松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

ちぎられてない櫨の実を

2010-03-10 23:51:29 | 復活奮闘日記
年々、櫨の実が不足してきたと以前のエントリで書きました。

櫨の産業をサイクルであらわすと、
櫨を植える→櫨を育てる→櫨の実をちぎる→実から櫨蝋を作る→櫨蝋からろうそくを作る→商品販売・流通→消費者が買う

こんな感じ。
櫨の実不足ということは、櫨のサイクルの入り口付近でおこった問題です。
今まで櫨を使った商品開発や販売、すなわち櫨のサイクルの出口付近の活動に専念してきた私ですが、櫨蝋がなくなってしまってはサイクルが動かなくなることは目に見えています。

ここは臨機応変に対応しなくちゃ。

とりあえず、今できることといえば、ちぎられてない櫨の実を回収することから始めた方がよさそうです。

そんな櫨がたくさんある場所といえば…あるある!

甘木から秋月にかけての小石原川沿いの道。断続的に櫨が植えてあります。あの櫨はわりと最近植栽されたもの。実がびっしりとなっているのにちぎられていません。

アレをちぎってもらおう!

…そんなわけでさっそく朝倉市役所のTさんに電話して地元の振興会や公民館に連絡してもらいました。

が、櫨の実をちぎってくださいと言っても、なかなかそうカンタンにはいきません。返事をもらえぬまま日々は過ぎていきます。私はもう一度朝倉市のTさんに電話しました。

「やはり、櫨の実ちぎりをされる方はいませんか?」
「う~ん。誰もちぎったことないし、なかなか…。」重い返事でした。

電話の向こうから櫨の実ちぎりは非常に危険でプロでしかできない事で、しかも櫨マケするかもしれないから恐れられてる気配が伝わってきました。

「じゃあ、私がちぎりましょう。ちぎってもいいですか。」
「えっ、そうですか。それはかまわないと思いますよ。では先方に…。」

なんだ、私が最初からやるといえば良かった。

私がやると言い出すと、なぜだかトントン拍子に話は進んで地元の方との協議も無事に終わり、日程も決まりました。もう三月に入ってしまったので、時期的には少々遅いんですが、ともかくやらないよりはマシです。

今までちぎられてなかった櫨の実をちぎろう!

決行は3月13日土曜10時から。
甘木から秋月にかけての小石原川沿いの櫨の実をちぎります。

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飯塚で櫨キャンドル作り報告

2010-03-09 23:12:57 | 復活奮闘日記
飯塚の湖畔にある森の別荘でアロマセラピストらによる女性グループが「春まち企画」を開催したとお便りがありました。

その中で「櫨キャンドル手作りキット」を作るプログラムを実施してくれたんです。


飯塚の森にもこうして櫨の実が残ってるみたいです。


櫨キャンドルを作っていただいてる様子


出来上がった櫨キャンドル!ステキですね。櫨キャンドル手作りキットを使えば、お好きな容器に櫨蝋を流し込んで楽しむことができます。


ヨガの様子。身体を伸ばして気持ち良さそうです。

森とアロマとヨガと櫨キャンドル。素敵な一日になったとのご報告がありました。この様子はこちらのブログでも紹介されています。

櫨キャンドル手作りキットはもうすぐ福岡よかもん市場でお目見えする予定です。しばしお待ちを1

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小鼓の調べ 能楽の話し

2010-03-08 23:36:49 | 復活奮闘日記
3月8日、八女市の町家カフェ「しおや」で行われた「小鼓の調べ、能楽の話し」に行ってきました。

題材は「海士 ーあまー」。小鼓演奏と話をしてくれたのは大倉流小鼓方・重要無形文化財総合指定保持者・久田舜一郎氏です。

演奏中、15号の和ろうそく2本を灯してもらうことになり、年代物の燭台が使われました。

今回は楽譜を見ながらのお話と演奏で、観客もまた楽譜を時折見ている方が多く、白熱灯の電気を消すわけにもいかず、残念ながら本当の和ろうそくの炎はあまり目立たずに燃えていました。

とはいえ、小鼓の調べによって炎が揺らめいていく姿は美しくて、しばし能楽の世界に浸ることができました。

「海士」は奈良時代の大臣藤原房前の誕生にまつわる物語です。房前は藤原鎌足の子である藤原不比等の二男で実在の人物ですが、この話は海が舞台ですから竜とか竜宮城がフツーに登場する幻想的な大人のファンタジーになってます。

最初は小鼓の演奏と話だけで、眠らずに聞けるかなと思ってたら、物語があまりに素晴らしく、小鼓の響く音に引きこまれてあっというまの2時間でした。


終了後は気さくな久田氏から小鼓を触らせて体験させて頂いたりして、楽しい時間を過ごすことができました。しかし!小鼓って見た目は叩いてるだけで簡単そうに見えますが、どっこい非常にムズかしいんですよ。叩き方によって音の高低も表現できたりするので、奥の深い打楽器だと思いました。

楽譜の問題さえクリアできたら、ぜひとも和ろうそくの灯りのみで演奏を聴きたいものです。

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山口・和蝋燭の世界2010

2010-03-07 23:36:42 | 販売奮闘日記
3月6日は山口・瑠璃光寺の「和蝋燭の世界」に行ってきました。

毎年恒例の花柳寿寛氏による和蝋燭のみの創作舞踊公演です。夜は冷えてましたが、ふと五重塔を見るときれいにライトアップされて、なかなかの雰囲気。

私は瑠璃光寺の山門に設置された受付横のテーブルに商品を並べてました。


上演中は寺の境内は暗くしてあるんですが、暗闇の中へわざわざ男女のカップルが何組も徘徊してきたのにびっくりしました。
…ここってひょっとしてデートスポットだったのかな。

それはともかく、今年の寿寛さんのトリの演目には、なんと山頭火の文字がありました。あの種田山頭火の世界をどのように表現するのか私も興味しんしん。途中から少し覗かせていただきました。

揺らめく和蝋燭の灯りのもとで、いかにも「しぐれて」歩いてくる山頭火の佇まいを見て、さすがは寿寛さん!とうなってしまいました。一瞬で山頭火を思わせる動きです。短い俳句の言葉とともに鮮烈な印象を残した演目でした。

翌日の朝、もう一度五重塔を見にいきました。梅が満開です。


4月の桜に囲まれた五重塔もきれいでしょうね。

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FUKUOKA NOWに掲載されました!

2010-03-05 21:52:19 | 販売奮闘日記
福岡に住む外国人向けのフリーペーパー「FUKUOKA NOW」に当委員会の商品「櫨蝋のワックス」が掲載されました!

一番最後のページです。


今回のページはValue of Fukuoka Japanで販売している商品の中で三つの商品を編集部がピックアップして紹介するという記事広告で、幸運にもその三つの商品に選んでいただきました。

数ある商品の中で、櫨蝋のワックスが外国人の方の目に留まるとはちょっと意外でしたが、素材として珍しかったようです。

ワックスはいろんなものに使えるというのが割と評判良くて、身近なところでは革製品や革靴に使っている方も多いし、白木のカウンターやテーブルに良いとか、足のカカトのガサガサ用にとクリーム代わりに愛用している方もいます。

もちろん弓具店にも弓矢の手入れ用に置いてありますよ!

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見えない資産の把握・活用セミナー

2010-03-03 23:55:56 | 販売奮闘日記
3日は見えない資産の把握・活用セミナー「ネットショップ成功の秘策」と題して、ネットショップ成功者の講演を聞きに中小企業振興センターへ行ってきました。

お話は京都の「おぶぶ茶苑」さんと、私が半年間通ったネットショップ活用講座で一番飛び抜けた売り上げをしている魔法のバースデーケーキさん。

いやあすごかったです。おぶぶ茶苑さんは独自の茶畑オーナー制度を徹底的に活用してネット通販で売り上げていますし、魔法のバースデーケーキさんもオーダーメイドのケーキを作って破竹の勢いです。

ネットで大活躍しているお二人に共通しているのは、濃密できめ細やかな顧客関係って感じがしました。

「お茶」「ケーキ」どちらもどこにでも競合商品があふれているありふれたものです。ところが売り方によってものすごく個性のあふれた商品とお店になるんです。

商品というよりも、むしろ客との対応の方が力が入っているとすら言ってもいいほどです。

ネットでもリアルでも、商売の基本は同じなんだなぁと実感しました。いろいろと勉強になりました。

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櫨の実不足

2010-03-01 23:43:39 | 復活奮闘日記
櫨の実が不足しているそうです。

委員会の活動を始めた当初、つまり三年前になりますが、荒木製蝋の社長は「今は需要が少なくなっているが、供給も少ないのでバランスは悪くない。櫨の実はほんの少し足りない程度。」といったコメントでした。

しかし一年ごとに「櫨の実が少し足りなくなってきた」という言葉にちょっとずつ危機感が表れてきて、今年はさらに「櫨の実が非常に足りなくなっている」と、かなり逼迫したものになりました。

先月の初め、関西方面の和ろうそく職人の所に訪問して話を伺ってきたばかりの私としては、実の不足というのはかなりリアルな問題として受け止めています。

和ろうそく職人の意見は共通しています。
「原料である櫨の実をきちんと供給してくれるかどうか非常に気になるが、どうしようもない。」

製品をきちんと供給できないというのは商売上大変な問題です。現に櫨の実不足というのは過去にもありました。

平成3年に大噴火した島原・普賢岳事件です。

あの火砕流と堆積した火山灰による土石流は島原の水無川と千本木地区に大きな被害をもたらしました。

千本木地区はほとんどが櫨の林。櫨蝋の中でも主力品種である「昭和福櫨」の原木のあった場所も千本木地区で、火砕流によって原木も消失してしまいました。

あの時、報道関係者16名を含む死者行方不明者43名負傷者9名の中で、土石流が押しつぶした林が一体なんだったかなんて、一般人は誰も気に留めなかったのかもしれませんが、ともかく櫨の業界にとっては大打撃でした。

櫨の実は高騰し、一気に実の供給不足がおこりました。

で、それが何を引き起こしたか?

代替物です。人は欠けているものに対し、いつまでも悲しんでばかりはいられません。代替物でスキマを埋めようとします。海外に植物蝋を求めたり、カイガラムシの一種・イボタロウムシまで手をつけたりする同業者もいたりして、どうにかその時期をしのごうとしました。

ところが一時的に高騰した櫨の実の金額は、安い代替物に流れを変えるきっかけともなり、その後次第に金額が落ち着いてきても櫨蝋の需要は増えなくなります。

もともと衰退化していた櫨蝋業はますます悪循環化。現在ではマトモに工場を稼働させているのは、みやま市の荒木製蝋だけになってしまっています。

その荒木社長が今、「櫨の実が非常に足りなくて困っている」と言っています。

私にできること。櫨蝋で何か商品開発したり、販売したりして櫨の復興に力を尽くすこと。

でも櫨の実が足りなかったら?

今まで誰かが櫨の実を収穫してくれるだろうと、なんとなく根拠もなしに深く考えたこともありませんでした。

でも櫨の実が足りなくなったら?

所詮、他人事と知らんふりしていいんだろうか?櫨の応援隊なのに?

この逼迫した状態、来年になったら解消するとも思えません。一つの伝統産業の終焉を、のんびり待ってもいられないでしょう。本当に櫨の商品開発・販売だけやってていいんだろうか。

櫨の実不足を前に、私は活動の見直しを求められているような気がしました。

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