エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

ドS刑事

2019-10-04 07:58:58 | 
ドS刑事  さわらぬ神に祟りなし殺人事件

七尾与史 著  幻冬舎文庫  令和元年 8月10日 初版

ドS刑事シリーズ5作目 
黒井マヤのドSぶりに拍車がかかっている(笑)

東大出のばりばりキャリア、浜田に対する扱いもひどくなっているし、もともとの『死体を見るのが好きだから刑事になった』という嗜好も健在(笑)
普通の? 死体では満足できずに双子を真半分に切ってつなぎ合わせた・・・ようなグロなのに高得点を与えている。

今作は、マヤに言わせれば全然面白みのない死体が出てくるとともに、怨霊、なんかも出てくる(笑)
妖を読んだと思えば今度は怨霊。
私も、かなりおかしい(のかも知れない)

冤罪を下敷きにした今作は、今までに比べるとずっと社会派だし、キャッチーなものになっているように感じた。
冤罪では、犯人に仕立てられた人もさることながら、犯人だと思い込んで冤罪被害者を憎んだり恨んだりすることで、精神を保っていた(本物の)被害者家族らも、憎んだり恨んだりする対象がいなくなって、心のバランスを崩していく。

あ~、そんなこと、考えもしなかった。
自白の強要や拷問めいた脅しで犯人に仕立て上げられた人の無実が証明出来て良かったね、と思ったことはあるけれど、じゃあ、この小説のように家族を殺された被害者らは、今度は誰を恨めばいい、とか、今まで犯人だと思って無実の人を恨み続けていた申し訳なさで心の均衡が崩れていく。。。

そういう事までは気が回らなかったからね。 そういえば、京アニの被害者の指名を京都府警が公表した時にも、マスコミが押し寄せるとかなんとかで、遺族の気持ちを考えろ、というような
意見もあったなー。
物事は一面だけを見てはならない、あらためて、こういったキャラミスからでも教えられた。

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