この3日ばかり、朝も夕方もルイとの散で休憩のときに黒くて小さなたくさんの蚊に襲撃されている。
朝と夕方ではまったく別の場所にもかかわらずだ。朝は緑地の横で、夕方は草むらの近くである。
いつもそこで水分補給のために休憩しているのに、この夏、経験しなかったような数の蚊の攻撃に驚いた。
ぼくは露出している脚や腕に、ルイは鼻の周辺や耳を狙われた。
さいわい刺される前に気づいて、すぐにそこから離れているから刺されてはいなかったはずだった。
蚊の種類はわからないが、たぶんヤブ蚊というヤツだろう。
“秋の蚊はかゆい”と聞いたことがある。
経験的にも夏の終わりから秋にかけて蚊に刺されると、たしかにいつまでもかゆかった。
ぼくが少年のころ、犬は外で飼うのがあたりまえだった。
夏になると犬たちは鼻のまわり、耳、そしてお腹など毛が薄いところをめちゃくちゃ蚊に刺されていた。なんともかわいそうなかぎりである。
そんな犬のための“犬用ベープ”なんて商品も発売されていた。
蚊はワンコにとってはフィラリアを媒介するやっかいな存在である。
むろん、フィラリアの薬はシェラに飲ましているが、やっぱり蚊に刺されないにこしたことはない。
若いころ、地方を旅したとき、大きなヤブ蚊が足にたかってきて食事どころではなかった経験をした。
それも3日くらいで慣れてしまい、刺されてもかゆく感じなくなっていた。
蚊のほうも大きいだけで簡単に潰すことがきた。いなかでは蚊までのんびりしているのだと思ったものだった。
いま、ぼくが住むこのあたりもずいぶんいなかではあるが、蚊のやつらはなかなかすばしっこい。
ルイにたかる蚊だとルイを叩くわけにもいかず、ともかく、その場から逃げるしかない。
そんな蚊も秋の先駆けだったら、まあ、ガマンしてやりすごすしかないだろう。
しばらくは、ルイにたかってくる蚊を払いながらの散歩をつづけていくことになる。
ガマンするから早く涼しくなってくれ。