また、ある日も、指導者留守の稽古の日。
バトルシーンもなんとか仕上がり、
Y子はM子を叩くという難儀な展開を何とかクリアしたようだった。
そして、Y子も元々のエネルギッシュなパワーを取り戻してきていた。
「あれ?すみません、私のコップ知りませんか?」
「え?小道具の?」
Y子がラストシーンで使うコップが無い。
どこかに置き忘れた?…といいかけてやめた。
慎重なY子に限って、大切な小道具のコップを失くすはずがない。
一瞬、M子を見てしまった。
まさかね💦
このコップ、仲間の証のロゴが入った小道具で、何でもいいと言うわけではない。
だからこそ、大事にしていたはず。
「どこに、置いたの?」
「小道具置き場です。」
上手(かみて)、下手(しもて)に小道具置き場があって、舞台上で使うものをまとめて置いてあるスペースがある。
暗黙の了解で、誰もがそのスペースにあるものを勝手移動してはならない。
…なのに、どこへ行ったんだろう…。