トトロ13

2020-10-26 07:47:48 | 日記
「この山…。こんなに広かったんだ💦」

基地にたどり着いて、飛びこんだ私は、ため息まじりにつぶやいた。

入り込んだ山奥は、

何度も木切れを拾いに着た場所だし、子供の足でも1、2分くらいしか離れていない場所。…だと思っていた。

迷うはずなどないほど小さな山なので、隅々まで把握していたはずだった。

その山は、周囲を私道に囲まれているので、山を抜ければ、
必ず私道に出るので、安心なはずなのに、いくら歩いても、私道に出ない…どころか、沼や大きな樹まで…。

その時の私は、どこからか偶然、山道を通って連なった他の山に入り込んだんじゃないか…という考えはありません。


あ、ぺキぺキは?

基地から顔を出そうとしたら…、

ぺキッ!

居る💦💦

ついてきている。

基地から顔を出さず、膝を抱えて息を潜めた。

すると、突然、突風が吹き抜けた。



そして、その突風と一緒にものすごいスピードで、基地の外をぺキぺキが通り抜けた。

確認したわけではないが、裸足だった気がした。

半壊していた基地だが、これ以上突風で壊れることはなかった。


トトロ12

2020-10-25 08:49:58 | 日記
完全に迷ってしまったようだ…。

あんなに小さい子ども向けの山だったはずなのに、沢があり、沼があり、大きな樹もある。

…だけど、不思議なことに怖さはない。

まぁ、それにしても、ぺキ…ぺキ…と、謎の存在が追ってきている限りは、長居はしたくない。

正直、ぺキぺキの存在もあまり怖さは感じない。

…不思議だ…。

しかしとりあえずは、山を降りた。

下降している方向へ黙々歩いた。

ぺキぺキは、まだ着いてくる。

思いきってぺキぺキの正体見てみようか…。

勇気がいったが、立ち止まらずにそっと振り返ってみた。

ハッキリとではないが、小柄な子どもみたいな影が見えた。私よりは小さい。

私が振り返ったのを知ったのか、ぺキぺキは立ち止まった。

あきらかに、謎の"何者か"が後ろに居るのに、やはり怖さは無い。

…かと言って"仲良く出来る"気はしないので、とりあえず山を降りるしかない。


どんどん降りた。
帰り道かどうかは定かではないが、何となく帰り道に着いている気がしていた。

…しばらく歩くと、見慣れた景色が見えてきた。

基地だ!

やっと基地に、たどり着いた。

とりあえず基地に逃げ込んだ。

トトロ11

2020-10-24 07:05:55 | 日記
見知らぬ"モノ"の気配に怯えて、とりあえず山を降りることにした。

小さい山なのに、何度も遊んだ山なのに…。

…迷った。

沢がある…。

今まで、何度も奥まで入ったことがあるのに…初めて見た。

沢の先に池?沼?

え?こんな場所、見たこと無い💦💦

しかも、この沼、わりと大きめだ。

(こんな感じに清んだ水の沼でした)


気をつけてそっと沼の近くにまで行ってみた。

水が清んでいて、沼底まで見える。

す~~っと、大きめな白い魚。

え?魚?鯉?

風が吹き、ざわざわと木々を揺らす。

なんだか急に怖さが無くなった…。

もう少しここに居たい気持ちだ。

いやいや、あんまり帰りが遅いと叱られる。

来た道を逆戻りした。

…しているつもりだった。

急に歩きにくくなって、足元を見ると、  
大きな樹の根っこが迷路のように足元に張り巡らされている。

見上げるとすごく大きな樹だ。

絶対こんな樹も、沼も、あの子供向けの山には無い…。

連なった山道を歩くうちに、さらに山奥の違う山に登ってしまったのかも知れない。


トトロ10

2020-10-23 09:12:34 | 日記
パキパキ…ぺキッ…。

山のさらに奥の方から、人の気配…。

人間の子供の体重でパキパキ…。

パキパキではなく、ぺキ…ということは、私の体重より軽いのかも…💦

短い時間で、いろいろ考えた。

え?それじゃ、私より小さい人?

もしくは…動物?💦

パキパキ…ぺキ…。

やっぱり、何かいる…。


その山は、子供の遊び場くらいの利用価値しかないらしい…と、聞いていた。

…なので、すっかり、私たち3人くらいしか、入らない場所になっていたんです。
だから、秘密基地も、いくら放って置いても、ほぼ現状維持が出来たくらいでした。

しかも、おばあちゃんちのご近所さんは、さらにひと山越えるほどの僻地だ。…なので、「ぺキ」の主は、ご近所さんではない。


見知らぬ"モノ"の気配に急に怖いと感じた私は、木切れを捨てて、おばあちゃんちに帰ることに。

とりあえず、基地に戻ろうとしましたが、迷ったのかたどり着かない。

迷ったことなど無いのに…。


トトロ9

2020-10-22 07:14:25 | 日記
さっきたけし君が帰って来た山道を登ってみた。

基地からほんの少しだけ奥へ行くと、頑丈そうな枝がたくさん落ちています。

「これこれ❗」

すると、もう少し先に、もっと良さそうな木が…。

「こっちの方がいいかな❗……あれ?あっちのもいいなぁ…」

枝を集めるのに、拾ってはさらに選別して新しく拾う…と、こだわりの枝を探して…、奥へ奥へと時間が経つのも忘れて、夢中で木切れ拾いをしてました。

…奥へ…とは言え、小さな山なので、その奥まった場所にも、何度も来たことはあります。


あれ?

なんか変…。

さっきまでの小鳥の鳴き声がパタッの止み、
自分の小枝を踏む足音だけ…。

パキパキ…、パキパキ…。

ここって、こんなに静かだったっけ?

なんだか、音が空に吸い込まれるように真空になったような感じがする。

なんだか、空気が違う…。

周りも薄暗くなって来たし…そろそろ私も山を降りよう…。

パキパキ…、パキパキ…。

一歩踏み出すごとに、木切れを踏む音が響く。

パキパキ…パキパキ…。ペキッ…。

パキパキ…パキパキ…、ペキッ…。

ん?『ぺキ?』

パキパキ…ぺキッ…。

気のせいじゃない、少し違う足音が後を着いてくるみたいだ💦💦