集金先で。

３４年前に新築工事をさせていただいたお客様。一昨年ご主人を亡くされ、現在は８８歳になるＯ様お一人暮らしです。

昨年の年末アフターサービスでおじゃました際に玄関タイルが凍結でバリバリに割れていたんですね。Ｏ様も気になっていたらしいのですが、まぁ一人暮らしだし、どうしていいのかわからないし、そのままにしておいたのだそうです。

先日その補修工事が終わり、電話で集金日のお話しをしたときのこと。遠縁にあたるＯ様は小さい頃のぼくのことをよく知っていて、いつも『おさむちゃん』と呼んでくださる。

『あらおさむちゃん、しゅうきんにきてくれるの。たすかるわぁ。ゆっくりおはなしがしたいわぁ。』

で、ぼくもそのつもりで本日約束をしていた時間におじゃましたのですが、そんな時に限ってお友達が遊びに来てしまったらしい。Ｏ様としてはそのお友達に帰ってもらってぼくを上に案内したい様子であったが、どうもそーはいかない雰囲気。。。

『またゆっくり遊びに来るから・・・』耳が遠くなっているので大きめの声で言うと、

『ごめんなさいねぇ。。。ゆっくりおはなしがしたかったんだけど・・・ほんとにまたゆっくりきてねぇ。』

なんなんでしょう、お互い目がうるうるしちゃいましてね。

一度しぶしぶ受け取ったお釣りを、『これいいから、ほんとにいいから。。。』といって握らせてくださった。Ｏ様に向き直って、有り難く、押し戴いた。

ひとり暮らしは気楽だ、という人もいるけれど、そーかなぁ。

ぼくはやっぱりさびしく感じるよ。ひとりの夜はこわいよ。切なくて胸がキューンとなるよ。

出世も経済活動も子供の学校も大切。でも、人として家族として一番大切なことって、そーいうことじゃないと思う、、、なぁ。

ではまた。

おさむ