のどかな早春の景色が続きます。
といってもdoironが住む町とさほど変わりませんが・・。
とにかく田舎道をフンフン、テクテクと進んでいくわけです。
すると、こんな地蔵さんがありました。
二本松という名の地蔵尊ですが、
周りには樹は一本しかなく、
しかもそれは松ではありません。
松が枯れて植え替えたということなんでしょうが
何故松を植えなかったのか変な話ですねえ。
でもまあよしとしときましょう、
とエラそうに納得しつつ進んでいきます。
関西本線の見える橋を渡ったところで、
少し大仏線跡からずれてきていたので、
こんな農道に右折して強引に戻します。
あぜ道にはツクシが勢ぞろいです。
今まで見た中でも御坊の実家と1、2を争う最高密度の群落ですねえ。
そういえばツクシの絵も描いたっけ。
うねるあぜ道を進んでいきますと、
広い道路に出るところに道標が立っています。
むむ、道標が微妙に道路ではなく、
手前で右折できる山道の方を
指しているように思えます。
その道に曲がってみましょう。
しかしどうやらこれが間違いだったようで、
道はどんどん山の中に入っていきます。
道端には野井戸もありました。
ここに落ちたら、わが村に伝わるしきたりにのっとり、
名前を変えないといけません。
実際変えた人もいます。
ある意味恐怖の落とし穴ともいえるでしょう。
え~っと、話がローカルすぎました。
地図を見ながら話しもコースも修正をしましょう。
ここで約15分くらいをロスしてしまいましたが
なんとかコース上に戻ったような気がします。
こんな「地蔵ジャニ∞」の先で、
カーブミラーについている道標を発見してひと安心です。
この道の右手に見えている林が、
どうやらかつての大仏鉄道の軌道敷きのようです。
それは、ここに出て初めて分かりました。
その林の延長線上に、こんな橋台が現れたからです。
大仏鉄道の遺構のひとつ「観音寺橋台」です。
手前がそれで、奥に見えている鉄橋が
今も電車が走っている関西本線です。
お、電車の音が聞こえてきました。
少し間をおいて現れた景色がこれ。
あ、さすがにここでは大和路線ですね。
大阪環状線を走っている電車と同じペインティングです。
ていうか、環状線経由でここまでやってきます。
この橋台跡が、加茂の駅を出て、
初めて見る大仏鉄道線路に直接関係する遺構でした。
そこからかつての軌道沿いに歩いていくと
こんどは「観音寺小橋台」の遺構に到着です。
手前にあった橋台と兄と弟の関係です。
兄弟です。
橋台だけに・・・。
ここも間近に見たかったのですが、
厳重に閉じられていて近寄れませんでした。
付近は山に囲まれ、
竹林に吹く風がカラカラと音をたてて流れていく静かなところでした。
と、その時です。
どこか遠くの方で、蒸気機関車の
汽笛のような音が「ピィーーー」
と聞こえてきたような気がしました。
ん?もしかしたら、このあたりで並走している関西本線に、
デモンストレーションででもSLを走らせているのかな?
と思って耳を澄ましていると、
なんだかシュポシュポという蒸気音なのか
風の音なのかよくわからないけど聞こえてきます。
そして一瞬風の音もやんだな
と思ったその次の瞬間、
山の木々全体を震わせて
一陣の風がゴウと吹きました。
まるで天狗がカエデのうちわで起こした風のようでした。
野分きというやつでしょうか。
そして風はすぐに止み、
山に静寂が戻ってきました。
もうシュポシュポもピーーも聞こえず、
ただ竹林が風にカラカラ鳴っているだけでした。
あれは幻聴だったのでしょうか。
それとも幻の大仏鉄道が
doironを威嚇する、あるいは逆に歓迎する儀式だったのでしょうか。
ふと気がついたら、
道に敷かれたコンクリートが
線路のように二本線になって
山の中に続いていく景色が目の前にありましたとさ。
続く