男の私は、トイレに行くといった時、大便なのか小便なのかをはっきりと区別して、その目的に応じて便器のある場所を選択する。小便用の場所から大便用の場所に途中で移ることは滅多にない。それは当然のことのように感じていたし、今もそう思っている。女性も同じように区別しているもんだと思っていた。ところが、妻のトイレ介助をするようになって、ひょっとすると、これは男性だけの思い込みなのかも知れないという気もしてきて、最近自信がなくなった。
自宅では洋式便器で、大便の方は座って、小便の方は立って用を済ませていた。かつて現役の頃、上司のお宅を訪問して、酒を飲んだ時のことだ。私がトイレに立つと、上司はトイレまでついてきて、「うちは、座って小便をするようにしているので、そうしてくれ!」とちょっと済まなそうに、うつむき加減に言う。私は思わず、「軟弱ものめが、奥さんにそう躾けられたんだな!男たるもの座って小便するとは情けない!」と思った。しかし、自分でトイレ掃除をするようになると、確かに言う通りに、小便の飛沫が周りに飛び散っているのがつぶさに分かるのだ。今の小学生は大も小も座ってする子が増えているという。まあ、そういう時代になってきたということなのだろう。
そして、歳のせいか、立っているのが疲れるので、私も座って小便をすることも増えた。そうなってみると、小便のつもりでトイレに入ったのだが、座っているうちに、大部の出そうな気になって、一緒に大便まで済ませることも間々あることが分かってきた。女性は大便も小便も同じところで済ませる。そこには区別がない。だから、男ほど大便と小便のいずれかを決めることがないのかも知れないと思う。まあ、男の私には、その辺のことはとんと判らないところなのだ。女性の方にお尋ねしたい。その辺のことはどうなっているんのでしょうか???