愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

はじめてのペットホテル体験でぼくたちが得たもの

2014-01-30 22:31:15 | ルイとの日々

■ 3か月ぶりのルイは……
 このブログもとうとう3か月のご無沙汰となった。さまざまなことがあったはずだが、記憶はどんどん忘却の彼方へ飛んでいく。ぼくがそういう年齢にあると同時に、この間、いろいろな事件があったからでもある。ひたすらせわしなく過ぎた昨秋から冬の到来へのルイとぼくとの出来事はおいおい記すとして、とりあえず、いま特筆しておきたいことからはじめたい。

 ルイの最新のトピックといえば、はじめてのペットホテルへのお泊まり体験だろう。先週の23日(木)と24日(金)のふた晩、病院での去勢手術以外でははじめてのお泊まりとなった。先住犬だったシェラやむぎにも入院以外には経験させていない。

 お泊まりとなった事情は、わが家のフローリング張り替え工事が22日から25日の4日間の予定でおこなわれたからである(実際には、業者さんの都合で25日(日)は実施できず、今度はこちらの都合で2月22日に変更となったが)。後半の2日間の土曜日と日曜日はぼくがいるので、施工中でも外へ連れ出せるが、前半の2日間は一日中風呂場へ閉じこめておくわけにもいかないということで、近所のペットホテルへ預けることになったのである。紹介者の話だと、個人のお宅でやっており、庭で遊ばせてくれたりするので安心できるという話だった。

 工事初日の23日の朝、ぼくが会社へ出かけたあとにお迎えのクルマがきて、家人に見送られてルイはホテルへ運ばれていった。「なんだ、なんだ?」といわんばかりのとまどいの表情でクルマの荷台のケージに入れられて去ったそうである。食べ慣れているエサとおやつも一緒に。
 その日の夕方、家人が電話をかけて様子を聞くと、最初はケージの中でヒュンヒュン鳴いていたが、まもなくおとなしくなって寝ているという。




■ 水鉄砲でルイを撃つ
 翌日は家人が遠慮してホテルでの様子を聞かずに過ぎた。
 ルイのいない2日間の夜のなんと静かなことか……。いつもだったら次から次にいたずらを繰り返すルイへぼくの怒号がとび、あるいは、何かをくわえて逃げ去るルイを家人と追い回し、だが、すばしっこくて捕まえるのは至難のわざで疲労困憊する繰り返しだった。

 そんなルイを威嚇するために水鉄砲を買ってきた。だが、効果があったのは最初のうちだけだった。すぐにルイはぼくが水鉄砲で遊んでくれていると勘違いして、喜び、興奮して走りまわり、吠えながら突っかかってくるのである。つまり、そんなルイの相手でこちらがヘトヘトになってしまうのでまったくの逆効果でしかないというわけである。

 そんなある夜、水鉄砲に弾丸代わりの水を注入したがどうも様子がおかしい。よく見るといつの間にか水が吹き出る筒先が無残にかじられているではないか。かくして、何日間かぼくとルイの夜の遊びから水鉄砲がなくなり、意気の上がらないことおびただしい。
 次の休日、ぼくはさっそく新しい水鉄砲を買った。壊されてもいいようにと大1、小2の3個のを用意した。こちらの戦力が格段に向上した以上に、その日はルイの戦意も高まって、本気で応戦してくるではないか。家人が長電話で寝室に消えたあとのリビングはルイとぼくとの激しい主戦場となった。

 だが、激しい戦闘の結果は無惨だった。あたりはすっかり水浸しになっていて、ぼくが家人からこっぴどくしかられてしまった。かくして、水鉄砲を使った「ルイをよい子にする作戦」はあえなく瓦解した。


■ ホテル体験でルイがどう変わるのか
 そんな矢先のルイのホテル体験だった。家人とふたりだけの夜はひたすら静かで刺激がなく、死んだような平和に満ちている。だが、なんとも手持ちぶさたで、しかたなく、さっさと寝てしまうしかなかった。ルイのいない唯一の24日の朝は寒さと突いての散歩にいく必要もない。いつもは6時の起床だが、目覚まし時計を7時にセットした。それなのに、なぜか5時過ぎに目が覚めてしまい、そのまま眠れなかった。

 翌日の24日、昼過ぎにルイが戻ってきた。ホテル側の都合で夕方の予定が昼過ぎの帰宅となった。まだ工事の最中だったのでぼくが迎えに出た。マンションのエントランスの前で、せっかく帰ってきたというのに、ルイは昨日と今日遊んでもらったのであろうペットホテルのお兄ちゃんのほうがぼくよりも気になっている様子だった。

 ホテルのでのルイはというと、初日は緊張感からか、エサを食べなかったそうである。2日めはちゃんと食べたというが、ホテルの庭で撮られた写真を見ると緊張が顔ににじみ出ている。わんこながら辛い思いをしていたのである。
 工事が続く家にもどり、「これで少しはよい子になってくれるといいな」というぼくの言葉を家人は一笑に付して、「むしろ逆だと思うわ」と冷ややかに言い放った。
 なんというイヤな女だろう。こんな女と連れ添ったオレが間違っていた。そこまでルイは悪い子じゃない。この女が思っているよりはるかに賢いわんこのはずだ。辛さを経験したルイは必ず相応の成長を遂げているはずだ。それがぼくの揺るぎない確信だった。


■ 欲求不満と疲労をかかえて……
 その日、夕方の散歩が終わり、ご飯も食べて、2日ぶりの「ルイ・タイム」となった。答えはすぐに出た。30分もしないうちに、張り替えたばかりのフローリングの床は、いつも以上に水浸しになり、ぼくの怒号とルイの吠える声が錯綜し、それを非難する家人の怒鳴り声も加わって、わが家は文字どおりの修羅場の様相を呈していた。ルイの2日分のストレスが一気に爆発して、手の施しようがないほどになっていたのである。

 この修羅場は、日を追って少しずつエネルギーが削がれながらも確実に3日間持続した。だが、ルイは欲求不満とともに激しい疲労も抱えていた。いずれの日もひとしきり暴れたあとのは、まさに泥のように眠りに落ちていたのである。ホテルのふた晩がどれほどストレスを溜めたかを物語る姿だった。

 われわれの都合で放り込まれたペットホテルである。この小さな身体で心細さによく耐えたな、エラいぞと慰めてやりたい。
目の前に展開するルイの狼藉に唖然となりながら、ちょっぴりうしろめたさを覚えずにはいらないぼくだった。