しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <アブネルの死>

2025-01-30 | Ⅱサムエル記
「アブネルはイシュ・ボシェテのことばを聞くと、激しく怒って言った。『この私がユダの犬のかしらだとでも言うのか。今日、私はあなたの父サウルの家と、その兄弟と友人たちに真実を尽くして、あなたをダビデの手に渡さないでいる。それなのに今日、あなたは、あの女のことで私をとがめるのか。』」(Ⅱサムエル3:8新改訳)

アブネルは優(すぐ)れた武人(ぶじん)だったが、敬虔(けいけん)な信仰はなく、亡き主君サウルの側女(そばめ)と不倫(ふりん)の罪を犯し、それを息子イシュ・ボシェテにとがめられると激昂(げきこう)した。あなたは誰のおかげでサウルの後継者(こうけいしゃ)としてとどまっていられるのか、というわけである。▼アブネルはこの傲慢(ごうまん)さのゆえに、やがていのちを失った。すなわち、ダビデの家来ヨアブに暗殺されたのである(27)。ただし、ヨアブは私恨(しこん)からアブネルを討(う)ったので、それはそれで神の前に大きな罪であった。どんなに大きな力を持った武将(ぶしょう)でも、神を恐れず自らの力を誇り、欲望のまま行動すれば最後は墓穴(ぼけつ)を掘る。アブネルもヨアブ(→Ⅰ列王記2:28~34)もダビデの下にいながら、みじめな死をとげた。