愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

まさかの雪で遊ぶ間もなく

2015-01-24 15:10:28 | ルイとの日々
■ 神祇大社への初詣
 伊豆での年越しキャンプでは、2004年の初回のときから伊東にある神祇大社への初詣を欠かしていない。モビリティーパークで年越しキャンプをやってみようと思ったとき、近くにペットのお守りを授かることができる神社があるのをインターネットで知った。当時、一緒にいたシェラとむぎのためにぜひその神祇大社へいこうと決めた。

 下見のために大晦日の半日を費やしてようやくたどり着いた神祇大社の立派さに、ぼくたちは目を見張った。住所を頼りに、こぢまりたたずむ田舎の神社をイメージしてさんざん探しまわったのである。地元の人とおぼしき通りすがりの方たちにも訊ねても容易にわからないで時間ばかりが過ぎていた。
 あきらめかけて帰路についたとき、ようやく見つけた。国道沿いにたくさんの幟をはためかせて建つ壮麗な社に圧倒された。大きすぎて目に入らずに通り過ぎていたらしい。
 
 以来、2011年から12年にかけての年越し以外はモビリティーパークでキャンプをおこない、いつも初詣をしてペット用お守りを授かっている。この11年は7月にむぎを喪い、9月にルイを迎えてはいたものの、まもなくシェラもガンで明日をも知れぬまま年を送り、12年の暗い年明けを迎えた年である。

■ 「雪がくる、雪がくる」
 ルイを連れての神祇大社への初詣は今年で3回目となる。去年につづき、今年もせがれが一緒だった。この石段に並んで参拝の順番を待つとき、シェラとむぎを伴っていた光景をほろ苦く思い出す。
 あのころは、シェラ用にレッド、むぎ用にピンクとふたつのお守りをいただき、留め金を補強してそれぞれのカラーに装着し、その年を送っていた。ルイのためにはブルーのお守りをいただいてきた。しかし、カラーにはつけず、シェラとむぎの霊前に置いている。無意識のうちにみんなのお守りというつもりだからだろう。
 
 シェラやむぎがそうであったように、ルイもまた初詣の長い列の中で不安そうだ。見ず知らずの人々にかこまれてならび、ときたま石段を登り、そしてまたしばしとどまるという、日常では経験したことのない動きにしたがいはするが、なんでこんなところにいるのかはわからない不安が顔に出ている。どれだけ緊張を強いられているかは写真を撮ってみるとその表情でよくわかる。

 ようやく拝殿へたどり着いて参拝を終える。振り返ると、空の様子が一変していた。晴れ上がっていた空を正月にはふさわしくない不気味な雲が北側から広がっている。気温がぐんぐん下がりだした。急いで社務所へ向かい、それでも例年のようにおしるこを頂戴し、お札とお守りを授かって駐車場へ急ぐ。境内で屋台を開いていたおやじさんが、「雪がくる、雪が降くる」とつぶやきながら小走りにトイレへ入っていった。


■ 走れるところまでいってみよう
 「雪がくる」という言葉をぼくたちはまったく気にとめずにいた。今年も街道沿いの同じ干物屋へ入って買い物を終えた。客はほかにいない。しかも、いつもより早い時間だというのに店じまいがはじまっている。追われるようにクルマへ戻り、キャンプ場へと向かうとまだ昼食を摂っていないことに気づいた。
 
 「簡単に何か食べて行こうか」ということになって食事のできそうな店を探しをはじめるとフロントガラスにみぞれが当たりだした。手近のファミレスで遅いランチにありついたころ、ふと外へ目をやると本格的な雪に変わっていた。 こんなことならまごまごしてないでさっさとキャンプ場をめざすべきだった。悔やんでもあとの祭りだった。

 食事もそこそこにキャンプ場へ向かう。雪は、伊東から宇佐美への途中で小降りになってほっとしたのもつかのま、宇佐美では車道に雪が積もりはじめていた。海沿いの道を左折して亀石峠へ向かう手前のコンビニでまずは手当たりしだい食料を買いだめした。
 チェーンをどうするか? コンビニ前の道路はまだチェーンなしで走れる。降りしきる雪に焦りもあった。「走れるところまでいって、そこで判断しよう」峠へと急ぐクルマの列につづいた。すでに日はとっぷり暮れていた。


■ いったん自宅へ退避しよう
 何時間、雪との格闘をしていたのか正確にはわからない。キャンプ場にいるFさんが、19時からの元旦イベントに参加するためにご家族でクラブハウスへ移動するという連絡があったときはまだ気持ちの半分はキャンプ場へなんとか戻れないものかと思っていた。残りの半分は、たぶん、今夜戻るのは無理だろうと覚悟を決めていた。キャンプ場にも雪は降ったものの、亀石峠への道の積雪がどの程度のものかのイメージがなかなか伝わらないでいるらしかった。
 
 23時前に、ぼくたちは町田の自宅へ帰りついていた。二度、峠へのアタックを試みて、二度ともクルマが急こう配の坂道でスタックしてコンビニの駐車場へ戻っていた。二度目に雪の駐車場でルイを散歩させてから修善寺へ向かった。もし、修善寺へいくことができたら、反対側からキャンプ場へ回り込めるかもしれないと考えたからだった。しかし、修善寺へも山越えをしなくてはならず、高度を上げるにしたがって積もった雪は深くなり、途中で断念した。
 20時過ぎ、ぼくはいったん町田の自宅へ戻る決断して小田原方面へ向かった。下り坂でなんどかスリップしながら、それでもなんとかクルマを傷つけずに元の海岸線へと着いた。
 
 家に着いたのは23時前だった。初詣からの大半の時間をルイはクルマのクレートの中で過ごしていた。明日、再度キャンプ場へ戻って撤収をしなくてはならない。その夜は風呂へ入って早々と寝た。ルイも疲れたろうと思う。
 翌日の2日も、東名道下りの渋滞にひっかかり、キャンプ場へは3時過ぎに着いた。Fさん一家と1日延泊を決めて、その夜、しんみりと語り合ってようやく落ち着いたキャンプの夜を過ごした。ルイも疲れが出たのだろう。珍しく自分から寝室のスペースであるインナーテントに入っていってぼくらのシュラフの上で寝ていた。ゆっくり遊んでやることができなかった年越しキャンプ最後の夜だった。

ルイとは3回目の年越しキャンプへいってきた

2015-01-17 08:38:01 | ルイとの日々

■ キャスターなどの音に異常反応
 3歳も半ばとなったルイを連れて年末から年始にかけて、今回も伊豆の大仁近くにあるオートキャンプ場のモビリティーパークへ出かけた。前にも書いたが、ルイの場合はクレートの持参が欠かせない。人間にもよそのわんこにもきわめてフレンドリーなので、吠えついたり、喧嘩をふっかけたりというトラブルは心配ないものの、とにかく根が臆病わんこだからくだらないことで吠えて騒ぐ。

 キックボードやスケートボード、台車やキャリー類など、車輪やキャスターがついたものが怖い。変な音を立てるオートバイや大型のトラック、それと電車も同じである。
 それでも花火や雷にはいまのところ反応しないからホッとしている。シェラでさんざん苦労したから、このままむぎのように花火と雷に平気でいてほしい。シェラが花火や雷におびえるようになったのはちょうど3歳のころだったので油断はできない。

 特にキャンプへいくと、夏場は遠雷であれ雷の音を覚悟しなくてはならない。
 花火にしても、打ち上げ花火や音のでるものは禁止されているというのに幼稚な親たちがふえて、夜ともなるとおかまいなしにはじめる。あるいは、イベント用の本格的な花火が盛大に打ち上げられてしまうこともある。
 秋、農地の方角で鹿を追い払うための銃声を模した音がときおり鳴り響くのには往生したものだ。


■ クルマでの移動には欠かせないクレート
 スケートボードなどに吠えても、走り寄って攻撃をするわけではないが、とにかくそれらを止めようとするから危ないことおびただしい。近づけなければ暴れながら激しく吠えたてる。
 去年の春や夏のキャンプでは、場内でキックボードやらスケートボードで遊ぶ連中がいたし、幼い男の子がなぜかおもちゃのバギーをしつこく押してあっちこっちへ動いていたためそれに反応したルイに往生した。そんなとき、クレートに押し込んでグランドシートで覆ってやると静かになった。

 このクレートからしてルイをクルマに乗せるためにあつらえたものである。シェラやむぎたちは後部座席に座らせておけばおとなしく乗っていた。ところが、ルイは家人が途中で降りようとしたりすると激しく吠えるばかりが、あたりかまわず前の座席に噛みついて、せっかくの革張りのシートのあちこちに無惨な歯形を残してしまった。

 あまつさえ、クルマを降りた家人の去った方法へも吠えつき、リアシートと荷台を隔てたカーゴネットにまで噛みついて修復不可の状態にした。せっかくの新車だったのに、1年ちょっとで車内はすかり荒れてしまった。そこでしかたなく後部座席を倒してそこへクレートを設置したのである。


■ テントから脱出しようとする悪知恵
 9月のキャンプでは、サイトにいる時間の半分以上をクレートに押し込んでいたが、今回はほとんど入れずにすんだ。それだけ成長したからではなくて、スケボーなどで遊ぶ子供たちの挑発がなかったからである。
 このキャンプ場では、数年前まで、ほかの犬に攻撃をしかけるスタンダードのプードルを放し飼いにしてトラブルを起こす常連がいた。注意してもあらためずに放し飼いにしたままだったが、今年はそんなマナーの悪いキャンパーもいなかった。

 寝るときはクレートを使わず、寝室となるテントで一緒に寝る。なるべく家のときと同じ環境に近づけてストレスを軽くしてやろうと思うからである。ただ、キャンプ初期のころ、密封された空間に不安を感じたからなのか、どうやったらここから脱出できるかをたちまちおぼえてしまった。テントの開閉部にあるジッパーに鼻をねじ込んで開けてしまうのである。
 テントで寝るのに慣れたからだろうし、ジッパーの部分をデイパックで隠しているせいもあっていまでは勝手に脱出をしようという気は失せているらしい。

 今年の年越しキャンプは、元旦の夕方に予期せぬ雪にみまわれて初詣に出かけた先からキャンプ場への帰還ができなくなり、しかたなく、一度、東京・町田の自宅へ戻って翌朝にもう一度出かけなおすというハプニングに見舞われた。ぼくも疲れたが、クレートに長時間入っていたルイもさぞや疲れたことだろう。この顛末はあらためて記そうと思う。