「ちょっと待って!どうしてそんなことまで言われなきゃならないの?」
M子が悲痛な声をあげた。
大好きなラルくん参戦、しかも、Y子の味方…という思いがけない展開に、どうしたらいいのかわからなくなったM子は、ポロポロと涙を流した。
「…ごめん、言いすぎた…💦」
ラルくんは、あわてて声をひそめた。
M子のやりたい放題に、周りの皆も違和感を感じていたので、なんとなくM子ひとりが孤立したような空気になってしまっていた。
居たたまれなくなったM子は、荷物をまとめて、稽古場を出ていった。
「…言いすぎたかな…」
「…仕方ないよ。あのままだと、Y子が萎縮しちゃって、いい演技が出来ないし…」
ーーいろいろあって、やっと本番を迎えることになった。
これが終われば、今度は先輩チームの公演が待っている。
後輩チームは、とにかく初めての公演ということもあって、バタバタとしている。
それぞれ、楽屋では、セリフと衣装や小道具の最終確認に余念がない。
とにかくこのまま無事に公演が終わることを祈るばかり。