M子の暴走をラルくんがなんとなく止めた。
『どうして、私がいけないの?』
『どうして、ラルくんまで、私に意見するの?』
納得がいかないながらも、M子は本番に臨む。
ーー本番前、皆準備でバタバタする中、Y子があわてて先輩たちの楽屋に息を切らして飛び込んで来た。
「あ、あのぅ…💦💦」
「どうしたの?」
「コップ…、また、無いんです💦」
「え?!本番用の?!」
「はい💦💦もう、あいこち探したんですが…💦💦」
声が震えている。
予備のコップをゲネプロで使って、
もう、予備も無いから大切に保管するように…と、Y子に渡したはずだ。
「え?!コップが?!💦」
騒動を聞きつけて、先輩たちが集まった。
先輩たちの誰もが、Y子のうっかりミスだとは思っていない。
コップが消えたのは、何かしらの、Y子への嫌がらせなんじゃないか…と、思いはじめていた。
「最後にどこで見た?」
「楽屋の私の鏡の前です」