表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
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ウィリアム・フリードキン

2023-08-10 10:02:04 | 映画

大好きな映画作家ウィリアム・フリードキン監督が亡くなったそうです。1935年生まれだから88歳。

 

長いキャリアの割には残した作品は少ないけど、どれも強烈なインパクトを残してくれました。

『エクソシスト』を初めて観たときの、悪魔祓いシーンの緊張感は、ホラーというより緊迫したサスペンス映画を観ているようでした。

名作『恐怖の報酬』をリメイクしたのも、むしろオリジナルより好きだし、アル・パチーノがアブノーマルな世界に堕ちていく『クルージング』は、当時中学生だった僕には理解できなかったけど、その次の『LA大捜査線』はお得意のバイオレンスアクションが炸裂。なかなか面白かったですね。

しかしフリードキン作品ダントツの第一位は『フレンチ・コネクション』しかありません。

オールロケの寒々しいニューヨークの風景、とにかく走り回るポパイとそれに振り回されるバディ。ジーン・ハックマンとロイ・シャイダーのコンビネーションが最高。

極寒の中で張り込みをしているシーン。ポパイたちは冷たくなっていかにも不味そうなホットドッグを齧っているのに対し、相手は暖かそうなレストランで優雅に食事。

汚い街だったニューヨーク(僕が初めて訪れた90年頃も汚かった)。逃げる容疑者を追って地下鉄の高架下を片目で電車を追いながら片目は道路という離れ業を見せてくれるシーンは、間違いなく『ブリット』のチェイスと並ぶ名シーンです。

フリードキン監督曰く「これは薄汚い、荒廃し切った残酷な物語である」(「世界の映画作家」より)。まさにその通りの、刑事ものというジャンルを超えた最高傑作です。ジョン・フランケンハイマー監督の続編も痛快でしたね。続編繋がりで言うとジョン・ブアマン監督の『エクソシスト2』も面白かった。

しかしジーン・ハックマンって良い作品にいっぱい出ているし(『許されざれる者』のリトル・ビル保安官最高)、味のある良い役者さんなのにイマイチ大スターになれなかったのは何故だろう?

 

大好きなフリードキン監督、安らかに…

 

今度必ずまだ未見の『真夜中パーティ』観させて頂きます。



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