私のガルパン戦車キット制作は、これまでずっと大洗女子学園と黒森峰女学園の所属車輌に絞ってきましたが、劇場版公開を機に、2016年度より対象を拡げることにしました。とりあえず、2015年年末の時期にキットが入手し易かったプラウダ高校チームの車輌を作ろうと考え、新年度の第一作をT34/76に決めました。
ソ連の戦車は今回が初めてでした。何もかもゼロからの取り組みだ、と銘じて年末に資料調査を始め、京都や大阪の模型専門店へキットの実物見学を兼ねて買い出しに行きました。T34/76のキットは海外製品の方が沢山あるのに驚かされましたが、価格も手頃なタミヤの上図の製品に落ち着きました。ミリタリーミニチュアシリーズの59番で、初版が1970年代という古いキットです。
が、キットの精度は良好で現在の水準でも充分に通用します。さすがはタミヤだと感心させられます。大抵の模型店でよく見かけますので、再販も重ねて市場在庫が潤沢にあるようです。
周知のように、ガルパンのT34/76は1943年型です。タミヤからは1943年型は二種類のキットがリリースされています。プラウダ高校チームのT-34/76の外見上の特徴として、砲塔が六角形であること、砲塔上にキューポラが無いこと、の二点が挙げられますが、これに対応するのがタミヤにおいては上図の59番の製品です。もう一種類は149番ですが、これもガルパン仕様への工作に必要となりますので、一緒に購入しておきました。
なお、ガルパンのT34/76は、現時点でまだ公式キットが出ていません。模型誌などにおいて、一番の適応キットはドラゴンのCH6424であると紹介されていますので、公式キットが出るとなれば、ドラゴン製品がベースとなる可能性が高いです。
ですが、最近の公式キットのうちのタミヤOEM供給分については、ミリタリーミニチュアシリーズの古い時期のキットが多いため、今回の59番の製品がベースになる可能性も否定出来ません。果たして、どちらになるでしょうか。
現時点で、プラウダ高校チームの車輌に関しては、テレビシリーズ版の冬季塗装、劇場版のロシアングリーン塗装の二形態が知られます。車体細部形状や仕様も異なっているとの情報がありますが、劇場版仕様の詳細は、まだ公式設定資料集が刊行されていないので不明です。
そこで、今回からのプラウダ高校チームの車輌群については、テレビシリーズ版の冬季塗装仕様にて再現することにしました。
パッケージの中身です。初期のキットはパーツ数も少ないわりに精度が良いので、そのまま組んでも良いものが出来上がります。価格も手頃で買いやすく、二、三個買っておくと部品が色々と転用出来たりしますので、ランナー単位で請求するよりも安上がりです。ガルパン仕様に仕上げる場合は、他キットからの部品転用が必須となりますので、必要な製品を幾つかまとめて買うのが良いでしょう。
組み立てガイドのステップは全部で八つです。普通に組み立てれば数時間で完成させられますが、ガルパン仕様への追加工作が車体パーツを中心に色々と加わりますので、今回のキットも一日では出来上がりませんでした。
ステップ1です。車輪類を組み立てますが、ガルパン仕様に仕上げる場合はロードホイルAは6個作ります。ロードホイルBは不要です。
公式設定資料図を御覧下さい。片面5個のロードホイルつまり転輪のうち、前後の1個ずつがゴム付きディスク型になっています。段付きの前期型です。これは同じタミヤのミリタリーミニチュアシリーズの149番のキットに入っていますので、今回はそれを転用しました。
組み立てが終わった車輪類です。下の4個が149番のキットから転用した前期型ゴム付きディスク型転輪です。同じタミヤのパーツで、ポリキャップによる取り付け方法も同じです。
この前期型ゴム付きディスク型転輪のパーツは、実物を忠実に模してゴム部分に穴や溝がモールドされています。劇中のガルパン仕様では、穴や溝が雪によって目立たなくなっている感じなので、パテを塗って凹凸感を薄めておきました、最終的には黒く塗りますから、あまり目立たなくなると思います。
ステップ1の工程が終わりました。
ステップ2では、車輪類などを取り付けます。元々はモーターライズのキットであったため、誘導輪の軸は金属棒をセット、ネジでパーツを固定するという方式です。ガイドでは接着しないとの指示がありますが、構わず接着して固定しました。
上下車体を着脱可にするため、各所に穴やモールドがありますが、問題は後部の起動輪の根元に大きな隙間が存在することでした。ガイドの図でもその隙間が描かれていますが、これは後でプラ板で適当に埋めるほかありません。
誘導輪の軸を金属棒をセットし、ネジでパーツを固定しました。元はここにモーターを組み込んでいたのでしょう。下部車体内部には乾電池の取り付け位置もモールドされています。
背面の起動輪変速機カバーも、この段階で取り付けます。このパーツA22は、ガルパン仕様への修正が必要です。
パーツA22の修正前の状態です。変速機カバー部分にはエッジがつき、パネル中央にはヒンジ下部の薄い盛り上がりが再現されています。
公式設定資料図を御覧下さい。変速機カバー部分にエッジが無く、丸みを帯びているのが分かります。パネル中央にヒンジもありませんので、ヒンジ下部の薄い盛り上がりも不要となります。
とりあえず、変速機カバー部分のエッジをサンドペーパーでヤスって落とし、丸く仕上げました。
それから車体に接着し、ワイヤーフックのA13も取り付けました。このA13は、実車では向きが逆なので、タミヤの取り付け指示が誤りであることが分かります。しかし、ガルパン仕様もこの誤りを踏襲してしまっているので、ここではガイドの取り付け指示に従うことになります。
ヒンジ下部の薄い盛り上がりもカットする必要がありますが、上部パネルを組み付けた段階で上のヒンジ部分と合わせて削り取ることにしました。
車体パーツには、モータライズキット時代のはめ込み用穴も残っています。側面中央に一つずつありますので、プラ材を詰めて埋めました。その後に転輪類を取り付けました。
以上でステップ2までの工程、およびガルパン仕様への工作を終えました。 (続く)