ますます、M子のY子への当たりが強くなった。
何を話しても喧嘩腰に聞こえる。
Y子は、どんどん萎縮していくように見える。
才能豊かでエネルギッシュなY子の面影が消えそうだ。
私たち先輩グループも、心配になった。
そして、相変わらず、『ストーカー扱い』してしまった罪悪感から、先輩たちは、M子には強く言えない。
そして、また、二人のバトルシーンの稽古。
Y子は、萎縮している。
「痛いっ!」
「あ、ごめんなさい💦」
その日は、指導者がいなかったせいもあって、さらにM子のY子攻撃が強くなる。
「ね、そんなんじゃ、このシーンは、いつまでも完成しないよ!」
先輩たちのひとりが見るに見かねて意見した。
「…そうだよ。Y子はとにかく真面目に稽古したいだけなんだから!」
「…すみません。本当に痛かったんです」
「あなたの本当の目的はなんなの?」
「え?」
先輩グループのひとり、特に正義感の強い仲間が、冷静な口調で続けた。
「Y子がラルくんの相手役に選ばれたのが、そんなに気に入らないの?」
「…やめなよ…」
「どういう意味ですか?私が何かしました?とにかく良いものを作ろうとしているだけですけど…」
皆は黙ってしまった。