Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

ひとり日和

2009年11月25日 12時51分44秒 | ベリーの感想文(本・映画)
ひとり日和
青山 七恵
河出書房新社

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天気        気温が急上昇18度

青山七恵 著 : ひとり日和
を、読みました。


気ままなフリーターの20歳の知寿は、母の一年の中国留学の為
遠い親せきのおばあさん、吟子さんの家にお世話になることになりました。
吟子さんの家は、小さな平屋で生垣の向こうは駅のホームです。
知寿が与えられた部屋の桟には、ぐるりと猫の写真が飾ってあり
家には2匹の猫がいます。
立ち入りすぎない、一定の距離感を保った二人の暮らしは、
まるで干渉しあわない、猫のようです。
吟子さんの恋人、知寿の失恋。二人の共同生活の一年を
知寿の目線から描いた、07’芥川賞受賞作。


素晴らしい作品でした!!
じつは私、老婆にあこがれているんです。
もう、美醜なんかとは、かなり遠いところで生きている感じの。
人生を、もうすっかりわかってしまって、泣きもわめきもせずに
にっこり笑ったり、とぼけたりしながら、
少しずつ終わりに向かっているような。
だから、全然邪魔にならないんだけど、きちんと存在感があって、
かわいらしい感じの。そんな達観した老婆になれるように
今一生懸命に、生きている感じなんです。
そんな理想の老婆像がここに描かれていました。


ひっそりと終わりに向かっている吟子さんから
若い知寿は、いろんなことを感じとって、旅立ってゆきます。
若い知寿だけではなく、きっと誰しも弱々しい老人になるまで
挑戦や、奮闘は続いてゆくのでしょう。
それらは、一つの旅立ちなのかもしれないな。と、思いました。