近江商人のまやかしの巻
湖岸の静かな古い街並みをバイクで駆けているときに、
たくさんのバイクと会いました。
皆さんビワイチでしょうか。
こちらは寄り道中心のバイクなので、
何かあればすぐに立ち止まりますが、
集団で走っているバイクの中には
一本の紐のように一列になって
一糸乱れず走り去っていく集団もありました。
中にはディープリムのホイールも
少なからず交じっていたので、
本気のバイクライドでしょう。
でもdoironはへらへらと走ります。
こんなお店を見つけました。
ミリンダとはこれまた懐かしい飲み物です。
まさかないよなあと思いながら
扉に手をかけたら閉まっておりました。
よく見ると、マッサージの看板も上がっております。
古い看板で気をひかせておいて、
入ってきた客にマッサージを
食らわしてやろうという近江商人の陰謀かもしれません。
追いついてきたジダンと
しばらく並走しながら
そんな話をしていると、
湖岸に大きな石碑がありました。
doironは停車して文字を確認。
「浜野臨大潮 送水無尽蔵」
と刻まれています。
そしてその横には「揚水」という言葉もあります。
沖には何やら小型の海中プラントのようなものが・・・
「ははーん、あれが揚水設備で
琵琶湖沿岸に農業用水でも供給している
のに違いありません。
それをジダンにいうと
「でも海水を田畑にひいても・・・」と言われました。
ああ~、ジダンもランの伴走で頭がいっぱいな中、
この琵琶湖の大きさに目がくらみ
近江商人の陰謀に見事にハマってしまったのでありましょう。
バイクを止めて
「びわ湖は淡水ですから」
と告げ、目を覚まさせてあげました。
この日の琵琶湖は茶色く濁っていて、
こんなにも広大ですってウソウソ。
ここは宇曽川。
本当はきれいな色の水を湛えておりました。
このあたりから、風が強くなってきましたので
doironもウインドブレーカーを装着しました。
彦根の手前で静かな道は
再び県道25号と合流しますが、
さすがにサイクルラインというだけあって、
歩道は広く整備されているので、
ゆったりとバイクも走れます。
淡々と走る二人と離れて、
doironはあたりを探索しまくります。
当たり前ですが、
こんな巨大な淡水湖の周りでも
鯉のぼりは空を泳ぐんですねえ。
これまで何度も訪れていますが、
最近は琵琶湖周りに、
神社も結構あることに
あらためて気がつきました。
笠木と鳥木の反りが絶妙です。
そうそう、村の倉庫みたいな建物の周りに
若者が何人も集まっていたので、
途中でトイレを借りに寄ったお寺の住職に聞いてみたら、
ちょうどその翌日に祭りがあるので
その準備をしているとのことでした。
大きな太鼓を打ち鳴らしながら
近くの神社まで練り歩くそうです。
どんなところでも人が集まれば祭りもあって、
人々の暮らしがあるんですねえ。
そうこうしているうちに、
道は彦根の市街地へと入っていきます。
このあたりは道もカクカクと曲がりくねっていて、
県道25号は県道2号へと引き継がれていきます。
その道は交通量も多く、
たしか以前に来たときは
歩道のない区間もあったはず。
走る二人を待って、
「ここから先はしばらく歩道がないから注意して」
とアドバイスしました。
doironも気を付けて走らなければなりません。
ところが、なかったはずのところに
歩道ができていました。
せっかくアドバイスしたのに
うそつきになってしまいました。
近江商人の陰謀に違いありません。
竹生島への渡船場を過ぎた頃より、
そろそろお昼が近づいてきました。
スタートして2時間半。
約20キロほど進みました。
ペースとしてはほぼ予定通りです。
そろそろお腹が空いてきたという二人に、
この先にもう少し行けば
道の駅があるはずだからと、
励ましつつ先行したのですが、
なかなか道の駅がありません。
後方で走っている二人の
「まだかまだか」という
渦巻く不満の声が聞こえてきそうです。
うう、これもまた近江商人の陰謀なのか。
続く。