「美味しんぼ」は単なるグルメ漫画では無い。
美味しんぼは日本三大親子喧嘩漫画だ。
(他は「巨人の星」「グラップラー刃牙」と勝手に思ってる)
今回の「福島の真実編」シリーズは確かに、震災被害や原発問題をメインに描いてきた問題作だ。
だけど今回作者が描きたかったテーマがもう一つあるのは、長年の愛読者なら気づくはず。
今、美味しんぼの鼻血描写に対しクレーム入れてる奴は絶対漫画、全巻通して読んでほしいな。
何故、放射能の被害で一番多いと言われる甲状腺がんではなく、鼻血での描写だったのか。
今回の「福島の真実編」で原発事故の福島の現状を描きながら、
長年にわたる、山岡士郎と海原雄山の親子の絆の最終章を描いているのだ。
山岡士郎と海原雄山とは親子だ。
連載当初から、両者のいがみ合い、対立、確執が描かれてる。
「食の本質とは?」と、この親子の対立が裏テーマに常にあるため、
この漫画は単なる「美食グルメ漫画」とは一線を画してる。
美味しんぼをまともに読んだ事の無い人のために、おせっかいだが記載する。
(下記の画像も見てね)
東西新聞社のグータラ記者だが、料理の知識は半端じゃない主人公、山岡士郎。
母親が死んだのは雄山がこき使ったせいだと恨んでる。
書家で陶芸家、そして美食を極めた「美食倶楽部」主宰の海原雄山。
自分の後継者として育てた息子を、家を出て以降認めず徹底的につぶそうとする。
「食」をテーマに、両者はことあるごとに激突!
最初のうちは士郎に対し、「ゴミ」「ウジ虫みたいなもの」「ゴキブリのようにどこでも現れる」
「くず」「縁を切った人間だから何も関知しない」等、暴言を言いたい放題言ってる。
対決で圧倒的に力の差を見せつけ、叩きのめしてきた雄山も、士郎の成長を徐々に認めてくる。
士郎も「あいつのせいで俺の母親は殺された」に始まり「あんな奴」「あの男」
「雄山ってそんな奴さ」「縁は既に切っている」「美食倶楽部の主人」とか
常に親と絶対認めようとしない発言をしてたが、奥さんになった栗田さんや、
周りの人の言葉、雄山の態度により徐々に軟化してきた。
そして「豆腐対決」2回目で雄山が遂に「こんな日が来るとは・・」と士郎を認める発言。
雄山に盗作疑惑がかかった時には士郎が「あいつは盗作なんて絶対しない」とかばう発言。
士郎が同僚の栗田さんと結婚をするのを決めたあたりから
母親がいかに雄山に尽くしてきたか、雄山も妻に対し感謝をしていたのかがわかってくる。
雄山が事故により意識不明の重体になった時、遂に美食倶楽部を助けにいく。
そして意識を呼び戻す為、家を出て初めて雄山に対し「おやじ・・」と声をかける。
(ここが重要だからね)
そのあとも和解してた訳じゃないから、相変わらず「あいつ」とか「雄山」とか呼んでるが、
遂に102巻で和解が成る。
この時、「このワインが飲み頃になったら一緒に飲もう」って雄山からの和解の誘いが粋だ。
漫画史に残る名シーンだと思う。新聞やニュースでも取り上げられてたね。
その後、更に対決は続く。ただし、今度は対等の立場で。
安全や警告、郷土や環境問題を含めた社会問題をお互い取り上げていく。
東北の震災と津波。
今迄取材をしてきて、漫画に取り上げて来た東北の方達や、震災後の現状を取材。
そして雄山は言う。
「これから私は福島の真実を突き詰める。協力したかったら言って来い」
息子を対等のパートナーとして誘ってる。(ちょっとツンデレなのが笑えるが)
そして福島には「おまえの根っこがある」と。
この時にも「今度の敵は巨大だ」「何が真実なのか」「TVや新聞は本当の事を伝えてるのか?」
等、今回の騒動を予見した事も描いてある。
110巻も続く漫画だから、あらすじを書いたくせにまとまりが無く長くなったが
(ごめん、昔から感想文とか長いの)
これがわからないと先述の鼻血の描写が、
ただ単に放射能怖いで~って描いてるだけと思われちゃうから。
この福島の真実編で、何度も福島に行ってる山岡士郎が、「最近疲れやすい」といい、
鼻血がいきなり出たりする。(これが今取り沙汰されてるシーンだ)
診察した病院の先生は「原発との直接の因果関係は考えられない」と言う。
別に作者も無理にここを突っ込みたい訳ではないのは読めばわかる。
作者が書きたかったのはこの後だ。
雄山も鼻血が時々出てる事を知った士郎がつぶやくシーンだ。
「親父も出てるのか・・・」
親父って雄山を呼んだのは、先にも書いたが雄山が意識不明の重体だった時だけ。
しかもこの時は、奥様のゆう子さんの必死な願いを聞き入れて、半ば自暴自棄で言った。
今回の「親父」は士郎が本気で雄山を父と認め、心配したから出た言葉だ。
この言葉で、遂に親子の真の和解が成り立ったのだ。
せっかくの名シーンが、昨今のメディアの騒ぎすぎで埋もれてしまった。
福島の問題が表に出て来る事で、もう一度討論や議論さえるのはいい事だ。
国民に対して、政治家に対して、役人に対して、作者の思惑とは違ったが意図は伝わった。
でもなぁ、俺は親子の真の和解の方も読んで欲しいと思うんだけどな。
美味しんぼは日本三大親子喧嘩漫画だ。
(他は「巨人の星」「グラップラー刃牙」と勝手に思ってる)
今回の「福島の真実編」シリーズは確かに、震災被害や原発問題をメインに描いてきた問題作だ。
だけど今回作者が描きたかったテーマがもう一つあるのは、長年の愛読者なら気づくはず。
今、美味しんぼの鼻血描写に対しクレーム入れてる奴は絶対漫画、全巻通して読んでほしいな。
何故、放射能の被害で一番多いと言われる甲状腺がんではなく、鼻血での描写だったのか。
今回の「福島の真実編」で原発事故の福島の現状を描きながら、
長年にわたる、山岡士郎と海原雄山の親子の絆の最終章を描いているのだ。
山岡士郎と海原雄山とは親子だ。
連載当初から、両者のいがみ合い、対立、確執が描かれてる。
「食の本質とは?」と、この親子の対立が裏テーマに常にあるため、
この漫画は単なる「美食グルメ漫画」とは一線を画してる。
美味しんぼをまともに読んだ事の無い人のために、おせっかいだが記載する。
(下記の画像も見てね)
東西新聞社のグータラ記者だが、料理の知識は半端じゃない主人公、山岡士郎。
母親が死んだのは雄山がこき使ったせいだと恨んでる。
書家で陶芸家、そして美食を極めた「美食倶楽部」主宰の海原雄山。
自分の後継者として育てた息子を、家を出て以降認めず徹底的につぶそうとする。
「食」をテーマに、両者はことあるごとに激突!
最初のうちは士郎に対し、「ゴミ」「ウジ虫みたいなもの」「ゴキブリのようにどこでも現れる」
「くず」「縁を切った人間だから何も関知しない」等、暴言を言いたい放題言ってる。
対決で圧倒的に力の差を見せつけ、叩きのめしてきた雄山も、士郎の成長を徐々に認めてくる。
士郎も「あいつのせいで俺の母親は殺された」に始まり「あんな奴」「あの男」
「雄山ってそんな奴さ」「縁は既に切っている」「美食倶楽部の主人」とか
常に親と絶対認めようとしない発言をしてたが、奥さんになった栗田さんや、
周りの人の言葉、雄山の態度により徐々に軟化してきた。
そして「豆腐対決」2回目で雄山が遂に「こんな日が来るとは・・」と士郎を認める発言。
雄山に盗作疑惑がかかった時には士郎が「あいつは盗作なんて絶対しない」とかばう発言。
士郎が同僚の栗田さんと結婚をするのを決めたあたりから
母親がいかに雄山に尽くしてきたか、雄山も妻に対し感謝をしていたのかがわかってくる。
雄山が事故により意識不明の重体になった時、遂に美食倶楽部を助けにいく。
そして意識を呼び戻す為、家を出て初めて雄山に対し「おやじ・・」と声をかける。
(ここが重要だからね)
そのあとも和解してた訳じゃないから、相変わらず「あいつ」とか「雄山」とか呼んでるが、
遂に102巻で和解が成る。
この時、「このワインが飲み頃になったら一緒に飲もう」って雄山からの和解の誘いが粋だ。
漫画史に残る名シーンだと思う。新聞やニュースでも取り上げられてたね。
その後、更に対決は続く。ただし、今度は対等の立場で。
安全や警告、郷土や環境問題を含めた社会問題をお互い取り上げていく。
東北の震災と津波。
今迄取材をしてきて、漫画に取り上げて来た東北の方達や、震災後の現状を取材。
そして雄山は言う。
「これから私は福島の真実を突き詰める。協力したかったら言って来い」
息子を対等のパートナーとして誘ってる。(ちょっとツンデレなのが笑えるが)
そして福島には「おまえの根っこがある」と。
この時にも「今度の敵は巨大だ」「何が真実なのか」「TVや新聞は本当の事を伝えてるのか?」
等、今回の騒動を予見した事も描いてある。
110巻も続く漫画だから、あらすじを書いたくせにまとまりが無く長くなったが
(ごめん、昔から感想文とか長いの)
これがわからないと先述の鼻血の描写が、
ただ単に放射能怖いで~って描いてるだけと思われちゃうから。
この福島の真実編で、何度も福島に行ってる山岡士郎が、「最近疲れやすい」といい、
鼻血がいきなり出たりする。(これが今取り沙汰されてるシーンだ)
診察した病院の先生は「原発との直接の因果関係は考えられない」と言う。
別に作者も無理にここを突っ込みたい訳ではないのは読めばわかる。
作者が書きたかったのはこの後だ。
雄山も鼻血が時々出てる事を知った士郎がつぶやくシーンだ。
「親父も出てるのか・・・」
親父って雄山を呼んだのは、先にも書いたが雄山が意識不明の重体だった時だけ。
しかもこの時は、奥様のゆう子さんの必死な願いを聞き入れて、半ば自暴自棄で言った。
今回の「親父」は士郎が本気で雄山を父と認め、心配したから出た言葉だ。
この言葉で、遂に親子の真の和解が成り立ったのだ。
せっかくの名シーンが、昨今のメディアの騒ぎすぎで埋もれてしまった。
福島の問題が表に出て来る事で、もう一度討論や議論さえるのはいい事だ。
国民に対して、政治家に対して、役人に対して、作者の思惑とは違ったが意図は伝わった。
でもなぁ、俺は親子の真の和解の方も読んで欲しいと思うんだけどな。