☆家の中でオシッコを
先々週のはじめ、コーギーのムギが部屋の中でオシコをしてしまった。しかも、ぼくが見ている目の前で……。
これはヤバいと思った。原因は察しがつく。半年くらい前にもやはり同じようなことがあった。今回もたぶんぼうこう炎だろう。
ムギのソソウを始末をしているぼくを、ムギは廊下の先のほうからいくぶん目を細めて見ている。「しまった!」と思っているに違いない。
むろん、ぼくは怒らなかった。よほどがまんができなかったのだろう。体調が崩れていなければやるはずのないソソウだからだ。
こんなこともあろうかと、お医者さんからもらった薬が保管してあった。
ただ、すぐに飲ませたのでは、まるでオシッコの罰のようになってしうから、少し時間をおいてから与えた。
コーギーは足が短いのでどうしても尿道にばい菌が入りやすく、ぼうこう炎になりやすいと聞いたことがある。
以前ぼうこう炎になったとき、家の中でいつでもオシッコができるようにとトイレのトレーを買ってきてペットシーツを敷いてやった。シーツにオシッコのにおいもつけておいたが、そこでやったのは、たしか一度かぎりだった。そういうしつけができていないのだからしかたない。
やがて、トイレはわんこたちのベッドになってしまった。
☆ぼうこう炎は治ったけれど
薬の効果はてきめんだった。翌日はソソウがなかった。朝と夕方の散歩のときの排出だけではなく、寝る前の深夜も外へ連れて行ってオシッコをさせた。
3日目、うっかり薬を忘れてしまった。寝る前の散歩もサボってしまった。朝、起きてみると前回と同じ場所の新聞紙が濡れていた。ぼうこう炎の症状は、やっぱり薬で止まっていただけだった。
週末を迎えてクリニックへ行った。
ぼうこう炎もさることながら、アレルギーの症状もあった。
お腹がピンク色になっていて、しきりにうしろ足でお腹を引っかいている。その時点で、お腹の皮膚がピンク色になっている原因は不明だった。
薬をもらい、一週間後に尿検査をすることになった。毎日、ちゃんと薬を飲んだ成果があって二度とソソウはなかった。
しかし、お腹のピンク色は引かず、相変わらずかゆみがあるらしくしきりにうしろ足でお腹をひっかいていた。最初は、アレルギーとぼうこう炎になんらかの因果関係があるのかもしれないと疑ったが、どうやら別のようだった。
「もしかしたら、おやつのせいかしら……?」と家人が言い出した。最近、新しいおやつを与えているという。たぶん、それだろうとぼくが指摘すると、「でも、国産よ」と家人が反論した。きっと添加物が関係しているのだろうから国産も○国産も関係ない。
昨日の朝、クリニックの前でムギのオシッコを採り、検査をかねて診察を受けた。
尿検査の結果は問題なく、アレルギーのための薬に変わった。そして、当然、お医者さんから「おやつは禁止」と宣告された。「三週間はやめて様子を見ましょう」と……。
☆おやつをめぐるバトルが激化か
パニクったのは家人のほうだった。おやつはもうすっかり習慣化してしまっているから、やめたら大変なことになるとおびえた。
「食べることしか楽しみがないのに……」とわんこたちを甘やかして、二度の食事のほかにビスケットやら煮干しやらのおやつを与えてわんことたちを太らせてきた。
「そんなものはやさしさじゃないぞ。かわいかったらよけいなものを食わせるな。シェラやムギの寿命を縮めているだけだぞ」というぼくがいくらたしなめても、家人は頑として耳を貸さず、わんこたちにおやつを与え続けている。
最近ではおやつタイム以外にも、特にシェラから「おやつちょうだい! もっとちょうだい!」としじゅうねだられて辟易している。
とてもじゃないけど、おやつを中止することなんかできるはずがない。「おやつ! おやつ!」と吠え続けるシェラと家人の終わりなきバトルの激化が想像できる。
ぼくの制止を聞かず、甘やかしてきたためのツケである。
「ほ~ら、見たことか……」と、ぼくはひとりほくそ笑んでいる。
*写真(下)=1回分のおやつ。これを3~4回与えているという。
このほかにムギのアレルギーの原因かもしれないジャーキーが加わる。