愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

まもなく迎える3歳でおとなしくなってくれるのだろうか?

2014-06-28 20:43:47 | ルイとの日々

■ ルイという悪童の存在
 来月の17日でルイが満3歳を迎える。
 かれこれ20年前、先住犬のシェラを飼ってまもなく、その落ち着きのない行動に辟易していたとき、休日の朝の散歩の公園で出逢った方から、飼っているわんこが、「3歳になったらとたんに落ち着いた」との話をうかがった。なるほど、脇には落ち着き払って控えている若いビーグルがいた。

 それじゃこのシェラも3歳になれば落ち着いてくれるだろうと期待して3歳を待った。だが、シェラは3歳をだいぶ過ぎても相変わらずだった。「やっぱり個体差があるんだろうね」と、いくぶん気落ちしながら家人と話していたが、そのシェラも気がつくといつのまにか落ち着いた子になっていた。4歳を迎えるまでもなく、そう、いつのまにか大人になったようなのである。

 幼さゆえの好奇心からだろうが、散歩中のシェラの落ち着きない行動はルイも同様である。むしろ、シェラ以上といってもいい。シェラは道ばたのそこかしこに残るにおいを嗅ぐことにかぎられていた。それでも右に左にと激しく動くので一刻たりとも気が抜けなかった。



■ ルイばかりかぼくにも変化が?
 ルイも同じではあるが、それに加えて上の写真のように電車を追いかけるは、大きな音を上げるトラック、オートバイも追いかけようとするし、スケートボード、キックボード、台車の車輪等に攻撃をしかける点ではシェラ以上に苦労してきた。シェラと決定的なちがいは家の中でも、何かいたずらすることはないかと探しまわり、こちらのちょっとの油断で玄関からは靴、バスルームからは洗面器、キッチンからはジャガイモをくわえてきて、「さあ、どうだ」という顔で追いかけてもらうのを待っている。何もくわえてくるものがないと、足下からスリッパをかっぱらっていっていってしまう。そんな悪童ぶりにほとほと手を焼いていた。

 3歳になって早く落ち着いてほしいとの願いはシェラの比ではなかった。「おまえはルイじゃなくてワルイだ!」と何度叱ってきたかわからない。だが、悪童ぶりのひどさとともに、いかにも幼稚な性格を思うと3歳で迎える成長のマイルポストは、まだだいぶ先であろと早々とあきらめていた矢先、ここへきてルイに変化があらわれた。落ち着く兆候が見えはじめたのである。

 顔つきも変わってきた。そう思って以前の写真と比較すると大人顔になってきたのが顕著である。そういえば、最近、ルイの写真をあまり写していない。飼い主であるぼくの気持ちにも変化が生まれているのかもしれない。


■ 未練が消えたわけではない
 変わってきたといっても劇的な変化ではない。1年前、いや、半年よりはだいぶ落ち着いてきたらしいという程度である。散歩のとき、写真のように路面に鼻をこすりつけるようにして歩き、突然、身をひるがえす動きはまだ以前のままである。音をたてて動くものへの攻撃にも変わりはない。ただ、家の中で、たとえば、はいてるスリッパを風のようにさらっていくようなまねが鳴りをひそめてきた。あとは、昼間も夜も寝ている時間がふえた。

 けっきょくは、「だいぶおとなしくなった」という程度なのだが、それでもぼくたちにはかなり違う。ただの兆候でしかなくてもどこかでほっとしている。ほっとしながら、心のどこかでもう少しやんちゃぶりを楽しませてほしいという未練があるのも否定できない。

 こちらの気を引こうとしてやっているルイのいたずらに翻弄されながら、いつもぼくたちは笑顔で追いかけまわしてきた。いたずら小僧のルイを心底かわいいと思ってしまう。それでいて成長も願っている。飼い主とはまことに勝手なものである。


おとなわんこへの道はゆるやかであれ!

2014-06-05 19:48:17 | ルイとの日々
■ 手間のかかるわんことのキャンプ
 ルイとふたりだけでキャンプへいってきた。
 そうはいっても、実際にはキャンプデビューしてまもない若いファミリーの自立キャンプの、ぼくのほうは見守り支援キャンプだからルイとの純粋なふたりキャンプではなかった。それでも、いつも一緒の女房がいないのでルイはいかにも心細そうである。もし、すぐ隣になじみのファミリーまでいなかったらルイはもっと不安だったろう。

 とはいえ、たった一泊のオーバーナイトキャンピングも、女房がいないルイとふたりだけのはじめてのキャンプであり、ぼくにはとても新鮮だった。きっと先々、思い出深いキャンプの記憶になってくれるだろう。
 すでに天国へと旅立ったシェラやむぎたちとはじゅうぶんすぎるほどキャンプに出かけてきた。旅に出るといってもわんこ連れだと泊まる場所がかぎられてしまう理由以上に、シェラが家族以外には神経質になってしまうので、ぼくたちも「犬連れで泊まれる宿」なんてものには見向きもしなかった。

 ぼくたちもシェラたちもまだ若かったころは、春夏秋冬、毎月キャンプに出かけた年もあった。
 それ以外にもシェラとは何度かふたりだけのキャンプを経験したが、むぎもまじえてのぼくと彼女たちとだけのキャンプは数えるほどしかいっていない。ぼく自身はソロでのキャンプには慣れているはずだったが、シェラやむぎが一緒だと思いのほか忙しくなるというのは、実際に経験してはじめて知った。シェラたちは手間のかかるような子ではなく、朝晩の餌やりと散歩くらいしかないはずなのに、こちらがトイレなど、ちょっとサイトを離れるときも連れていかなくてはならず、そんなやこんなで大変だった。


■ キャンプで豹変したむぎ
 ルイの場合もサイトに置き去りにするわけにはいかないだろうが、幸いクルマに乗るときはケージに入れて移動するため、いざとなればそのケージに入れおけばすむ。
 それにいまのところはシェラと違って花火の音におびえたり、サイトへ近づく他人へ必要以上の警戒を見せたりしないので気楽である。ただ、設営や撤収のとき、テントのポールに異常なまでの反応をして吠えたてるのだけがこのところの悩みだった。今回もそれは変わらず、しかたなくクルマの荷台のケージに閉じ込めておいた。

 キャンプのとき、シェラは設営中のテントの中にさっさと入り込んでマッタリして過ごしていた。ふだんはいつもシェラに張りついていたむぎが、キャンプのときばかりはシェラから離れて自立した。頭と上半身をテントの外へ出して見張りに徹してくれるのである。姿が見えないのであわてて呼ぶとすぐに戻ってくる。どうやら、テントのすぐ脇で番犬をやっていたらしい。

 たぶん、それが使役犬であるコーギーらしさだったのだろう。シェラという育ての母親から最後まで乳離れしないで逝ったむぎが唯一、自立心を見せてくれたのがキャンプのときだった。キャンプのときのむぎはふだんみせたことのない活発で生きいきとした表情を見せてぼくたちを喜ばせてくれた。


■ ゆっくり成長しような
 同じコーギーながら、ルイはキャンプでもむぎのような番犬らしい個性はまだ見せてくれない。むぎは1歳前の最初のキャンプで、いつの間にか近所のテントまで勝手に遊びにいき、「あら、むぎちゃん、きたの?」なんて声が隣のサイトから聞こえてきてむぎがいなくなったのにに気づいたくらいだった。きっと、DNAに刷り込まれたウェールズの牧場の疑似体験をキャンプのたびにしていたのだろう。

 ルイはといえば、テントのポールに吠えつくくらいしか能がなく、いまだコーギーらしさを見つけることができない。とはいえ、ぼくもルイにむぎと同じ個性を求めているわけではない。ルイはルイなりのコーギー犬でじゅうぶんだ。これからゆっくりと成長を遂げ、いずれは一人前のオス犬になってくれればそれでいいと思っている。

 昼間の下界は猛暑だったそうだが、すっかり冷えて寒い森の中、はじめてのふたりだけのテント中のルイは、ずっとぼくに張りついて寝ていた。やんちゃが過ぎるので早く3歳になり、成長して落ち着いてくれと願ってきたが、その3歳が目前に迫ると、「オクテでもいいからな。ゆっくり成長しろよ」とぼくは心の中で語りかけている。もう少しやんちゃなルイを楽しみたいと本気で思う。