「主は、あなたと一緒にイスラエルをペリシテ人の手に渡される。明日、あなたもあなたの息子たちも、私と一緒になるだろう。主は、イスラエルの陣営をペリシテ人の手に渡されるのだ。」(Ⅰサムエル28:19新改訳)
ダビデを国外に追い払ったサウルは、安心してよかったはずだが、皮肉にも自分たちの最後を迎えることになった。ペリシテ人が一大決戦をしかけて来たので、戦わざるを得なくなったのである。▼不思議なことに、ダビデがいなくなったイスラエルには信仰と勇気もなくなり、あるのは恐怖心だけになった。うろたえたサウルは神のお答えを求めたが、あるのは暗黒と沈黙だけ・・・。最後の手段として霊媒(れいばい)をする女に尋ねた(7)ところ、サムエルが現れて、サウル一家の全滅を告げたのであった。▼サウルの生涯は私たちに多くを教えるが、中心は何といっても、「見よ。聞き従うことは、いけにえにまさり、耳を傾けることは、雄羊の脂肪にまさる」(Ⅰサムエル15:22同)であろう。主のお声に聞き従うことがすべてなのである。サムエルの言葉を聞いて恐怖におびえ、気を失ったサウルの姿はあわれそのものであった。