「先輩に聞きたいことがあります!」
「どうしたの?Aちゃん」
「先輩は本当にK君が好きですか?」
「何言ってるの?」
ーーー実は、Aちゃん、一度先輩とバトっている。
Aが、K君と別れようと決めた時、彼の本心を知りたくて、『最後の賭け』をした。
自分の誕生日に会う約束をした。
たぶん、その日、K君は先輩に呼び出されている…彼はどうするのか…、賭けてみたのだ。
結局、彼は来なかった…。先輩を選んだのだ。
恋のライバルは先輩。本来なら大人しく引き下がる方が賢明なのかも知れない。
だけど、Aは、簡単に引き下がれなかった。
先輩と、同じ現場で会った時、思いきって聞いてみた。
「先輩!◯月◯日は、どうしてましたか?」
「…仕事だったけど…。」
先輩の受け答えが、既に何かを察してしる様子だったらしい…。
「K君と会いましたか?」
「…会ったけど…?」
「私とも会う予定だったんですよ」
一気に気まずい空気が流れた。