
すべてが記憶で支えられているのに 暖かい気候となって 陽射しも少々暑めともなり ぼ~ッとなって眩し気に空を見上げると 焦点も定まらず 過去の記憶が静かに飛んでいくような…そんな感じの目の前の風景。
ちょうど御山の上を離れ雲がゆっくり通過中。「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心」は啄木の歌。
…だが 将来への野望や不安も気にならなくなった歳で 空に吸われる純な気分は微塵もなく…ただただボンヤリと綿菓子状の雲の動きに見とれている。まぁ これも 歳を取ったものにしか見れない風景かもしれないナ…と思うと…得をした感じもする。
ふと この風景には 静かで厳かなクラシック音楽であろう!と思ったが ついに頭の中には 一曲も浮かんでこなかった。
残念!こちらの一瞬の「無」は 暑すぎて記憶がすっかり飛んでいたのであった。
(-_-;)
「春の雲ほうつと白く過去遠く:富安風生」