Aが演じる事になったいじめ役は、理不尽なものではなく、そうなるには理由があって、観る側の受け取り方によっては、『かわいそうに』となる役柄で、なかなか難しい。
清廉潔白な主演よりもやりがいのある役柄です。
もちろんAも、そこのところはわかっていましたが、彼女は純粋に主演を目指してましたから、いじめ役をやらなくてはならない…とわかった時に、がっかりしていました。
初読み合わせの時から、テンションは低め…、だけど、度胸と言うのか底力と言うべきか、彼女は全力で挑まなくても、なかなかの力をもっている。
初めて彼女のセリフを聞いた時、正直、いじめ役は彼女にぴったりだと感じるほど、上手かった。
「なんで、そんな事がわからないの?」
「あなたの存在が邪魔なのよ!」
どのセリフを聞いても、実生活でリアルに彼女の口から出ていた言葉ばかり…。
仲間たちも「天職」「はまり役」と、こっそり陰口を言うほどです。
だけど、言葉が生きている…というか、無理せずに発することが出来る言葉だからイキイキしていて、他の人たちのセリフより一歩前に出てくるんです。(この褒め方も嫌味みたいですね💦)
ところが、彼女、珍しく壁にぶつかることになりました。