愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

成長とともに寂しさも

2013-03-28 22:37:09 | ルイとの日々

 このひと月ほど、ルイが変わりつつある。成長期なのだから変化は当然だが、この変化はありがたい。変わったのは「いたずら」が鳴りをひそめつつあるということだ。

 以前だったら、履いているスリッパまで強引にかっぱらっていき、すばしこく逃げまわってなかなか取り押さえられなかった。どのスリッパも底がボロボロにされていた。そのスリッパを新調して半月になるが、いまのところ無傷のままだ。

 あのころは、たとえば、スリッパを取り上げると、テーブルに前足をかけて新聞をくわえて走り去るといった狼藉のかぎりをつくしていた。ぼくたちは、ルイに「おまえの名前はワルイだ!」と叫んで追いまわしたものだった。ほんとうに悪い犬だった。ぼくは何度かんしゃくを起こしたかわからない。


 それが、最近はいたずらを咎めるとすぐにくわえたものを放り出す。そして、いかにもバツの悪そうな顔でぼくを見る。それだけ成長したのだろう。以前のようにワンパクのかたまりのようなルイでなくなってきた。ただ、夜遅くの帰宅が続き、遊んでやっていないと元へ戻ってしまう。

 今朝も、ソファーに座り、靴下をはいて、かたわらに置いた残りの片方へ手を伸ばすとそこにない。「あれ?」と思って見回すとテーブルの下で、靴下をくわえたルイがじっとぼくを見ている。
「返せ!」といっても放り出さずに逃げていく。このところ、二晩つづけて遅かったので、夜、遊んでやっていなかった。


 夜の遊びといっても、部屋の中なのでとってもシンプルだ。ボールやら人形やら、数種類のおもちゃを投げてやると走っていって取ってくる。その単純な繰り返しである。ときどき、捕まえて片方の手のひらで目隠しをして、家具の陰などに投げてやる。たいていは、音だけで方角を見きわめ、探し出して持ってくる。


 持ってきても引っ張りっこをするし、目隠しのときはかなり暴れるのをぼくが力まかせに押さえ込むから、部屋の中の遊びとはいえルイの消耗はかなりのものだ。30回もやるとバテバテになってすさまじい量の水を飲み、その場にへたり込んでしまう。

 この二日間、遊びが足りていないから、朝、身支度しているぼくのとこころに「遊ぼうぜ!」とおもちゃを運んでくる。その日によってお気に入りのおもちゃが変わるというのがおもしろい。今日は綿の細引きで作ったボールの日だった。


< そして、相変わらず出かけようとするぼくを唸りながら追いかけてきてカバンを噛んで「おいらも行くぜ!」といわんばかりに引っ張る。だが、ぼくが靴を履いて玄関の扉を開いても飛び出そうとはせず、寂しそうに見送るだけだ。
 そんな朝の騒ぎもそろそろ終わるのだろう。寂しいけどルイの成長と思って未練は捨てなくてはならない。
 
 

いささか悲惨な春便り

2013-03-26 01:20:50 | ルイとの日々
 毎朝の散歩で目にする満開の桜も今年は心から愛でることができない。このブログともかれこれ2か月にならんとするご無沙汰である。昨年11月末からこの3月まで、何とも悲惨な日々が続いているからだ。

 11月末に発症した膝の痛みは、自分でも薄々思っていたとおり、ちょうど3か月目を迎えるころ、潮が引くように痛みが消えた。やれやれと安堵した直後、今度は腰を痛めてしまった。膝の痛みで腰にストレスがたまっていたのも一因だったのだろうが、まだひどくならないうちにとインターネットで探して訪ねた、はじめての鍼灸院が失敗だった。鍼の前に腰の牽引をやられ、よけい症状が悪化した。今月2日の午後だった。

 土曜日でも診てくれる近所の鍼の治療院はどこもいっぱいで、この駅前だけが受け入れてくれた。予約もいらないという。さっそく出かけたが、一歩入ったとたん悪い予感に立ちすくんだ。というのも、院内がガラ空きだったからだ。

 不安は的中した。老いた鍼灸師はつまらない繰り言を並べるだけで治療への真剣さは微塵もなかった。入ったときよりも出るときのほうがひどい状態でほかに患者のいない鍼灸院をあとにした。

 もともと腰痛持ちではあったが、この11年ばかり鳴りをひそめていてくれただけにショックだった。翌日の日曜日は一日寝て過ごし、月曜日は会社を休んで、同じマンションの住人の方に勧められた近くの整骨院へいった。ここでは2週間ばかりお世話になったが、痛みは一進一退で埒があかない。ルイの朝の散歩も女房に頼み、それでも会社へは涼しい顔で出勤していた。

 ぼくが最初に腰痛に見舞われたのは30代のなかばだった。以後、何度か経験しながらいつも鍼で治してきた。最後となった11年前のときも鍼一発で痛みとおさらばしている。その記憶が忘れられず、10日ばかり前、仕事が一段落した合間に会社近くの鍼灸院へ出向いた。すでに7回ほど鍼とお灸の治療を施してもらっているが、未だに一進一退が続いている。

 年齢のせいで身体の反応が鈍くなっていると説明を受けてなんとなく納得してしまうが、今週をメドにこの鍼灸院も見切りをつけようと思っている。身体のこともあるし、治療費だってバカにならない。毎回6,000円で先がぜんぜん見えてこないというのも業腹である。

 会社のほうもおちおちしていられない情況にある。たとえ痛み止めの薬を飲んででもなんとか乗り切らなくてはならない難局が迫っているからだ。痛い足を杖で支えながらルイとの朝の散歩、そして、夜、会社から帰ってきてからルイとボールやほかのおもちゃを投げて遊んで過ごす時間だけがいまのぼくの楽しみである。