今日は先住コーギー犬であるむぎの命日だ。 スマホに登録してあるので知らせがきた。
10年前の今日、むぎが旅立ち、9日後にルイが生まれている。 さらにそれから2か月後、ルイはわが家の子になった。
同じウェルシュ・コーギー・ペンブロークでありながら、むぎとルイは実に対照的である。まず、身体の大きさが正反対だ。むぎは小さく、ルイは大きい。性格的には、女の子と男の子というちがいがかかわっているかもしれない。パピィ時代、ムギはひたすらおとなしかったが、ルイはヤンチャで悪さばかりしていた。元気でヤンチャなルイに迷惑をこうむったのは、16歳から17歳になったミックス犬のシェラだった。
ぼくたちに溺愛されいたシェラは、4歳のある日、突然、むぎを押しつけられた。だが、12年間、それは見事に母犬として生き抜いた。
2代目コーギーのルイも目の前のシェラを母犬にしようとした。だが、おとなしかったむぎと違ってルイは、高齢犬だったシェラの手に余った。
それでも、むぎの母犬であったように、シェラはルイも受け入れようとしていた。シェラが心を開くと、ルイはたちまち乱暴な遊びに引きずり込もうとする。そして、ぼくにこっぴどく叱られるのである。
ルイがシェラといっしょに暮らしたのは5か月ほどだったが、シェラを守るため、家にいるときはずっとサークルの中がルイの居場所だった。
むぎも当初はサークルのなかで寝起きしていたが、これはむしろ、万一に備え、むぎをシェラから守るための措置だった。もちろん、なんともばかばかしい杞憂に過ぎないとすぐに気づいた。
むぎは、生まれて2か月後に母犬から離されたものの、すぐにシェラという情の深い母犬を得て、死ぬまでずっとそのシェラに守られて生きてきた。なんという幸せな一生だっただろうと思う。
むぎの12歳の生涯は、長命とはいえないが、それから7か月後にシェラがガンで逝っている。あれほどシェラという母犬を頼って生きてきたのである。シェラより少し先に逝けてよかったと確信している。