昨日、ある介護施設で、ひとりの入居者が数人の施設職員から、虐待と疑われる行為を受けていた、というニュースをみました。
虐待と思しき現場の動画も放送され、私にも、それはあきらかな虐待だと感じられる職員達の行為。
人道とか道徳とか、そういったこと以外に、一番不安に苛まれるのは、もし自分の親がそんな施設に入ってしまったらどうしよう。
そんな思いで、ニュースをみていました。
もしも親が介護施設に入ったら
個人的に、母は施設での生活ができない性格だと感じています。
たまにブログにも書きますが、母は偏食が酷くて、自分が食べたくないモノには、一切箸をつけないし、好きなメニューであっても、一口食べて好みの味付けになっていないと、一口だけ口をつけたままの状態で、あとは残してしまいます。
また、気分が乗らないときも、一口二口だけ食べて、あとは残します。
そういう時に、母に残すのかと尋ねると、必ず「あとで食べるからラップをしておいて」と言いますが、次に残りを食べるのは、それから数時間後です。
病院に入院していた時は、毎日決まった時間に3食運ばれてきますが、母は我が家にいる感覚で、出された食事を残し、あとで食べると言って、看護師や看護補助員の方を困らせていただろう、ということは想像に難くないです。
また、長年ずっと夜型の生活を続け、改善する努力もしてこなかった結果、病院での規則正しい生活が合いませんでした。
とにかく、昼間はほとんど寝ていますし、眠りが浅いと体調も機嫌も悪くなります。
そして、夜には目がさえて、家では一晩中テレビを見ているし、病院ではどんな夜の過ごし方をしたのだろうと想像すると、夜勤の看護師に迷惑をけていただろうな、と。
そんな感じなので、母が今の状態のまま施設に入るような状況になったら、施設側から、面倒で厄介な入所者だと思われる可能性が、非常に高いです。
もし、施設の職員が全員、仏様のように優しい人ばかりであれば、何とか生活できるのかもしれませんが、それは非常に難しいでしょうね。
お世話になる職員との相性が悪く、その上に食事や生活リズムがでたらめな母と上手く付き合うとなると、もしかしたら虐待まではいかなくとも、冷たくあしらわれでもしたら、母もストレスを抱えて施設で過ごすことになるかもしれません。
人生の最後数年、ストレスを我慢しながら過ごすのは、本人にとっても辛いでしょうし、お世話をする職員の方たちも、できることなら心穏やかに仕事をしたいはずですから、お互いがストレスを抱えてしまうような人間関係は、望ましくないですよね。
それに、もし施設職員の方たちとの関係性が悪くなるかもしれない、と想像すると、私も嫌ですしストレスになります。
私の母が、施設に余計な迷惑をかけているとなると、心穏やかに暮らすこともできません。
そんな、ネガティブ思考が過るので、私は母が介護を必要としたときに、自宅介護を優先して考えています。
施設の環境はさまざま
介護施設の形態はさまざまあり、持病や身体の状況で入所できる施設が変わってきます。
しかし、私が気になるのは、そういった専門性や得意分野の部分ではなく、そこで働く職員の勤務体制や勤務状態、ハード面の充実度と、何よりも入所している方々が、快適に楽しく暮らすことができているかどうか、が気になります。
私の知人は、お父様が全身マヒになってしまい、言語機能にも影響が出ていたので、寝た切り状態で意思疎通が難しい(というか、言葉にならない言葉なので、相手に意思が伝わりにくい)状態でした。
そんな状態でしたので、知人は最初、お父様を施設に入所させていました。
知人は、受け入れてくれる施設を探すのに、かなり苦労したようです。
そもそも、お父様が全身マヒになったのも、脳梗塞かなにかが原因で、ある日突然だったので、介護保険の手続きも施設を探すのも、短期間でしなければならなかったそうです。
そんな状況だったのですが、お父様の状況で受け入れてくれるような施設は、満杯状態だったり、設備面で受け入れができなかったりして、なかなか決まらなかったと言っていました。
そんな中でも、いくつかの候補が見つかり、それぞれ下見に行き具体的な介護方針なども相談したところ、ある施設では、いきなり相談していた職員が切れて「こちらも人手がなくて大変なんです(だから、あなたが望む介護は無理だ)」と、怒鳴られたそうです。
まだ、入所してもいないのに、ですよ?
その話を聞いて、介護施設の人手不足はたしかに深刻な状況なのだろう、と同情する気持ちもありますが、まだ入所してもいない相談者に怒鳴るなんて、あまりにも仕事に余裕がなさすぎると思いました。
だったら、あなたも一度働いて現場を経験してみろ、と言われるかもしれませんが、それは話が別です。
もし、労働環境に問題があるのなら、それは相談に来た人に声を荒げるのではなく、施設の運営代表者やそれなりの機関に申し出て、解決すべき問題なのですよね。
でも、その職員は入所希望の相談者に対して、不満を吐き出してしまった。
私は、その施設はもう限界なのだな、と感じました。
その施設に今から入所しても、おそらく充実した介護は受けられないと思いますし、それこそ外部からの相談者に対して声を荒げるのならば、入所者に対しても同じ行為をしている可能性は、高いかもしれません。
結局、知人はその施設とは契約せず、いくつかの施設を回って、なんとか入所できる場所が見つかり、病院からその施設へ移動したのですが、その入所した施設も、結局短期間過ごすだけで、退所することになります。
詳しい理由は聞いていませんが、どうも施設職員との人間関係が一因のようでした。
介護施設での入所者虐待行為
ニュースで見た、虐待と疑われる動画は、ひとりの職員だけが虐待的な行為をしていたわけではなく、数名の職員によって行われていました。
それを見て、私は兵庫県で起きた、小学校教諭の同僚いじめを思い出しました。
激辛カレーパワハラ行為動画の、あのニュースです。
相手を弱者と見るや、強気で力ずくな行動に出て、相手を従わせるという意味では、小学校教諭の激辛カレーパワハラも、介護施設の職員数名による入所者への強行も、同じだと思いました。
介護施設での虐待動画は、いつも面会に行っていたお子さま(といっても50代くらいの方)が、親の身体にアザやケガの跡がたくさんあることを不審に思い、個室に隠しカメラを設置して撮影したと言っていました。
動画に映し出されたのは、その日担当する職員数名が、各々で入所者に暴言を吐いたり、乱暴に車椅子に乗せて移動させたり、といった様子でした。
車椅子に乗せるとき、乱暴に身体を持ち上げて、放り投げるように車椅子に座らせていましたし、そもそも自力で立ち上がることができない方なのに、自分で立ち上がるようにと、酷い言い回しをする姿もありました。
車椅子に乗せると、今度は乱暴に前輪を浮き上がらせて、乗っている方が背もたれにぶつかるような状態で、車椅子を動かし始めたので、これは明らかにその方に対して、何らかの憎悪を持った上での行為だと感じました。
それが、数名の職員によって行われていた。
これが意味することは、一体何なのでしょうか?
お互いが気持ちよく楽しく過ごすことは難しい
介護施設での、数名の職員による虐待は、いろいろな事を想像させました。
施設の労働環境、入所者の態度、職員の態度、職員の採用基準と採用方法、施設の介護方針、そのどれかが、あるいは複数の要因が、悪習慣や固定観念と相まって、入所者に寄り添う姿勢が欠落してしまったのかな。
ストレスも、かなり溜まってしまっていたのかな。
介護職に就いているからと言っても、相手は感情を持っている人です。
心の底から、入所者に寄り添って献身的な介護をする人もいれば、ビジネスライクに仕事を淡々とこなすだけの人もいるはず。
ただ、人の痛みを理解できるか、自分だったらどのようなことをしてもらったら、楽しく過ごすことができるだろうか、と言ったことを想像できない人は、今回のような虐待行為に発展してしまう恐れもあります。
しかし、現状人手不足と言われている介護職には、そういった内面的な適性を考慮した採用も難しいのだろうと思います。
であれば、せめて介護する職員が、まず快適に仕事ができるような環境づくりをしていく必要もあるのかな、と。
入所者の状態は、それこそ選り好みなどできませんが、職員の労働環境や福利厚生がしっかりと考えられていたら、もっと気持ちに余裕ができて、入所者へ手をあげるようなこともしないのではないか、と思うのですよね。
ニュースになった介護施設が、どのような労働環境だったかはわかりません。
ただ、複数の職員が同じ行為を、たった1人の入所者にしていたのだとしたら、それは非常に問題があります。
入所者と職員の性格が合いませんでした、と言うには、無理があります。
人が集団で弱者を攻撃するという構図、日本に限らず全世界で見かけますが、そのほとんどは、相手に対して優位に立ちたい人たちが行っていると感じます。
この施設職員も、もしかしたら日常的に抑圧されていて、自分を認めてもらえない反動から、弱者である入所者を力で支配して、優位に立とうとしていたのかも。
でも、強制的に相手を従わせても、虐待行為を行っている本人の問題が解決しないと、いつまでも犠牲者が出るのですよね。
これって、学校や職場での「いじめ」も同じです。
いじめられている人といじめる人、どちらにも何かしらの原因や理由があるのでしょうが、問題の本質は言葉や力の暴力で相手を従わせようとする、その行為です。
よく、いじめられる方にも原因があると言いますが、だからと言って暴力をふるっていいという免罪符には、決してなりませんよね。
本当にすべきことは、問題点を当事者同士が話し合うことなのですが、強者にその意思がないので、いつまでも堂々巡りのいじめや虐待に繋がっていくのだと思います。
実際、いじめや虐待行為をしている人は、相手の話や訴えに対して、ほとんど耳を貸していませんものね。
介護施設もそうですが、学校や幼稚園、保育所など、社会的弱者が多く集まるパブリックスペースで、全員が快適で心穏やかに暮らすことは、とても難しいことです。
ある人にとっては、楽しいことでも、別の人にとっては苦痛に思えるようなこともあります。
ただ、その苦痛に思ったり、嫌な気持ちになったりする機会を、少しでも減らす工夫を考えて、快適な環境へ近づけることが理想なのでしょうね。
本当に、難しいことだとは思うのですが、ニュースのような虐待やいじめが、少しでも減ってくれるように願います。
そうじゃないと、母に介護が必要になった際に、私は誰にもどこにもヘルプを出せなくなってしまいます。
私にも、さすがに限界はあるので、そのときに安心して預けられる場所は必要なのです。
今回は、少し難しい話になってしまいましたが、介護施設を選ぶとしたら、自分はどんなことを基準に施設を下見したらいいだろうか、と考えることは、ムダではないような気がします。
入所する可能性は、フィフティフィフティ。
少しでも、正しい情報を手に入れておいて、備えることが大事かな、と思いました。
母が快適な最期を迎えるためにも、それは必要なことですから。
虐待と思しき現場の動画も放送され、私にも、それはあきらかな虐待だと感じられる職員達の行為。
人道とか道徳とか、そういったこと以外に、一番不安に苛まれるのは、もし自分の親がそんな施設に入ってしまったらどうしよう。
そんな思いで、ニュースをみていました。
もしも親が介護施設に入ったら
個人的に、母は施設での生活ができない性格だと感じています。
たまにブログにも書きますが、母は偏食が酷くて、自分が食べたくないモノには、一切箸をつけないし、好きなメニューであっても、一口食べて好みの味付けになっていないと、一口だけ口をつけたままの状態で、あとは残してしまいます。
また、気分が乗らないときも、一口二口だけ食べて、あとは残します。
そういう時に、母に残すのかと尋ねると、必ず「あとで食べるからラップをしておいて」と言いますが、次に残りを食べるのは、それから数時間後です。
病院に入院していた時は、毎日決まった時間に3食運ばれてきますが、母は我が家にいる感覚で、出された食事を残し、あとで食べると言って、看護師や看護補助員の方を困らせていただろう、ということは想像に難くないです。
また、長年ずっと夜型の生活を続け、改善する努力もしてこなかった結果、病院での規則正しい生活が合いませんでした。
とにかく、昼間はほとんど寝ていますし、眠りが浅いと体調も機嫌も悪くなります。
そして、夜には目がさえて、家では一晩中テレビを見ているし、病院ではどんな夜の過ごし方をしたのだろうと想像すると、夜勤の看護師に迷惑をけていただろうな、と。
そんな感じなので、母が今の状態のまま施設に入るような状況になったら、施設側から、面倒で厄介な入所者だと思われる可能性が、非常に高いです。
もし、施設の職員が全員、仏様のように優しい人ばかりであれば、何とか生活できるのかもしれませんが、それは非常に難しいでしょうね。
お世話になる職員との相性が悪く、その上に食事や生活リズムがでたらめな母と上手く付き合うとなると、もしかしたら虐待まではいかなくとも、冷たくあしらわれでもしたら、母もストレスを抱えて施設で過ごすことになるかもしれません。
人生の最後数年、ストレスを我慢しながら過ごすのは、本人にとっても辛いでしょうし、お世話をする職員の方たちも、できることなら心穏やかに仕事をしたいはずですから、お互いがストレスを抱えてしまうような人間関係は、望ましくないですよね。
それに、もし施設職員の方たちとの関係性が悪くなるかもしれない、と想像すると、私も嫌ですしストレスになります。
私の母が、施設に余計な迷惑をかけているとなると、心穏やかに暮らすこともできません。
そんな、ネガティブ思考が過るので、私は母が介護を必要としたときに、自宅介護を優先して考えています。
施設の環境はさまざま
介護施設の形態はさまざまあり、持病や身体の状況で入所できる施設が変わってきます。
しかし、私が気になるのは、そういった専門性や得意分野の部分ではなく、そこで働く職員の勤務体制や勤務状態、ハード面の充実度と、何よりも入所している方々が、快適に楽しく暮らすことができているかどうか、が気になります。
私の知人は、お父様が全身マヒになってしまい、言語機能にも影響が出ていたので、寝た切り状態で意思疎通が難しい(というか、言葉にならない言葉なので、相手に意思が伝わりにくい)状態でした。
そんな状態でしたので、知人は最初、お父様を施設に入所させていました。
知人は、受け入れてくれる施設を探すのに、かなり苦労したようです。
そもそも、お父様が全身マヒになったのも、脳梗塞かなにかが原因で、ある日突然だったので、介護保険の手続きも施設を探すのも、短期間でしなければならなかったそうです。
そんな状況だったのですが、お父様の状況で受け入れてくれるような施設は、満杯状態だったり、設備面で受け入れができなかったりして、なかなか決まらなかったと言っていました。
そんな中でも、いくつかの候補が見つかり、それぞれ下見に行き具体的な介護方針なども相談したところ、ある施設では、いきなり相談していた職員が切れて「こちらも人手がなくて大変なんです(だから、あなたが望む介護は無理だ)」と、怒鳴られたそうです。
まだ、入所してもいないのに、ですよ?
その話を聞いて、介護施設の人手不足はたしかに深刻な状況なのだろう、と同情する気持ちもありますが、まだ入所してもいない相談者に怒鳴るなんて、あまりにも仕事に余裕がなさすぎると思いました。
だったら、あなたも一度働いて現場を経験してみろ、と言われるかもしれませんが、それは話が別です。
もし、労働環境に問題があるのなら、それは相談に来た人に声を荒げるのではなく、施設の運営代表者やそれなりの機関に申し出て、解決すべき問題なのですよね。
でも、その職員は入所希望の相談者に対して、不満を吐き出してしまった。
私は、その施設はもう限界なのだな、と感じました。
その施設に今から入所しても、おそらく充実した介護は受けられないと思いますし、それこそ外部からの相談者に対して声を荒げるのならば、入所者に対しても同じ行為をしている可能性は、高いかもしれません。
結局、知人はその施設とは契約せず、いくつかの施設を回って、なんとか入所できる場所が見つかり、病院からその施設へ移動したのですが、その入所した施設も、結局短期間過ごすだけで、退所することになります。
詳しい理由は聞いていませんが、どうも施設職員との人間関係が一因のようでした。
介護施設での入所者虐待行為
ニュースで見た、虐待と疑われる動画は、ひとりの職員だけが虐待的な行為をしていたわけではなく、数名の職員によって行われていました。
それを見て、私は兵庫県で起きた、小学校教諭の同僚いじめを思い出しました。
激辛カレーパワハラ行為動画の、あのニュースです。
相手を弱者と見るや、強気で力ずくな行動に出て、相手を従わせるという意味では、小学校教諭の激辛カレーパワハラも、介護施設の職員数名による入所者への強行も、同じだと思いました。
介護施設での虐待動画は、いつも面会に行っていたお子さま(といっても50代くらいの方)が、親の身体にアザやケガの跡がたくさんあることを不審に思い、個室に隠しカメラを設置して撮影したと言っていました。
動画に映し出されたのは、その日担当する職員数名が、各々で入所者に暴言を吐いたり、乱暴に車椅子に乗せて移動させたり、といった様子でした。
車椅子に乗せるとき、乱暴に身体を持ち上げて、放り投げるように車椅子に座らせていましたし、そもそも自力で立ち上がることができない方なのに、自分で立ち上がるようにと、酷い言い回しをする姿もありました。
車椅子に乗せると、今度は乱暴に前輪を浮き上がらせて、乗っている方が背もたれにぶつかるような状態で、車椅子を動かし始めたので、これは明らかにその方に対して、何らかの憎悪を持った上での行為だと感じました。
それが、数名の職員によって行われていた。
これが意味することは、一体何なのでしょうか?
お互いが気持ちよく楽しく過ごすことは難しい
介護施設での、数名の職員による虐待は、いろいろな事を想像させました。
施設の労働環境、入所者の態度、職員の態度、職員の採用基準と採用方法、施設の介護方針、そのどれかが、あるいは複数の要因が、悪習慣や固定観念と相まって、入所者に寄り添う姿勢が欠落してしまったのかな。
ストレスも、かなり溜まってしまっていたのかな。
介護職に就いているからと言っても、相手は感情を持っている人です。
心の底から、入所者に寄り添って献身的な介護をする人もいれば、ビジネスライクに仕事を淡々とこなすだけの人もいるはず。
ただ、人の痛みを理解できるか、自分だったらどのようなことをしてもらったら、楽しく過ごすことができるだろうか、と言ったことを想像できない人は、今回のような虐待行為に発展してしまう恐れもあります。
しかし、現状人手不足と言われている介護職には、そういった内面的な適性を考慮した採用も難しいのだろうと思います。
であれば、せめて介護する職員が、まず快適に仕事ができるような環境づくりをしていく必要もあるのかな、と。
入所者の状態は、それこそ選り好みなどできませんが、職員の労働環境や福利厚生がしっかりと考えられていたら、もっと気持ちに余裕ができて、入所者へ手をあげるようなこともしないのではないか、と思うのですよね。
ニュースになった介護施設が、どのような労働環境だったかはわかりません。
ただ、複数の職員が同じ行為を、たった1人の入所者にしていたのだとしたら、それは非常に問題があります。
入所者と職員の性格が合いませんでした、と言うには、無理があります。
人が集団で弱者を攻撃するという構図、日本に限らず全世界で見かけますが、そのほとんどは、相手に対して優位に立ちたい人たちが行っていると感じます。
この施設職員も、もしかしたら日常的に抑圧されていて、自分を認めてもらえない反動から、弱者である入所者を力で支配して、優位に立とうとしていたのかも。
でも、強制的に相手を従わせても、虐待行為を行っている本人の問題が解決しないと、いつまでも犠牲者が出るのですよね。
これって、学校や職場での「いじめ」も同じです。
いじめられている人といじめる人、どちらにも何かしらの原因や理由があるのでしょうが、問題の本質は言葉や力の暴力で相手を従わせようとする、その行為です。
よく、いじめられる方にも原因があると言いますが、だからと言って暴力をふるっていいという免罪符には、決してなりませんよね。
本当にすべきことは、問題点を当事者同士が話し合うことなのですが、強者にその意思がないので、いつまでも堂々巡りのいじめや虐待に繋がっていくのだと思います。
実際、いじめや虐待行為をしている人は、相手の話や訴えに対して、ほとんど耳を貸していませんものね。
介護施設もそうですが、学校や幼稚園、保育所など、社会的弱者が多く集まるパブリックスペースで、全員が快適で心穏やかに暮らすことは、とても難しいことです。
ある人にとっては、楽しいことでも、別の人にとっては苦痛に思えるようなこともあります。
ただ、その苦痛に思ったり、嫌な気持ちになったりする機会を、少しでも減らす工夫を考えて、快適な環境へ近づけることが理想なのでしょうね。
本当に、難しいことだとは思うのですが、ニュースのような虐待やいじめが、少しでも減ってくれるように願います。
そうじゃないと、母に介護が必要になった際に、私は誰にもどこにもヘルプを出せなくなってしまいます。
私にも、さすがに限界はあるので、そのときに安心して預けられる場所は必要なのです。
今回は、少し難しい話になってしまいましたが、介護施設を選ぶとしたら、自分はどんなことを基準に施設を下見したらいいだろうか、と考えることは、ムダではないような気がします。
入所する可能性は、フィフティフィフティ。
少しでも、正しい情報を手に入れておいて、備えることが大事かな、と思いました。
母が快適な最期を迎えるためにも、それは必要なことですから。