25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

深夜食堂

2017年09月12日 | 映画

深夜食堂」のような市井の一人間を上からでもなく下からでもなく、同じ立ち位置で人ならだれでももっているような思いや、ちょっとした出来事、深刻な出来事などから人のこころの機微を表しているTVドラマは珍しい。

 奇抜なストーリーやファンタジーで染まるNHKや民放のドラマであるが、7年前からひっそりと始まったこの30分ドラマはついにシリーズ四までDVDで発売することになった。ついでに映画が二作できてしまった。

 その深夜食堂の名前は「めしや」という。夜中の12時から朝の7時までの営業時間。酒は2本まで。材料があれば作って欲しい料理があれば作ってくれる。オムライスに思い出がある人がいる。ハムカツに幼い頃の弟のことを思い出す人がいる。卵焼きとソーセージが好きな男がいる。

 人にはそれぞれの思いがあり、人生がある。それも時にわき役陣がユーモアで、時にしんみりとなって一回、一回の主人公の顛末を描くのである。作者の安倍夜郎とはどんな人か知らないが、庶民のこころの有り様を探っている。韓国でもリメイク版がでていている。

 やはり、「あいよ」というマスターの小林薫の存在が大きいように思える。繁華街街の路地裏にひっそりと佇む「めしや」と「客たち」。なにか昔よく言った「いろは」を思いだすなあ。

 じわじわと人気が広がっているのだろう。