エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

陰陽師 水龍ノ巻

2023-07-18 15:01:41 | 
夢枕獏 著  文春文庫  2023年 6月10日

百人一首って、ほぼ覚えていないのだけれど蝉丸法師の「これやこの行くも帰るも分かれては知るも知らぬも逢坂の関」は覚えている(笑)
なんとなく行く、帰る 知る、知らぬ、という言葉の調子が良くて覚えやすかったから。

もっとも一番好きなのは河原左大臣源融の歌だけど。

その逢坂の関が割と近くにある。
湖国方面に車を走らせていると、ああ、ここがそうなんだな・・・という所にあって「蝉丸神社」もある。

この水龍の巻には、蝉丸の悲恋が書かれている。
勝手に、最初から盲目だと思い込んでいたけれど、蝉丸も若い時は目が見えていて・・・というお話。
これから逢坂の関や蝉丸神社の前を通る時は、この小説を必ず思い出すんだろうな。

「青疱瘡(あおもがさ)」「赤舞瘡(あかぼうそう)」などといった、都を揺るがす疫病の蔓延も書かれているが、これがコロナ禍以前に書かれていたものというので、作家ってすごいな、なんて思う(笑)

いつもながらの晴明と源博雅のやりとりも、晴明の屋敷でふたりがほろほろと酒を飲んでいる描写も好き(笑)


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