。
 床にこぼれた破片を集めてスプーンの取っ手をつなげてみると、明らかに足りない部分がある。取られまいと飲み込んでしまったのだろう。面積にすると1円玉の半分くらいのものだ。しかし、噛み砕かれた細かい破片はどれも鋭く尖っていてよくぞ口の中をケガしなかったと思えるほどだった。


■ よだれの原因がわからない

 生後半年くらいのころにも犬用のぬいぐるみを破壊し、お腹に入っていたプラスチックの笛を噛み砕いて飲んでしまったことがある。あのときは、プラスチックの素材が薄く柔らかかったし、割れた断面が鋭く尖ってなどいなかったのでさほど心配しなかったが、今回はかなり怖いものがある。

 異変が起きたのは翌日だった。ヨダレが目立つ。遊んでいるときはどうということはないのだが、寝そべっていたりすると、床がかなり塗れているのである。眠っていなくても床にヨダレをたらしている。しかも、生あくびをしたあとなどに口をクチャクチャと動かすのである。
 女房が気にして、「どうしたんだろう?」とぼくに訊く。わかるわけないというのに。

 ヨダレは、お腹に入ってしまったプラスチックの破片のせいかもしれず、あるいは、まだ飲み続けている前足の関節のための消炎剤とアレルギーの薬が原因かもしれない。
 「ルイの病院へ電話をして、アレルギーの薬が原因でヨダレがでることがあるか、まず訊いてごらん」
 ぼくは心配顔の女房にアドバイスした。


■ 遅刻と早退でルイを病院へ

 でも、待てよ。よだれは、ほんとうに月曜日からだったのだろうか。もしかしたら、先週、あるいは先々週あたりからときどき垂らしていたのではないだろうか。プラスチックの破片の件があったのでぼくたちはナーバスな反応をしているのではないだろうか?

 そう自問しているところで女房が、昼間、病院へ電話をかけた。火曜日のことである。
 「いま飲んでいる薬でヨダレがでるということはありません。プラスチックの破片がどこかに引っかかっている可能性もあるので、できるだけ早くつれきてください」
 その言葉で女房があわてた。水曜日は女房の予定が詰まっているし、空いていてもクルマの運転ができない彼女がつれていくわけにはいかない。要するにぼくが連れていくしかないのである。

翌水曜日の朝、ぼくは遅刻してルイをクルマに乗せ、病院へ連れていった。吐き気や食欲の減退もなく、いつもと変わらぬ様子から、よだれの原因が飲みこんだプラスチックとも考えにくいが、念のためにレントゲンを撮ってもらうことになり、ルイを預けて、夕方迎えにくることにした。
 遅刻、そして早退するくらいなら休んだほうがいいのだが、その日はどうしても避けられない打ち合わせを予定していた。しかたなく会社へ向かい、打ち合わせをすませるて早々と帰宅した。それでも病院へ着いたのは午後6時過ぎだった。


■ わんこはおデブがかわいいだなんて

 院長先生からの説明はきわめて明瞭だった。まず、半日病院にいる間もよだれは確認できたという。テンカンという可能性もあるが、現状ではさほど心配することはない。よだれをとめる薬もあるが、それを飲まさずに経過をみようということだった。案外、パタッととまることも少なくないからだという。

 レントゲンの結果はじつにきれいな胃腸が写っていた。プラスチックが引っかかっている様子はないので心配することはないという診断だった。
診察結果をうかがい、待合室で待つことしばし、病院のリードをつけたルイが若い先生に引かれて飛び出してきた。ぼくの声が聞こえていたろうに、ぼくの顔を見て安堵の表情を見せた。

 一週間後にもう一度診せにいかなくてはならないのだが、まだいっていない。今週末にいくつもりである。
 よだれはほとんど認められない。足のほうは、起きてくるとまだいくぶん引きずっている。こればかりは、ぼくも家人も開き直っている。もし、障害があるなら、それなりにつきあっていこうと。もしかしたら成長期だけの現象かもしれないし……。

 何よりも体重を減らしてやることなのだろうが、「わんこは少しおデブがかわいい」なんて広言する家人の意識から変えていかなくてはならない。これはルイのダイエットの何倍も困難である。



ママ、おいらを怒らないでくれ!

2013-10-03 12:53:10 | ルイとの日々

■ おやつほしさの毎朝の悪行 

 3日前の朝、ルイのことでぼくと女房が口論となった。
 食事をしていると、キッチンのほうから、異音が聞こえる。ルイが入りこんであらしている音である。食べもののにおいがついた包装紙などをあさっているのだ。これらを持ち出し、交換に女房からオヤツをせしめようという魂胆なのである。

 同じことを毎朝繰り返している。この朝はぼくが切れた。「毎朝、毎朝、ドアを閉めておかないママがわるい!」と。これで女房も逆ギレした。「そういうあなただって……」と。ここから口論が勃発した。当事者のルイは涼しい顔でぼくたちを見ていた。

 このあと、ぼくが別の部屋で出勤のために服を着替えていると、リビングでまたルイが何かわるさをしたらしく、女房が激しく怒る声が聞こえてきた。ぼくとの口論のあとだから、怒り方はいつもより激しい。こんなことでいい子になるようなルイではないというのに。

■ なんとも露骨なゴマすり

 寝室のタンスの前でネクタイを選んでいると女房が入ってきてベッドを整えはじめた。すると、ルイが追ってきて、ベッドの上に飛び乗った。ベッドカバーを整えている女房の雷が落ちる……はずだった。
 だが、いつものルイではなかった。カバーをくわえて引っ張りっこに持ちこむ気配は見せず、女房に前足をかけて腕や顔を舐めはじめたのである。

 まさにゴマすりだ。
 「おまえって、イヤなやつだなぁ」とぼくがいいおわらないうちに、すっかり機嫌がなおった女房は、笑顔で15キロのルイを抱きかかえ、そそくさとリビングへといってしまった。
 これでまたルイがクッキーをいくつかせしめたであろことは、わざわざたしかめるまでもなくわかりすぎるくらいわかっている。

 なんてヤツだ!