愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

置き去りになんかできない

2009-11-28 20:06:35 | 日記
   

 夕方の渋滞を避けた抜け道で、たまたま通りかかったスーパーマーケットが、店名が変わり、店の様子もリニューアルしていたので、急遽、夕餉のための買いものをここでやろうと駐車場へ入った。
 
 家人が買物をしている間に、近所を散歩して店の正面へ出てみると、なんとわんこをつないでおくためのスペースがふたつ設置されていた。写真のようにフェンスで仕切られ、リードをつなぐためのフックが取り付けられている。
 
 ありがたい設備だが、フェンスでの仕切りはわんこたちにやさしいとはいえない。せめて隣が見えないようなボードにしてほしかった。あるいは、隣同士にしないで離れた場所に一か所ずつ設置するかのどちらかが望ましい。
 
 わが家のわんこたちは弱虫だから、買物のときなど、原則として置き去りにはしない。この写真はたまたま試しに使ってみたので写したに過ぎない。
 
 以前、親しくしていたコーギーが連れ去られたことがある。飼い主がコンビニで簡単な買物をしていた短時間にいなくなった。
 飼い主が貼り紙で探しはじめるとすぐに見つかった。コンビニの近所に住む小学生が連れ去り、親に隠していたという。目撃情報もあって短時間で見つかって幸いだった。
 
 やはり買い物中にいなくなったわんこがいた。飼い主が礼金つきの貼り紙をするとすぐに戻ってきた。うろついていたのを見つけたというが、どうも連れてきた男が礼金目当てで連れ去ったのではないかと近所では評判になっていた。

 そのあたりでわが家のわんこたちをクルマのリアシートに入れ、窓を開けて買物で離れた。夕暮れどき、クルマの中をうかがうひとりの男がいた。単にクルマの中のわんこたちを見ているだけかと思っていたら、ぼくが近づくと男があわててそこを離れた。

 礼金目当てに連れ去る者がいる――ようやく思い出しながら、足早に遠ざかっていく男の背中を見送った。
 
 一見強そうなシェラにいつも張り付いているムギだから、だれもうかつには手を出さないだろうが、それでも油断は禁物。
 なぜなら、シェラも実際には弱いからである。


ブラッシングでわかったこと

2009-11-24 23:06:59 | 日記

【写真=昨日、多摩センター・三越前にて】

☆シェラのためのブラシ
 「救われないムギ」(11月19日)のエントリーで、「ムギの身になにが起ころうとも、ムギに何かをやっているのがぼくであるかぎり、シェラは知らん顔でいる」といった趣旨のことを書いた。
 
 大きな間違いだった。
 たとえ主人たるぼくのやることであっても、ムギの身に深刻な危険が迫っていればシェラはムギを助けようとし、守ろうとする意志をもっていることを、昨日、如実に見せつけられた。

 このところ、シェラもムギも夏毛から冬毛への換毛期にあって抜け毛がひどい。どちらかというと長毛に属するシェラは夏毛が浮いて醜い。そのために新しいブラシを買ってきた。
 土台のラバーでステンレス製のピンにクッション性があってむりやり毛をそぎ取ることがない。ピンの尖端は丸くなっているので皮膚に当たっても感触はやさしい。
 使ってみると、これがシェラにはぴったりだった。シェラにしても、快適ではないまでも、さほど不快ではないらしいく、おとなしくブラッシングをさせてくれる。
 
 しかし、大量の抜け毛が床に落ちるので、家人に怒られる前にシェラを連れて浴室に入った。あとの始末が楽だからである。
 ブラシとの相性がよほどよかったのか、クシのときのようにシェラはいやがらない。おとなしく、なすがままだった。

 だが、シェラにとって浴室にはいい思い出などない。シャンプーされたり、夏が近づけば電気バリカンで毛を刈られたりとさんざんなめ目にあっている。5分もすると、吐息が荒くなってきて、ついには外へ出たいと扉を前足で引っかきはじめた。
 せっかくおとなしくブラッシングさせるブラシを見つけたのである。あまり長時間やって懲りさせては今後のためにもまずい。適当なところでシェラを浴室から解放した。

☆ムギをつかまえて
 扉を開けると廊下のほうで不安そうにしているムギがいた。さっそく捕まえて浴室に連れ込む。次は自分と予期し、覚悟していたのか、身体をかたくして逃げようともしない。ブラッシングをはじめてもカチカチのままだ。
 
 しかし、長くはつづかなかった。
 浴室のガラス戸に黒い影が映った。シェラがやってきたのである。
 ムギが声を上げたり、暴れたわけではない。それなのにシェラはやってきた。近づきたくもないはずの場所なのに……。
 
 そして、とうとうシェラが吠えた。前足でガラス戸を引っかく。あきらかにムギを助けにきたのだ。 
 すくんでいたムギがドアのほうへと動く。ガラス戸で隔てられているとはいえ、シェラの登場でムギはもう逃げ出すことしか頭にない。ブラッシングどころではなかった。
 ぼくは苦笑いしながらブラッシングなかばにしてムギを浴室から出してやった。
 
 浴室のまえからシェラもムギも消えた。
 片づけをしてリビングへ戻ると、ぼくは二度めの驚きに遭遇する。
 ソファーの陰のそこはシェラのお気に入りの場所。シェラはたいていこのまるで巣穴のような空間で寝ている。
 
 ムギはそこへ逃げ込んでいた。ふだんは決して近づかないのに……。
 しかも、シェラが入口に座り込んでムギをかばうかのようにこちらを向いていた。
 
 またひとつ、シェラ愛しくなった。



カフェへ行こう!

2009-11-23 11:13:46 | 日記
☆テラス席が好き
 シェラはカフェが大好きである。
 “カフェ・ドッグ”と呼んでいる。しかし、店の中へ入れるカフェはかぎられている。テラス席があれば、たいていの店がわんこも受け容れてくれる。だから、テラスを見つけると立ち止まり「休んでいかない?」という顔で振り返る。
 
 あるとき、静岡・富士宮にあるハーブガーデンのレストランで食事をしたとき、園内を散歩した。途中、レストランの予備のテーブルや椅子などを収納してある“倉庫”の前を通ったとき、たまたまそこにはテラスがあった。
 シェラは迷わずテラスに向かった。

 「シェラちゃん、そこは違うのよ」
 家人の呼びかけに、シェラは怪訝そうに振り向いた。
 もしかしたら、シーズンによってはそこがカフェに変わるのかもしれない。そんなたたずまいの風景だった。もしかしたら、シェラの直感のほうが正しかったのかもしれない。
 
☆わんこ用メニュー
 いく先々にテラス席を持った行きつけのカフェやレストラン、ケーキ屋、ファーストフード店がある。場所によっては複数の店が点在している。

 そのあたりを散歩すると、一軒ずつ入りたがる。
 シェラの言い分もわかる。さっきはアイスクリームだったけど、今度はチキンナゲットがあるじゃん――てな調子で……。
 
 ドッグカフェのように“わんこと入れる”ことを売りにしている店はなくても、テラス席なら“わんこもどうぞ”という店だとちゃんとわんこメニューも用意されていることが珍しくない。
 
 昨日でかけた東京・南町田にあるショッピング・アウトレットモール「グランベリーモール」の中にあるカフェレストラン「WIRED KITCHIN(ワイアードキッチン)」もそんなひとつのお店。
 わんこが入れるオープンテラス席はわんこが脱走しないようにちゃんとゲートがあって、わんこメニューも豊富。席に着くとすぐに、まずはわんこ用の水を持ってきてくれる。寒くなれば大型のストーブを置き、ひざ掛けを出してくれる。
 愛犬家にとってはありがたいお店である。
 
 ことあるごとにそんなわんこ歓迎の新しいお店を探している。



救われないムギ

2009-11-19 22:32:19 | 日記
☆換毛期の恐怖
 寒い朝だった。冬用の綿パンに昨日よりも厚手のフリースで朝の散歩に出た。寒いから、シェラもムギも元気である。
 
 このところ、わんこたちの抜け毛が激しい。冬の換毛期なのだろう。家の中を掃除しても追いつかない。すぐに毛が舞うと家人が嘆く。
 シェラもムギも夏毛が浮き気味なのがひと目でわかる。

 毎晩、ブラッシングをしてやるが、ぼくがブラシやコムを手にするまでもなく、シェラは気配を察して寝室に逃げ込んでしまう。ムギもあとに続く。

 寝室から強制的にシェラだけを連れ出しブラシをかける。ムギには見向きもしない。どうせすぐに飛び出してくるのがわかっている。

 ブラッシングも長い時間は無理だ。手早くすませてやらなくてはならない。まだ完全に夏毛が浮いていないから痛いらしい。
 シェラが「痛い!」と悲痛な声で叫ぶ。やめて……と。
 たちまちムギが飛んでくる。ママの一大事だからだ。

 ぼくに直接抗議をするわけではないけど、シェラのそばに寄り、甲高い声で吠え続ける。
 たいへんだ、たいへんだ……と。シェラも苛立ち、身体をよじって逃げようとする。ますますムギの吠える声が激しくなる。

☆どうぞお好きに
 シェラを放すと同時にムギを捉え、押さえつけてブラッシングをはじめる。
 こちらの抵抗は激しい。本気ではないがぼくの手に牙を立てようとする。カチカチと牙を鳴らして威嚇するのだ。
 運悪く牙に手が触れようものなら簡単に手の皮膚を破られる。
 過去に一度だけやられたことがある。驚いたのはムギのほうだった。「しまった!」とばかり渾身の力でぼくの腕をふりほどき、脱兎のごとく逃げ去った。

 同じようにブラッシングをされ、悲痛な声で「やめて……」というシェラにひきかえ、「ウォ、やめろ! 放せ!」と抗うムギ――同じわんこでもずいぶん違う。

 ただ、ムギが“ひどい目”にあっていてもシェラは涼しい顔をしている。外でほかの犬からムギが何かされそうになると身体を張って阻止するシェラだが、ぼくがやるぶんには、「どうぞ、お好きなように」という態度である。
 ムギもちょいと救われない。



どれだけ言葉が通じているのだろう

2009-11-10 22:31:40 | 日記
☆お得意の「ヨイショ!」
 昨夜、家に帰ると、シェラが飛び出してきたと思ったら、いやにしつこくまとわりつき、ぼくの顔をいつまでも舐めている。「お帰りなさいサービス」がやけに濃厚である。あまりしつこいのでムギのほうが火がついたように吠えつづけてやかましい。
 
 理由を家人から教わった。直前に家人に怒られ、「お父さんが帰ってきたら怒ってもらう」と告げてあったからだという。お父さんに怒られまいとしてサービスが濃くなったのかどうかはともかく、お母さんに怒られた反動でお父さんへの「ヨイショ!」が激しくなったのは理解できた。

 犬は人間の言葉をどこまで理解できているのだろう。以前読んだ本によると、50語くらいの単語がわかっているそうだ。
 50という数はともかく、かなりの言葉を聞き分けているのは納得できる。わが家のわんこたちも理解できていると思われる言葉は50を優に超える。さらに、「お母さん」と「ママ」が同じだというのもわかっている。
 「ヨイショしろ」というと、いそいそとぼくの口を舐めにくるけど、これは単に「キスしろ」と同義語と思っているだけだろう。 

 単純に単語がわかるだけではなく、飼主の会話から状況を把握できる能力もあなどれない。だから、わが家ではわんこたちに悟られてはまずい会話をするときには隠語やあらかじめ決めてある暗号めいた言葉を用いている。それでもときどきバレることがある。

☆洞察力の鋭さはさすがだ 
 言葉以上に、飼主の行動から次の状況を洞察する能力はかなりのものである。
 ぼくが休みの日は、前の晩からわかっているかどうかは知らないが、朝になってもまず起しにこない。たまにはずすこともあるが、「きょうは休み」と教えれば退散していく。
 
 こちらの意志がわかっているからといって必ずいうことをきくとはかぎらない。シェラのほうはたいていの指示に従うが、ムギが決して命令を守らなくなるときがある。
 クルマで移動中、駐車するのがわかると「下りたい」とばかり吠えはじめるのだ。家の駐車場に戻ったときは決して吠えない。外出先で駐車するためにクルマを停めると吠えはじめる。
 
 駐車スペースにバックなどしながらクルマを動かしている間ずっと吠えている。細かい操作に集中しているときだけに頭にきて「うるさい!」と怒鳴ってしまうがいっこうに吠えるのをやめない。
 このことを除けば、ムギはすべてにおいておとなしくて手のかからないわんこなのだが……。
 
 わんこたちがわれわれの言葉を理解しているからといって、こちらがわんこの意志をきちんと理解してやれているかいうとかなり危ない。
 わが家においては、お父さんよりもお母さんのほうがわんことの意志の疎通が図られているが、だからとって、これがわんこへの愛情の多寡の反映というわけではない――と、ぼくは頑なに信じている。