洋風おばけ屋敷?2

2020-02-18 07:16:02 | 日記
7月~9月の夏期限定で、そのお城を“カフェ”としてオープンする事が決まった。

そこで、責任者として、部署内から二人が出向く事に。
一人は私…と、もう一人は、私が憧れていた先輩が任命!

な~んにも無い廃墟みたいな場所を二人で一から作ってカフェにする。

メニューもインテリアも一から。

その時の私はワクワクでした。

だって、数人居た先輩の中で断トツにイケてる先輩と一緒でしたから✨

先輩は、カフェのメニューを決める(先輩がキッチン担当)、
それとアルバイトさんのチョイス。


テーブルクロスを選んだり、テーブルの配置などのインテリアやカフェの壁に貼る装飾やお客様のテーブルに出すメニューは私の担当。


先輩とは、様々な決め事も揉める事も無く順調に進み、予定通りのオープン。


遊園地の入口にある…と言う事もあって、お客様も順調に来てくれた、
とても楽しい仕事でした。


…しかし私には、ひとつ気になる事がありました。

それは、お城の2階が“開かずの間”になっている事。

おそらく、倉庫なんだろう…と思うのですが、当初ホフブロウを任された時に、
2階を物置に使いたいから鍵を開けて欲しい…とマネージャーに頼んだところ、

「部長に聞かないとダメだ」と言われ…

「それじゃ、聞いてみて下さい」とお願いすると、しばらくして

「ダメらしい」と返事を貰ったきりで、
結局2階は使えず終い。。。


問題の2階は。。。というと、

ヨーロッパの中世のような古い建物で、石の階段がゆるやかに伸びている。だけど、その石の先は昼でも真っ暗。

それもそのはず、階段を昇りきった先には3メートル程の踊り場があり、その奥に重厚な木の扉。

もちろん、その踊り場には窓ひとつない。

いつも2階が怖かった。

つづく。。。


洋風おばけ屋敷?

2020-02-17 07:07:46 | 日記
遊園地の話しをいくつかしましたが、

別ブログで、遊園地でのこわい体験を載せたことを思い出しました。

再編集して紹介したいと思います。

お暇な方、お付き合い下さいませ!

遊園地時代、ホフブロウ…と言う“お城”をカフェとして運営した事がありまして…。

“ホフブロウ”とは、どこかの国の言葉で居酒屋を意味するとか…。

遊園地の入口を入ってすぐに、小高い山がありました。

その山の斜面には色とりどりの花が活けてあり、
その花は植え方によって、綺麗に絵を描かれ、
その絵の中心の階段を昇るとお城がありました。

規模はかなり小さいけど、ディズニーランドで言うところの
シンデレラ城みたいなモノですね。(今もあるのかどうかわかりませんが)

そのお城は、遊園地のシンボルとして建てられたモノなのか…それとも、
遊園地が出来る以前よりあって、遊園地がソレを敷地に取り込んで出来上がったのか…不明でした。

とにかく、かなり古臭く、年代物のたたずまいです。

ある夏、
私が所属していた部署で、7月~9月の夏期限定で、そのお城を“カフェ”としてオープンする事が決まりました。

つづく。。。

続、遊園地

2020-02-16 04:59:07 | 日記
私が遊園地にお勤めしていた頃にやらかしたことです。

新人の時は、店先に立ってハンバーガーやジュースを販売しましたが、

とにかく遊園地のかきいれ時は、半端無い忙しさで、目が回る…という言葉がピッタリなんです。

普通のハンバーガーショップと違うのは、『昼時』とか関係ないんです。一日中忙しいんです。

その、殺人的な忙しさの中での、私のやらかししです😅

その1

お客様 あのぅ、すみません。『A館』はどこにありますか?

私 『Mゾーン』のとなりです。

お客様 それじゃ、その『Mゾーン』は、どこにありますか?

私 『A館』のとなりです。

お客様 ありがとうございました。

(果たして、お客様はたどり着けたのか、心配です。)

その2

お客様 出口はどこですか?

私 入口と同じです。

お客様 ありがとうございました。

(入口の真ん前のお店だったんです。だから、つい、こんな謎かけみたいな会話をしてしまいました💦)

その3
お客様が夏の暑い日、「水をください」といらっしゃいました。
殺人的忙しさの中、紙コップに水道から水を汲んでお客様に渡した瞬間、『あ、今の水じゃない💦』
ジュースをサービスしちゃいました💦💦

懐かしい思い出です。




st.バレンタインデー 2

2020-02-15 05:25:22 | 日記
それからというもの、バイオリンの王子様を見掛けた会社が気になって仕方がない…。

偶然を装って、あの会社に行ってみようか…。

…だけど、ストーカーみたいだよなぁ…。

…しかも、一度目が合ったのに、なんの反応も無かった…。ということは、私に気づいていないか…、気づいていたとしても、「わぁ!久しぶり~!」と昔を懐かしむほどの存在では無いということだ…。

それから約一ヶ月後、再び王子様がいる会社に訪問することになった。

彼女は、その日が来るのを一日千秋の思いで待ちわびて、明るめの口紅をして、新品の靴を履いた。

「こんにちは。⚪⚪社です。」

「少しお待ちください。」

彼女はゆっくりオフィスを見回した。

…いない。

…そうだよな…。そんなに都合良く現れるワケなんて無いよな…。

「お疲れ様です。」

ーーー彼だ‼️

しかも、付き添いの上司の対応で現れた。

ドキドキしながら、彼を見つめて会釈をした。

…彼も会釈を返してくれたが…、気づいていないようだ。

…そっか、そっか…、そうだよな…。

やっぱり私に気づいていないんだ…。

急に寂しくなった。

それからは、無駄に期待しないで過ごした。

彼の居る会社から電話があるだけで、ドキドキしたりもしたが、無駄なこと。。。

「転職しようかな?」

憧れだったバイオリンの王子様に再会して、"運命の再会!"…なんて、図々しいことは思ってなかったが、ほんの微かな期待ぐらいはしていた。

だけど、"いよいよ王子様との再会"を果たし、ほんの微かな期待までも、しっかりと砕かれた。

「神様が、微かな期待を捨てて、次に行きなさい…と言ってるのかも…。」




ーー今日は、取引先回りの日だ。

また更に傷付くんじゃないか…と思うと、気が乗らない。

王子様に会うとこで、さらに自分がどれだけ小さな存在だったかを思い知らされることがつらい。



取引先の会社に向かう途中、上司がスイーツショップの前で足を止めた。

「明日はバレンタインだから、何か買って行こう」

「あ、そうですね…。」

スイーツショップのショーウィンドウは、『happy♡バレンタイン』の文字が書かれたケーキが並んでいる。

「無縁だな…」思わずつぶやいた。

とりあえず、それなりのかわいいチョコレートを人数分買って、取引先に向かった。

「お世話になっております。」

女性から渡した方がいいだろう…と、上司の意見から、彼女は心ならずも、満面の笑みでチョコレートを配った。


「お世話になってます!」

王子がやって来た。

「あの…、お世話になっております。」

彼女は少し躊躇しながら、チョコレートを渡す。

「ありがとうございます」

至って事務的な会話がなされ、バレンタインの儀式は終わった。

信じられないほど、何も無かった…。

バイオリン王子の記憶のほんの一部にさえ、自分は無かったことを痛感した。

『辞めよう❗』

彼女は、会社を辞める決心をした。

もう、きっかけなんて何でも良かった。

辞表を書き、いつ提出してもいいように、カバンに忍ばせた。

…そうこうしているうちに、同僚が体調不良で突然会社を辞め、同僚の仕事を引き継ぐことになり、提出しようと考えていた辞表も、カバンの中で、ひっそりと出番を待っていた。

一ヶ月が過ぎ、結局忙しく過ごしていた時、突然会社にバイオリンの王子様がやってきた。

『え?なんで?!』

「あの、先日は、ありがとうございました。お返しとしては、ささやかなのですが…」

『あ、今日はホワイトデーか…』

王子は、小さな箱が入ったかわいい袋を女子社員に配りはじめた。

「わぁ、ありがと~💖」

「イケメンから戴けてうれしい~❗」

会社の、女子社員は、王子からの手渡しに、思春期の学生みたいにときめきの混じった声を上げた。

そして王子は、一通り配り終わったかのように、荷物を片付けはじめた。

…え?私、貰ってないけど💦💦

私の存在をことごとく忘れてくれるなんて…。こんな仕打ちある?!

これ以上無いほど傷付いた彼女は、今さら「ごめん、忘れてた!」と言われないように、息を殺してそっと、オフィスを出ようとした。

廊下の窓に写る自分の顔を見て、学生時代の気持ちに戻っていたことに気づいた。

こんなに年月を重ねて、すっかりオバサンになってるのに、バレンタインのお返しに、ドキドキしてたなんて…。

「また、よろしくお願いします!」

満面の笑みで、バイオリンの王子様がオフィスから出て行こうとしていた。

目線を伏せて、やり過ごそうとした。

彼女の横を通りすぎようとした時、ポンとチョコレートを手渡してきた。

何も言わずに。。。

王子は、振り返りもせず、チョコレートを手渡すと、そのまま帰って行った。

…あ、私の分のチョコレート…💦

忘れていたワケでは無かったんだ…💦



…だけど、なに?何も言わないなんて…。ひとことくらいあってもいいじゃない?

だけど、ちょっと嬉しかった。

みんなと同じチョコだけど、それでもいい!



………え?💦💦

みんなと同じチョコレートだけど、もうひとつ、小さなものが入っていた。

ネックレス…。

しかも、バイオリンの形をしている。

彼女は、あわてて王子を追った。


その日は、王子に会うことは無かったが、翌日お礼の電話をすると、

彼女が吹奏楽部の後輩だったこと、昔、バレンタインにバイオリンのキーホルダーを貰って、今も大切に着けている…という話を聞いた。

そして、彼女は、バイオリンの王子様と付き合うことになり、後に結婚しました。


st.バレンタインデー

2020-02-14 05:41:18 | 日記
お客様の話しです。

彼女は、長い間、ある男性に恋をしていました。

男性は彼女の学生時代の部活の先輩。

吹奏楽をやっていた彼女は、繊細にバイオリンを弾く彼に一目惚れでした。

彼女は、こっそりバイオリンの王子様と呼んで、気持ちを打ち明けることもなく、そっと片思いをしていました。

彼はモテモテで、吹奏楽の大半の女子が彼が好きだったんじゃないかと思う。

吹奏楽部に所属して初めてのバレンタインデーに、彼女はチョコレートとバイオリン型のキーホルダーをプレゼントした。

今思えば、彼女らしからぬ勇気ある行動だったし、

もちろん、ホワイトデーにお返しされることもなかった。



社会に出てからも、それなりに恋もしたが、どうしてもバイオリンの王子様と比べてばかりいた。

『王子様、結婚したかな?』

『優しくて男らしい人だったから、恋人くらいはできただろうなぁ…』

時々、そんなことを思いながら過去の思い出でもがく毎日。

今の彼女は、ワクワクする様なこともなく、…かと言って、転職する勇気もなく、流れに逆らわずに生きていました。

気がつくと30代後半。

後輩が自分をお局様と呼んでいるのも知っていた。

「先輩、合コン行きませんか?」

「合コン?…そうね。」

「先輩、合コンとか、好きじゃないって言ってましたよね~」

少し躊躇していただけなのに、ハブかれた。

『最初から誘う気ないくせに…』



今日は、取引先まわり。
取引先回りをする上司に付き添うわなくてはならない…。

内向的な彼女は、取引先回りが苦手。

入社以来、何かと上手く逃げてきたが、今まで付き添って来た先輩が辞めたので、これからは彼女が付き添うことになった…。


「この会社の常務⚪⚪さんとは、わが社のと付き合いが長いんだよ。困った時の⚪⚪様でね、何かと助けてくれるんだ」

「…そうなんですか…」

古株の会社なのは知っていても、中の人たちのことはあまり知らない。

取引先の⚪⚪社は、思っていたよりこじんまりしていて、きれいな会社だった。


「ちょっと出掛けてきます」

忙しそうにオフィスの奥から出てきた人に視線が奪われた。

バイオリンの王子様‼

「あっ!」

思わず小さく声をあげてしまった。

その人は、チラッと彼女を見るとそのまま外へ。

…そうか…。そうだよね…。もう何年も前だし、吹奏楽部にもたくさんの部員がいたし、私のことなんて、記憶に無いよね…。

ドキドキと、心臓の鼓動がうるさいくらいに高鳴っていたが、結局、それきりで、再び王子様がオフィスに戻ることもなく、自分の存在にも気づいてもらえないまま自社に戻ることに…。