クルマにくっついている「謎の棒」?!


くるまのニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/202c28c9af25c42261b1c44af242bf6542c19da6 より

 それは車載ラジオのアンテナです。
 「最近の若いもんはクルマのアンテナも知らんのか!」と云いたくなる郷秋<Gauche>であるぞ。

 考えてもみれば、今どきの携帯電話・スマートフォンには(外から見える)アンテナはない。昔はどの家でも屋根の上にテレビのアンテナが立っていたものだけれど、最近はケーブルテレビの家庭が増えてきたので(山間部の難視聴地域ではかなり以前から)屋根の上にアンテナがない家も増え、地上デジタル放送(地デジ)に移行してからはアンテナが小さくなったから目立たなくもなった。

 携帯電話だって初期のものは本体の中に10数センチのアンテナが収納されていて通話するときにはそのアンテナ(棒)を引っ張り出して使ったものだ。携帯電話の前に登場した自動車電話はトランクリッドに40センチくらいの黒い棒状のアンテナを取り付けていた。自動車電話はないのに「ダミーのアンテナ=ただの棒」だけを付けている車も結構多かったね。

 電波を使う機器にはアンテナは必須。最近のスマートフォンにはアンテナが無いんじゃなくて、本体に内蔵されているから、無いように見えるだけ。アンテナの大きさ(長さ)は電波の周波数(=波長)によって決まるけれど、最近は使っている電波の周波数が高くなったのでアンテナも小型で良くなり内蔵も容易になった。

 ごく簡単に云うと、
 300÷周波数(MHz・メガヘルツ)=波長(m)になる。つまり初期の携帯電話で使っていた800MHzの電波(今も使われいる?)だと、300÷800MHz=0.375m。つまり波長は37.5cm。で、この場合に必要なアンテナの長さは理想的には波長の半分の18.75cmなんだけれど、更にこの半分の9.375cmでもOK。2GHz(2ギガヘルツ=2000MHz)だと3.75cmとごく小さなもので良いことになる。この長さならスマホに内蔵できることも理解できるだろう。

 一方クルマのAMラジオの電波の波長はと云えば300mくらいあるので、原理的には75mくらい必要になるのだけれど、こんなに長いアンテナをクルマに取り付けることはできないので、見えているアンテナの棒の基部に導線を巻いて擬似的なアンテナとすることで棒の部分は1mくらいで済ませている。

 30年くらい前からはこの棒も20〜30cmくらいの黒くて短いものが登場し、最近はシャークフィンアンテナと云う「サメの背びれ」みたいなアンテナが増えてきているため、金属の棒のアンテナを見かけなくなっているのだ。ただしシャークフィンアンテナは見栄えは良いけれど小さいだけに効率は悪く、基部に増幅回路を内蔵してアンテナ本体の効率が悪い分を補ったりと、結構最新の電子技術が投入されているようだ。

参考:300÷周波数(MHz)で波長(m)がわかると云うことは、アンテナの大きさでそのアンテナが受(送)信する電波の周波数もわかると云うことになる。
 地デジの、魚の骨のようなアンテナ(「八木・宇田アンテナ」と云う、日本が世界に誇る発明品)のたくさん並んでいる棒の長さは30cmくらいだから波長はその2倍の60cmとなり、周波数は300÷0.6mで500MHzと云うことが分かる(実際はNHK総合 東京スカイツリー、周波数557MHz 、波長53.86cm)。

 横浜の住宅地の中に残された小さな里山の四季移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは7月15日に撮影した写真を6点掲載しております。梅雨が明け夏本番を迎えたかのような森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori/e/ec5555170c6d4bde7a9238feb3c76b3d

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