愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

お帰り、ムギ!

2010-01-27 22:36:19 | 日記
☆元気なムギ
 ムギが退院して1週間が経っているが……。

 退院の日――。
 名前を呼ばれて診察室に入ると、パラボラアンテナのようなエリザベスカラーをつけられたムギが先生に抱かれて出てきた。
「おや?」と思ったのは、いつものムギらしからぬ表情をしていたからだった。

 診察台に置かれと、すぐに家人へすり寄り、身体を預けようとして台の上から落ちそうになる。そんなムギを制し、何枚ものレントゲン写真を見ながら手術の様子と経過を聞く。
 カラーをつけているが、傷をさして気にする様子はないそうだ。しかも、食欲が減るでもなく、散歩へ連れて行くと走ろうとしたくらい元気だという。

 お腹には思ったより大きな6センチほどの縦の傷がある。12カ所縫われていた。
 抜糸は1週間から10日後だという。念のため、明日か明後日にもう一度連れてきてほしいとの説明だった。
 拍子抜けするくらい先生はクールだった。実際、そんなものだろう。クールにしてくれたほうがこちらも安心する。
 
 摘出した石も見せてくれた。大小10個あまりあった。このあと分析検査に出すという。
 ムギの場合、石ができやすい体質だろうから石の成分を調べ、今後、餌によって結石を防ぐ手立てを講じるのだとのことだった。
 それにしても、こんなにたくさんの石を膀胱に抱えて、さぞやつらかったろうと、もっと早く手術を決意してやらなかった不明をいまさらながら悔やんだ。

☆険しい顔
 術後、まったく平気でいたというような話を聞いて少し安心したが、診察台の上のムギをのぞきこむとやっぱり顔が険しい。
 手術が原因というよりも、入院で家を離れ、環境が変わってムギなりに緊張して過ごしたのだろう。
 相手が人間の大人ならだれにでもなつくし、ほかの犬に対してもきわめてフレンドリーな性格ではあるが、なんせ、根が臆病な子である。きっと、緊張の連続だったに違いない。

 エリザベスカラーを装着すると可愛いくてよく似合うだろうと思っていたが、ぜんぜん似合わない。ちっとも可愛く見えないのだ。

 食事と散歩のときは外してやってもかまわないが、傷を舐めたりしないようにふだんはカラーを装着しておくようにとの指示を受けた。だが、可愛く見えないどころか、むしろ痛々しく見えるので、クリニックを出るとさっさと外してしまった。

 クルマで家に向かいながら、適当な腹巻をさがすか、小さなTシャツを着せておこうと家人と話した。
 これから待っている苦労をまったく知らず、とりあえずムギが帰ってきた喜びが先行し、ぼくたちはまだのんびりしたものだった。

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ムギが帰ってくる!

2010-01-22 23:12:13 | 日記
  

☆想定外の電話
 昨日、ムギが帰ってきた。
 夕方、会社にいたぼくのケータイに病院から電話がかかってきた。
 早ければ金曜日、たぶん土曜あたりに退院の予定を知らせる電話が家のほうにかかってくるだろうと踏んでいただけに、想定したより早い電話に不安がよぎった。
 まして、ぼくの携帯電話の番号は、手術に先立ち「緊急用」に病院へ登録したものだ。

 一瞬、緊張する。ムギに異変が起こったのではないかと……。呼吸(いき)を止めて電話の向こうの次の言葉を待つ。
「ご自宅にお電話をしたのですが、奥様がお留守なのでこちらへかけさせていただきました。ムギちゃん、調子がいいので今日退院できますが……」
「え、退院ですか? 今日?」
 面喰ってぼくは訊き返した。
「はい。8時までにお迎えできますか?」

 家に戻り、クルマを出して……。チラッと時計を見て所要時間をとっさに計算する。
 すぐに会社を出れば間に合う。
「は、はい。大丈夫です。できるだけ早くうかがいますから」
 たたみかけるようにして答えた。

☆冷静なはずだったのに
 やりかけの仕事をUSBメモリーにバックアップしながら机の上を手早く整理し、手帳や携帯電話などこまごました私物は片っぱしからカバンに放り込む。今日中に目を通しておきたかった案件がいくつか残っているけど、まあ、明日でいいだろうと自分で妥協しながら……。
 
 バックアップの終わったパソコンの電源を切り、上着をはおってカバンに手をかけた。 スタッフの一人から「お出かけですか?」と訊かれた。
「いや、今日は急用ができたから帰るよ。もう5時半過ぎてるし……」
「え? お帰りになるのはかまいませんが、まだ5時前ですよ」

 1時間勘違いしていた。自分では冷静だと思っていたが、それだけ気もそぞろになっていたということだ。

 ちょっと体裁わるかった。


ムギがいない寂しさ

2010-01-20 22:46:28 | 日記
  

☆全滅の女たち
 あわただしい日々の連続だった。
 
 ムギの手術を一週間後に控えた先週の火曜日、家人が腰痛で夕方のわんこたちの散歩もままならなくなった。シェラは左のうしろ足を痛めてまだ多少引きずって歩いている状態だし、ムギは手術を待つ身。わが家の老女族は全滅となってしまった。

 皆、寄る年波には抗えないという証左だろう。結局、先週は、ぼくとせがれが交代で会社から定時で帰り、わんこたちの夕方の散歩をやった。

☆シェラの足
 シェラの足は相変わらずである。
 日曜日の健診で完治までに「時間がかかりますからね」とお医者さんから宣告されている。長期戦の覚悟はできている。たしかに一進一退の状態ではあるが、それでも薄皮がはがれるように回復しているようにぼくの目には見える。

 このまま治らず、ずっと左のうしろ足が不自由なまになってしまうかもしれないとの懸念がまったく消えたわけではない。年齢を考えればそれもしかたないが、なんとか回復してくれと祈るような思いで見守っている。

☆手術したムギ
 昨日、ムギが膀胱結石で予定どおり入院した。手術も無事にすみ、週末の退院まで一段落というところである。

 入院したのは火曜日の朝、ぼくが会社へ出るのを遅らせて連れていった。 
 午後1時半ごろに全身麻酔で一時間半ほどかけての手術であり、出血の様子次第ではあるが、3、4日で退院できるだろとのことだった。

 抜糸をはじめ、ほかの説明もいくつか受けたが正確にはほとんど記憶していない。まずは終日が無事にすむことだけしか頭になかった。
 
 当日の夕方に家人が電話をかけたら手術は無事にすみ、「ちょうど麻酔から覚めて目をぱちくりさせているところですよ」といわれたという。
 前の晩から食べものはおろか、水さえ止められて不憫だったが、手術がうまく終わってまずはひと安心した。
 
 午後6時から8時までが面会時間だが、顔を出すとかえってかわいそうなのでいかないつもりだ。
 以前、別の病院に入院したときは毎晩様子を見に行った。ぼくたちの顔を見ると、「ここから出して! 連れて帰って!」といわんばかりに激しく吠える姿が痛ましかった。

 貧血で血の気の引いた顔で激しく訴え続けるのである。早々に退散して病院の外に出たが、院内からますます激しく吠えるムギの声が聞こえつづけた。身を切られるような思いでクルマに乗り込んだものだ。

 前回と違い、今回は退院の予定がわかっている。なまじ里心を煽るのはかえって残酷である。

 家にいるべきムギがいないだけで寂しさもひとしおだ。早く帰ってきてほしいと切に思う。

  【写真=(上)入院当日、クリニックの前で。(下)入院の日の朝の散歩から帰って。】


初詣はわんこと一緒に

2010-01-11 20:13:50 | 日記
  

 正月を伊豆・大仁のキャンプ場で迎えるようになって8年ほどになる。初詣は、元旦の午後、伊豆高原に近い「神祇大社」へ出かけている。なぜ、神祇大社かというと、ここには「ペットのお守り」があるからだ。
 
 たしか、シェラが足を痛めて心配した年の年末から出かけることになって、初詣の神社をインターネットで探したら、ペット用のお守りを授けてもらえる神祇大社に行き着いた。
 記憶によると、たしか30日に現地入りし、31日に神祇大社の下見に出かけた。
 
 現場近くに着いてもさっぱりわからない。地元に人に聞いても要領を得ない始末。諦めかけてようやく行き着いてその立派さに驚いた。田舎の小さな神社を想像していたのに、目の前にそれは立派な神社が現れたからだ。

 むろん、わんこ連れで境内に入ってもおとがめはない。一緒に神前まで進んでお参りできる。
 おみくじを引き、巫女さんからの「おめでとうございます」のご挨拶をいただきながら甘酒をごちそうになり、お札を受ける。目立たないながら、「ペット用お守り」はちゃんと用意されている。
 
 シェラとムギのために、「今年も元気でお参りできました」とのお礼の気持ちをこめていただいてきた。ただ、今年はシェラが前日に足を痛めてしまったので駐車場のクルマの中。むぎだけを連れてお参りした。
 
 来年は、シェラとムギの両方を連れてお礼の初詣に出かけたいものである。

【写真=(上)神祇大社の初詣に並ぶ。(中)ペット用お守り。(下)ムギは抱かれて初詣。】


ムギの手術が決まった

2010-01-10 21:30:17 | 日記
  

 一週間ぶりにムギをクリニックに連れて行った。おっかなびっくりの一週間だった。
 膀胱(ぼうこう)結石の石を取るためのムギの手術は覚悟しているが、その手術ができるかどうか、問題は腎臓の数値次第だった。
 尿検査と血液検査、それが昨日、土曜日の朝のムギの検査である。
 
 手術は可能という結果が出た。
 安心するとともに、いよいよ痛い思いをさせなくてはならないとの思いにこちらの心が痛んだ。
 家に帰って家人と手術の時期を相談した。彼女がいま風邪気味だし、体調も思わしくないので、2月早々にしてほしいということだった。自分自身の寂しさもさることながら、ムギが入院してシェラの様子がおかしくなったら、それに対処するエネルギーがほしいという。
 
 そのあたりの経緯をぼくが参加しているウェーブ掲示板に書いた。
 たちまち長野の仲間から次のような反応があった。
 
   うちの子も一年前の今頃、やはり膀胱結石で手術しました。
   親指の爪位のが4つもあったそうです。
   さぞや痛かったことでしょう。
   ワンコは痛いのを我慢してしまうのでなおさら不憫です。
   早めの手術をお勧めします。
   わが家は検査の翌日に手術をしてもらいました。    

 これを読んですぐに考え直し、クリニックへ電話をした。
 いちばん早く手術が可能なのは来週19日(火)だという。即座に予約を入れた。
 長野の掲示板仲間に次のようにお礼の書き込みをした。

   **さん、ありがとう。
   ご忠告にしたがって、さっそくムギの手術を頼みました。
   来週の火曜日と決まりました。
   心配なのはシェラのこと。
   先日、検査で半日だけムギを預けたら元気がなくなって、
   すっかり老犬になってしまったからです。
   ムギが戻ってきたらたちまち元気なわんこになってくれましたけどね。
   シェラとムギが互いに支えあって生きているのがよくわかりました。
   またいろいろ教えてください。
   
 手術を待つこの一週間は、きっと辛い一週間になるだろう。来週はさらに辛い一週間になる。
 もし、ムギが痛みをがまんしているのなら、早く手術の日がきてほしい。
 切にそう思う。