エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

縄文からの谺・・・葬る

2010年10月29日 | ポエム
前に「日本のカッパドキア」として紹介した場所である。
吉見百穴(よしみひゃくあな)は墓穴としての評価が定着したと言える。



だがしかし、ぼくは土蜘蛛人(コロボックル)の住居跡であって、後世縄文人が住まいとした説を信じたいのである。
もちろん、学問的ではなく「ロマン」としてである。



トントンとノックしたくなるではないか。
この一帯にはこうした穴の穿かれた丘陵が点在しているのである。





        葬る


      ぼくは精霊とともに生きた
      精霊は容赦なく
      ぼくたちの村を襲い
      父を奪い
      母を奪った

      淘汰を忘れたぼくたちへの
      仕打ちであるのかもしれないのだが
      ぼくは怒りをもって
      精霊と山と
      森羅万象とともに生きた

      精霊は
      ときに女を奪い
      男を殺(しい)した
      若者は拉致され
      苦役に投入された

      ぼくは精霊とともに
      眺めた

      時代が進み
      やがて
      ぼくは精霊を羽衣にして
      散華した

      ぼくは
      その時代
      ここに葬られた






誰でも良いから、ここをノックしてくれないか。
ぼくはそれを何億光年も待ち続けているのである。






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                     荒野人