☆楽しみなシェラの反応
いよいよ明日からコーギーのパピィがやってくる。
なにも知らないシェラ(上の写真は今朝のシェラ)は、われわれの愛情の独占状態にどっぷりひたっている。昨夜も夜中に引っ張り出されて、のんびりと散歩につきあわされた。
ともかくは元気だ。涼しさを追い風にして、当分、元気でいてくれそうでホッとする。
元気であるのはうれしいけど、どうも調子に乗りはじめているきらいが無きにしも非ずである。むぎに対して発揮してきた母性も必要なくなり、家族という群れの中で最下位の序列に甘んじて、もう序列を意識することなく、突然訪れた、はるか昔のようなチヤホヤの甘い環境にウハウハの二か月あまりを過ごしてきた。
明日、パピィがきたからといって、われわれのシェラへの愛情が半減するわけではないけれど、きっと、シェラはなんらかのショックは受けるだろう。われわれにしてみれば、むぎがくる以前の2歳、3歳のころのワガママわんこに戻っていないのが唯一の安心材料である。
シェラには気の毒ながら、パピィを迎えたシェラの反応に対して、ぼくも家人も不安半分、興味津々といったところだ。
☆ひとりでいる不安から
むぎを喪ってから、家人はシェラを家にひとりで置いておくことに、ぼくからみたら必要以上にナーバスになってきた。夕飯の買物に出かけるのさえ回数を減らしている。「考えすぎだ」というぼくの意見には耳を貸そうともしない。
家人の釈明によると、出かける仕度をしているだけで、それまで熟睡していたはずのシェラがのぞきにきて、そうとわかると玄関の前に仁王立ちになり、「置いていかれてなるものか!」とばかり身構えている。
ときには、家人の制止を無視して、素早く玄関から飛び出し、マンション内の移動に使っている台車付きの箱(クレート)に飛び込んで動こうとしなかったことも何度かあったという。
たしかに、聴覚の衰えが、ただでさえ弱虫な性格のシェラの不安をさらにかきたてる一助になっているのは想像に難くない。いままではむぎの「番犬の本能」がそれを補っていたのに、そのむぎがいなってしまった。
シェラをひとりにして外出から戻ると、玄関前の廊下でうずくまっているようになったという。以前はむぎが番犬をやっていた場所である。シェラの場合は番犬化したのではなくて、ひとりでいるのが不安なので家人の帰りを待ちわびているだけなのだが……。
☆やっぱりボスは……
ひとりになって緊張感がよみがえり、それがこのところのシェラの元気の源になっているのは間違いない。とすると、今度群れの仲間が増えることでどんな変化をしていくのだろう。ましてや、とりあえずは下位の序列のパピィである。
留守番をするときに、自分のみならずこのパピィも護らなくてはならないという自覚が生じるのだろうか。
イヌの本能とはいえ、それが老いたるシェラの負担にならぬように気をつけてやらなくてはならない。また、そう遠くない先々で、わんこ同士の序列をめぐって成長後のパピィとの静かなる(?)抗争が勃発するかもしれず、それがさらなる重い負担になるかもしれないので要注意である。
群れのボスたるぼくとしては、新たな課題を背負い込んでしまうけど、でもな、シェラよ、ぼくはいつでも老いたるきみの保護者だぜ――常にそんなメッセージをシェラに発信し、実践していくつもりである。