浮世でランチ 山崎 ナオコーラ 河出書房新社 このアイテムの詳細を見る |
山崎ナオコーラ 著 : 浮世でランチ
を、読みました。
中学生のころの視点、25歳のOLになってからの視点。
主人公の視点が、2つの時を行き来しながら、
人の世の成り立ちを、受け入れてゆく物語。
主人公はとても変わった女の子で、女子特有の
べったりとした人間関係を蔑視していて、
それは25歳の大人になっても、変わることのないスタンスでした。
仕事を淡々とこなし、ルーティーンワークに身をすり減らし
一人黙々と日々をこなしていた、OL生活でも
いつもランチは、公園で一人でした。
中学時代の交友関係と、会社をやめてアジアを旅する中で
感じる様々な感情が、いつしか主人公丸山を結びつけ
ほんの少し薄い衣を脱皮したような、成長を感じます。
「信ずれば夢はかなう!」とか、「あなたはあなた。それでいい。」的な
自尊意識を高めようとする風潮は、とても勇気をくれるし
素晴らしいと思うのだけど、でも現実はいろんな人、沢山の他人と
折り合いをつけて、クネクネと曲がりながらでなくちゃ進めない。
そんな事って、感じませんか??
どっちの精神も大切にして、上手にストレスフリーで生きてゆく。
それがなかなかできずに、悩んじゃうんですよね。
浮世でランチも楽じゃない。とかくこの世は生きにくい。
私にはそう読めました。