「Y子!もう少し早く話し始めてよ!」
「Y子、あまり強く引っ張らないで!」
稽古が進むにつれて、M子は、自分にとって不都合な事、やりづらい…と思うことに、ダメ出しをはじめた。
もちろん、Y子にばかりだ。
確かに、比較的Y子とは絡みが多いので仕方ないが…それにしても、目にあまる…。
「M子!Y子は悪くないよ!」
指導者も思わず注意をする。
「どうして、Y子にばかり言うの?」
「先生、いいんです。私が理解不足だったからなんです。」
健気なY子への周りからの労りの視線が増える。
それがまた、M子には気に入らない。
魔の悪循環だ。