愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

テントの中に泥足のままのルイがいた

2017-10-13 20:24:12 | ルイとの日々

■ テントのポールが怖いルイ
 9日の「体育の日」がらみの三連休を、今月もキャンプにいってきた。ぼくの唯一の趣味のキャンプなのだし、ルイはもう6年も親しんでいるに、子犬のころからどうしてもなじめないことがある。テント類を設営するとき、そして、撤収するときである。

 いちばん嫌いなのが、アルミのポール(柱)の動きらしい。次がテントの幕体である。テントの設営あるいは撤収がはじまると、突然、激しく吠え出す。むろん、リードはつけてあるが、ポールをかじり、幕体にも突っかかっていく。油断したために破かれてしまったテントだってあるくらいだ。やっぱりオスのわんこはきついなんていってられない。

 子犬のころは、こうした作業が見えない場所に連れていって繋いでおけば静かにしていた。だが、最近では、われわれが何をやっているかわかっているから見えようが見えまいが激しく吠えている。周囲にも迷惑だし、ルイ自身だってヘロヘロに吠え疲れてしまう。

 設営と撤収は、たいてい、クルマのすぐ脇でおこなう。クルマの中にはルイのケージが入っている。ここへ入れてしまえばしめたもので、たちまちおとなしくなる。すぐ横で設営作業をしようが、撤収のためにテント類をバラしてたたもうが「キャン」とも吠えない。先住犬のシェラやムギにはなかったルイだけの困った癖である。

 キャンプ場へ着いたときでもルイはシェラやムギのようには喜びを示さない。それよりも、まもなくはじまる設営作業に身がまえる。
その点、女の子たちはかわいかった。シェラは座っていたクルマの後部座席から下ろしてやるとすぐにサイトにゴロンして首をなすりつけて喜ぶ。そんな姿のシェラを見て、一緒に降りたムギも興奮し、吠えながらまわりを駆けまわる。どちらもが、「キャンプへ連れてきてもらってうれしい」といっているのが伝わってきたものだ。

ぼくが設営している間、女房が、うれしそうにしているふたりを連れ場内を散歩してくる。いつも顔が笑っていた。
 ルイもクルマからキャンプ道具を下ろすまでは下の写真のようにうれしそうなのだが、設営がはじまりそうになると表情が一変して全身で身がまえる。むろん、たちまち車内のケージ送りとなる。



■ キャンプをいちばん楽しんでくれたムギ
 もっとも、シェラやムギは、キャンプ場到着直後の散歩から帰ってきてからが厄介だった。テントの設営でぼくがもたついていると、シェラは、「早くテントを建ててよ」と吠えて催促する。早くテントに入りたいからだ。
シェラに急かされ、ようやく建てたばかりで最終的な位置さえ決めていないテントの中へシェラは強引に入り込んでしまう。
 おかげで設営中のテントを風で飛ばされる失態はしなくなったが、微妙な移動さえ大変である。「シェラちゃん、ちょっとどいてくれよ」と頼んでも決して出てこないでまったりしている。

 キャンプを楽しんでくれたという意味では、シェラ以上にムギは、ルイも含めた三頭の中で抜きん出ていた。いつもはシェラのかたわらから決して離れようとしないのに、キャンプだとテントの中のシェラを放って自立する。しかも、写真のように上(前)半身だけ外に出してずっと見張り番をしてくれた。しかも、いきいきとして。


 ムギ(のお尻)が見えないときは、呼べば慌ててテントに戻ってくる。たぶん、近くへおしっこにでもいっていたのだろう。そんな子だった。

 キャンプはムギにとってコーギーの本能を少しは満たしてくれる場だったのだろう。ふだんから、家でも玄関の扉の前で見張りをするので、ムギの定位置の壁には汚れが残っったままである。いまもムギがそこにいると信じて汚れを拭き取らず、そのままにしてあるからだ。同じコーギーのルイも玄関の前で見張りに立つがムギほどではない。

 キャンプだと、まるでムギが憑依したかと思える姿でテントから半身だけ出して見張りをやってくれるルイではあるが、ムギのように楽し気ではない。
 じつまらないのか。キャンプが嫌いなのかというと、そうでもないらしい。家でキャンプ支度がはじまると興奮している。だからやっぱりキャンプが好きなのかもしれない。よくわからない子である。

■ そこはオレが寝る場所だ!
 夜、テントの寝室の部分に潜り込むと、キャンプ慣れしたシェラやムギは下の写真のようにわれわれのシュラフにくるまって熟睡していた。むろん、シュラフを取り上げ、彼女たちのベッドに追い立てる。




 わんこたちのテントの中での寝る場所は一定ではなく、一晩中、動いているのがわかる。寒ければ、ムギは女房のシュラフに潜り込んで一緒に寝ている。シェラはたいてい、ぼくらの足元にいた。

 ルイはといえば、最近は一緒に寝るのががうれしくて、寝る前にテントの中でひと暴れするので往生する。さらに、油断をすると、夜中、テントから脱走してしまう。
 ぼくらが寝静まったころ、テントのファスナーを鼻先で開いて外へ出ていってしまうのである。去年から今年にかけての年越しキャンプでは、真夜中、いつの間にか脱走して隣のF家のテントに入り込もうとしていた。
 逃げ出すと走りまわって容易に捕まえられないので、まずは逃がさないようにしなくてはならない。テントの出入り口のファスナーの前に荷物を置いて開けられないようしておくわけだ。

 ルイは脱走癖があるから寝る直前にテントの中に入れることになる。ビニールのバケツに水を汲んできて雑巾を濡らし、ルイの足から身体を拭いてからテントの寝室に入れてやる。
 ところが、今回のキャンプでは、気がつくともうテントの中でルイが寝ていた。しかも、ぼくのシュラフの上で熟睡しているではないか。

 足も身体も拭いてないからマットやシュラフは砂だらけだった。むろん、ぼくはそこで寝たわけだ。ちょっと身体を動かすと足にルイが持ち込んだ砂や泥がまとわりついた。
 でも、朝までぼくに背中を密着させて寝ていたから、まあ、カンベンしてやろう。