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私のガルパン戦車プラモデルの第二十作目にしてプラウダ高校チームの二輌目は、上図のT34/85にしました。プラッツ発の公式商品ですが、キット自体はドラゴンの製品です。
周知のように、ガルパンのT34/85は、その3DデータにおいてT34/76と共通のものが使用されており、車体の基本的なフォルムは同じです。そのためか、T34/76の車体にウラル工場製の砲塔を載せたような姿である、と指摘されています。
したがって、車体の形状に関してはT34/76と変化が無く、ガルパン仕様への工作ポイントについても共通の箇所が幾つかあることが見込まれます。それで、T34/85を作るのであれば、T34/76を作った時のノウハウを覚えているうちに行なった方が良いだろう、と考えました。かくして、T34/76の次に続けて作ることに決めた次第です。
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パッケージの中身です。前回はタミヤでしたから、今回のキットのパーツの多さが際立って見えました。しかし、私の制作においては、全体の半分ほどのパーツが不要となります。
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不要となるパーツの一種は上図の転輪です。ゴム付きディスク型ではありますが、劇中車の前期型タイプとは異なる、段差無しの後期型タイプです。転輪に関しては、T34/76を作った時と同じように、タミヤの149番のキットの転輪を転用して劇中車の形状に合わせます。
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それから上図の連結式履帯のパーツも不要です。前回のT34/76でベルト式パーツを使用しましたので、それとの違和感を無くすために、今回のキットにおいてもタミヤの149番のキットに入っているベルト式パーツを転用することにしました。
周知のように、ソ連戦車T34系列の起動輪は歯が無いので、ドイツやアメリカの車輌のように履帯の穴に起動輪の歯を噛み込ませる形になりません。キットのパーツでも起動輪および誘導輪は丸いだけですから、履帯は引っ掛ければ事足ります。
タミヤもドラゴンも、足回りの寸法は同じであり、劇中車の履帯はT34/76もT34/85も同じものを使用していますから、T34/76のキットのベルト式パーツを今回のT34/85に転用しても違和感はありません。むしろ、その方が制作が楽です。
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組み立てガイドとデカールと特典シールです。今回のキットではプラウダ校章デカールは二枚を使用しますが、シートには四枚入っています。貼り損ねたり、破損したりした場合に備えての予備が二枚追加されているのでしょう。
また、特典シールが「模型戦車道」であるのは、なんとなく今の私に似合っている気がいたします。
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ステップ1では車輪類を組み立てます。そのうちの転輪は、前述したようにタミヤの149番のキットのパーツC1およびC2を転用します。ステップ2では下部車体の足回りを組み付けます。
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大きいほうが起動輪、小さいのが誘導輪です。ガイドの指示通りに組み立てました。T34系列は後輪駆動ですので起動輪が後ろに位置しますが、歯が無いので、初めて見た時には、起動輪なのか誘導輪なのかが分かりませんでした。
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ここで公式設定資料図を御覧下さい。転輪は全てゴム付きの段差付きディスク型です。劇中においてはT34/76の一部の転輪にも同じものが使われています。3Dデータの共通化の一環と思われます。
この前期型の段差付きディスク転輪をドラゴンの他キットから転用する手もありますが、費用が高くついてしまいます。私の制作では、運よくタミヤの中古キットを安価で入手出来ましたので、今回はタミヤのパーツで劇中車の転輪を再現してみました。
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上図の左が、今回の公式キットのパーツの転輪、右がタミヤキット149番から転用した転輪です。違いは一目瞭然で、ゴム部分のディティールもタミヤパーツの方がよく出来ています。1970年代の古いキットとは思えないほどの精度です。
前回製作したT34/76の一部の転輪も同じタミヤパーツを使いましたので、今回も同じパーツで転輪を再現し、ベルト式履帯パーツの使用と合わせて外見上の共通化を図ります。
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ですが、今回のタミヤパーツの転用に際して問題点が一つありました。それは、パーツC1およびC2の中央の穴が、ドラゴンの車軸パーツよりも大きいことでした。共に使用するポリキャップB1は逆にキツめでしたが、そちらは押し込めばオーケーでした。それでも軸部の半分ぐらいにとどまりますので、内側に隙間が残って転輪がガタつきました。
そこで、上図右のように、T34/76を製作した際の不要パーツとなった別のポリキャップを輪切りにしたものを転輪の内側の穴にもはめ込んで、穴の大きさが同じになるようにしました。これをそのままドラゴンの車軸パーツに装着するには少しキツいので、車軸の方も少し削って調整することにしました。
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とりあえず、転輪はなんとか使用出来る目処が立ちました。全部で10個を同じように組み立てて改修を施しました。
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続いて、T34/76を製作した時と同じように、ゴム部分の溝や穴のモールドを薄めるべくパテを塗りました。これでステップ1の工程は完了です。
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ステップ2に移り、組み付けるパーツを切り出して並べました。
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ガイドの指示通りに組み立てて、ステップ2も終えました。 (続く)