坂を登って松山櫨の持ち主であり、
櫨農家だった橋本家に立ち寄ることになりました。
玄関に出迎えたのは奥さんの方でした。
「(ご主人は)元気しよんなさるですか?」
中川社長が聞くと、
「ううん。もう年やけん。」と、
奥さんは少し悲しそうな笑顔で答えました。
「私が嫁にここ(橋本家)に来たとき、
大きなカゴがいくつもあって、
何やろか~って思っとった。
ほら、櫨の実の収穫の時に、
カゴを背負って木に登ると。
そりゃもう、トラックに何台分も。
たっくさんの櫨の実を採りよったとよ。」と
懐かしげに当時の様子を話してくれました。
奥さんによると、昔は他の場所にも
多くの松山櫨を植えていたそうですが、
その全てが宅地開発やレジャー施設のために
切り取られてしまったそうです。
また後継者がおらず、高齢となり
病気にかかったご主人は、
唯一残った櫨の木に登って採取することも
到底かないません。
私は振り向いて櫨の木を見上げました。
日が傾き、松山櫨に巻き付いたツタの葉に
その影を落としています。
もう何年も前から、櫨の実はちぎられていなかったのです。
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玄関に出迎えたのは奥さんの方でした。
「(ご主人は)元気しよんなさるですか?」
中川社長が聞くと、
「ううん。もう年やけん。」と、
奥さんは少し悲しそうな笑顔で答えました。
「私が嫁にここ(橋本家)に来たとき、
大きなカゴがいくつもあって、
何やろか~って思っとった。
ほら、櫨の実の収穫の時に、
カゴを背負って木に登ると。
そりゃもう、トラックに何台分も。
たっくさんの櫨の実を採りよったとよ。」と
懐かしげに当時の様子を話してくれました。
奥さんによると、昔は他の場所にも
多くの松山櫨を植えていたそうですが、
その全てが宅地開発やレジャー施設のために
切り取られてしまったそうです。
また後継者がおらず、高齢となり
病気にかかったご主人は、
唯一残った櫨の木に登って採取することも
到底かないません。
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